26話 これからのミサキ
今回でラグマタス編終了ですね。ちょっと物語を早めに進めてます。
〈タクト視点〉
目を覚ますと宿の布団の中だった。今度は結構覚えていた。ヨシオやミサキを傷つけられたのを見た瞬間、俺はものすごい恐怖に襲われたんだ。同時に許せなかったんだ。だからウイッチとか言うモンスターにありったけの力をぶつけた。
ここまでは覚えてるけど、その先が微妙だな。みんなは無事なのかな?回りを見ようとする。体がピクリとも動かない。目は開いてるのに意識はあるのに体が何かに固定されているような感じがする。
「おはよう。タクト、起きたのね。色々言いたいけどまずごめんね。私の雷で体を麻痺させているわ。」
どうして!なんて口が開かないから言えるわけがない。ダメだ。考えてもわかんないや。
「私ね。流石にタクトの暴走した姿を見て、怖かったんだ。タクトが起きてまた暴走したら...そんな風に思っちゃって痺れさせたの。今なら大丈夫そうね。すぐ解除するよ。」
俺の体は動くようになっていた。やっぱりまた暴走したみたいだな。嫌われちゃったか?せっかく友達になったミサキなのに残念だな。
「ごめんな。怖がらせちゃったよな。本当にごめん。」
「うん。確かに命の危険まで感じたわ。あんな思いは、もうこりごりよ。」
あぁ。ここまで言われちゃ間違えないな。ミサキと過ごした数日間。楽しかったんだ狩りの道中は地球にいた頃を思い出したぜ。
「あんな思いはもうこりごりだから、私がもっと強くなってタクトを止めてあげるの。」
「え?!」
「本当に大切な人って言うのは、そのまんまの部分も受け止めてくれる人のことでしょ!友達の私が受け止めて上げるわ!だから!...だから、私もアースファミリーに正式に入れてほしいな。」
気づけば俺は泣いていた。ミサキは顔を真っ赤にしてうつむいていたが、俺が泣いていると知りオロオロしだす。しまったな。返事を返さないと。
「こんなダメで迷惑な俺だけどミサキがパーティーに入ってくれたら助かるよ。みんなには俺から話をしておく。」
「その必要は無いぜ!」
宿の扉が開く。ヨシオが太ったいい年のじいさんを投げ捨てるように俺とミサキの前に転がす。
「ワシは工業貴族だぞ!冒険者風情がワシに触るな!ってアッサーオ家のミサキではないか!!」
そっか。貴族だからフルネームあるよな。アッサーオ家って地球の淺黄っていうのと微妙に被ってるな。さっきまで泣いてた俺だが面白くてついそんなことを考えてしまう。
「あんたは私を蹴落としたロンバーヤ家当主ね。私、親からも切り捨てられるし散々だったんだから!」
ミサキが無意識に静電気を発生させる。俺なんか髪が逆立ってどこかの戦闘民族になりかけてるし。
「俺が裏で調べた。アッサーオ家が発明したその雷雷銃。雷魔力持ちにかなり売れているらしくてな。そんな中、他の貴族にとっては目の上のコブみたいなものだったと思う。ミサキを蹴落とす計画の中心人物がこのロンバーヤ家当主だったってことだな。」
貴族同士も怖いことばっかだな。ミサキも、これは怒るだろう。そう思って構えていたが反応は予想外だった。
「ロンバーヤさん。ごきげんよう。とても感謝していますわ。お陰でこんなに素晴らしい仲間に出会えたのですもの!どんな物を献上するべきですかね?悩みますわ。」
嬉しいような怖いような声をかけるミサキ。笑顔だが完全に怒ってるな。
「あともう2人。ミサキに会いたがってた人だぜ。」
「ミサキ!」 「ミサキちゃん!」
「お父様?お母様?」
ミサキの両親か。優しそうな顔をしているじゃないか。こんな親がミサキを切り捨てたなんて想像できないぞ。その親がミサキに駆け寄る。
「あぁ、ミサキちゃん。会いたかったわ!家の家計が大変なの。マスターウイッチを倒したって聞いたわ。いくらもらったか教えてちょうだい!」
「そうだぞミサキ。マスターウイッチって言えばランク10の大物だからな。さぁアッサーオ家に帰ってくるんだ。」
自分の娘の心配より金かよ!本当腐ってるな。ミサキの表情はうつむいていてはっきりとはわからなかった。ちなみにいくらなんだろ?
「ヨシオ。依頼報酬っていくらだったんだ?」
「600万マネーだから、1人150万ってところかな。」
サーベルガーよりも上の金額か。それを聞いたときさらにミサキの両親は勢いを増す。
「600万マネー!ミサキちゃん!速く持って帰るわよ。600万あったらなにしようかしらね♪」
「そうだな。新しい乗り物でも買うか?400万くらいの!」
完全に俺らのこと無視か!600万マネーはパーティー全員にであってお前らには一寸たりともないんですけど!なんてやつらだ。金の亡者達が。
「いい加減にしろー!!」 ドッカーーン!!
ミサキの怒りが頂点を越した。外は晴れているのに雷だけ宿の外に落ちてくる。これからミサキを怒らせないようにしよっと。
「私は!冒険者であって、アッサーオ家をやめた女よ!あなたたちについていく筋合いは完全に無いの!もう出ていけ!」
確かに親があれだったら俺も同じ態度になるわ。酷すぎるもん。これからミサキは俺たちの仲間になるんだし今のうちに言いたいこといっといた方が得だな。
「私は!タクトとアルファとヨシオとタマがいる、大切な友達がいるパーティーに入るの!お金はそのときの武器やアイテムの費用で使っちゃうわ!あなたたちに渡すお金なんて1マネーも無いわよ!」
よくいった。俺もスッキリだぜ。ミサキは全てを言うと、ロンバーヤ家当主と親を部屋から出し鍵を閉めた。ミサキにとって、ロンバーヤ家にはもう関係ない。しかし、ミサキの両親は金銭的理由でミサキに助けてもらわなければいけなかった。扉の外から叩く両親。
「ミサキちゃん。宿のお金はもう払ってあるし、アルファちゃんが旅に必要な買い出しもやってくれてる。実はミサキちゃんのパーティー入りも、もう登録してあるんだ。後はこのままでも窓から飛び出し町の門にいるアルファちゃんと合流するだけ。
そんな選択肢があるけどどうする?」
ヨシオは選択肢ではなく、これからどうするかを語るように話す。判断はミサキに任せるぜ。ミサキは扉の近くに立つと小さな声で。
「今までありがとうございました。ぱぱ、まま。」
そうつぶやいて窓を見る。え?ヨシオが言ったやつ決定っぽいな。俺、まだ体力回復してなくて動きづらいんですけど。ヨシオが俺を片手で猫のように持つ。そういえば。
「タマはどこにいる?」
「アルファちゃんとこ。さぁ行こうか!次の町にレッツゴー!」
「ゴー!」
ヨシオとミサキは走り出す。窓を開けて飛び出した。ってここ2階なんですけど!!ヨシオは炎をクッションがわりに、ミサキは壁を走って地面に降りる。本当化け物だな。そのまま、門に向かって走り出した。
「ヨシオ!そういえば乗り物は?!」
「それもアルファちゃんが買っておいてくれたはずたぜ?」
若干不安が残ったけどまぁいっか。門が見えてくる。アルファは門の外で待っていた。気づけばアッサーオ家の警備員達がミサキを襲うように捕まえてくる。
ジエンさんに似た人はすんなりと俺たち優先で通らしてくせる。VIPみたいでかっこいいぜ。アルファは入り口の外で待ってくれていた。警備員たちはジエンさんに似た人によって足止めされている。
「タクト。お帰りなさい。」
暖かい声が俺を迎えてくれる。ほっとするな。聞きたいことがある。なんだよ!その車っぽい乗り物は?!
「とりあえず、走るぞ!次の町はすでに決めてある。東方魔力協会本部があるルーベンスだ!」
俺たちアースファミリーの4人と1匹は次の目的地へと歩き出した。
はぁ、お仕事辛いよう。読者様も社会人さんならお仕事、学生さんなら勉強を、頑張ってください。
少し早めに物語を進めてます。本当の物語はメンバーがしっかり揃った後になると思いますのでそれまでお付き合いくださいませ。




