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ダメな俺とチートなやつら  作者: 電工 ナイフ
ラグマタス編
23/39

23話 ウイッチ討伐 朝

戦闘シーン。今回はないです。



「フニャーオ!」


おはようございます。隣に住んでる幼馴染みではなく、ネコの肉きゅうによって起こされました。タクトです。


「ニャーニャー!ニャー!」


タマが右足で額をベシベシと叩いてくる。鳴いているのは、朝だからではなく飯が欲しいのだろう。早く支度して食堂に行けってことに違いない。時計を見ると7時を指していた。いつもアルファは8時に来るから1時間も間がある。

隣を見るとヨシオはもういない。ベットから出て窓の外を見ると素振りをしていた。真面目なやつだな。芳雄も影で努力してたのかな。


「ニャー!」


タマの空腹にピークが近づいているらしい。分かったよ。っていうか何で俺なんだよ。お前雌だろ?女の子チームに行ってこいよ。ってこのわがままに言っても聞くわけがないんだが。


「今支度するからちょっと待ってくれよ。」

「ニャ。」


短く返事をするタマ。俺は洗面台に向かい顔を洗う。タマも毛づくろいをしている。着替えをして部屋の鍵、財布、ギルドカードを持つ。タマは頭の上に乗り準備万端のようだ。本当に自分で歩けよな。時計を見ると30分になっていた。部屋を出て鍵を閉める。


「タマ、アルファたちの部屋にいく?それとも食堂?」

「ニャー!」


俺の髪の毛を引っ張り食堂の方に向ける。決断早かったな。この宿は食堂と玄関が繋がっている。食堂に行くとちょうどヨシオが戻ってきた。


「珍しいこともあるもんだ。お前がこんなに早く起きるなんてな。」

「タマに起こされたんだ。腹が減ったんだとよ。」

「そんなところだろうな。俺はシャワーで汗を流してから女の子たちを呼びに行ってくるぜ。タクトはタマに餌あげてろよ。」

「ほーい。待ってるぜ。」


宿の食堂はモンスターの餌まで購入できる。魔物使いと呼ばれる人もいるため、冒険者用の宿には絶対といっていいほどあるそうだ。ただ、タマは味覚がしっかりしているため冒険者の朝食を食べる。少しは遠慮もして欲しいものだ。


「朝食を1人前お願いします。」

「200マネーだよ。」


サンドイッチ、野菜スープ、サラダ、コーヒーようなもの、がついて200マネー。値段の価値観がいまいちまだわかってないから安いのか高いのかもわからんな。ただ、ネコ1匹の朝飯が200マネーは高いと思う。


「ニャー!ニャ。」


いただきますと言ったように聞こえた。タマはガツガツとサンドイッチにかぶりついている。俺もお腹すいてきたぜ。


「お待たせ、タクト。連れてきたぜ。」

「おはよー。タクト、珍しく早いね。ビックリしちゃったわ。」

「おはようございます。タクトさん。今日はウイッチ討伐です。頑張りましょうね。」


結局、倒すのは俺達か。まぁランク10が二人もいれば当たり前とも言えるらしいが。ん?もしかしてアルファも行くのか?


「アルファ、お前も一緒に行くのか?」


いつもより真剣な顔をして聞く俺。アルファも俺の気持ちを察したのかちゃんと返答してくれた。


「大丈夫、わたしは前のようなミスはしないわ。ランク4なんだから補助をするなり、それなりの動きでカバーだけしていくわ。」

「んじゃ俺はランク1として皆を待ってるぜ。」

「ファーミリー全員に依頼が来てるんだわ。しっかりしなさいよ、ボス。」

「そっか。って、ボスはやめてくれよ。んじゃ行くか。」


俺たちは、食事を終えてギルドに向かう。もちろんミサキの顔を隠して全部ヨシオに手続きをしてもらった。


「昨日のウイッチ討伐はうちで引き受けるぜ。手続きを頼む。」

「わかりました。手続きは爆炎剣さんが引き受けてくれると信じていたのですぐ終わりますよ。」


そう言ってギルドカードを全員分もっていく。爆炎剣さん、かぁ。俺達、完全に忘れられてるな。ま、実際討伐するのはヨシオだけど。


「ありがとうございました。手続きは終了です。では、ウイッチ討伐依頼。頑張ってください。」


手続きを済ませ出口に向かう俺達。ヨシオは歩きながら後ろに手を振っていた。おそらく癖なんだろうな。これは芳雄の方には無かったな。


「んじゃ、タクト。行くか。支度は俺がやっといたぜ。なんか他にあるか?」

「あぁ、ありがとう。アルファとミサキは準備いい?」



2人とも頷いた。はー、気分が重いな。俺は心の準備が全然出来てないのによ。そんなこと言ったらアルファにどつかれるからな。口にはしないけど恐いものは恐いぜ。



ラグマタスを出てからウイッチを探す。その間、何の緊張感もなく雑談をしていた。ヨシオはアルファとポテポークについて討論していたので、俺はボーとして歩いていたミサキと話すことにした。美咲みたいに口調を変えてると思ったのでかまをかけてみる。


「なぁ、ミサキ。しゃべり方、お嬢様風に話すのって疲れるよな。」

「そうなんだよ。1人の時を確かめてから戻さなきゃいけないからって私!違いましてよ!ノリに乗っただけなんですから。」


ヨシオとアルファがキョトンとしてこっちを見ている。まさか引っ掛かるとは思わんかった。本人は誤魔化しているつもりだが、皆の印象はもう覆らない。俺も本当の口調で話して欲しいし何より仲間だから気を使われたくないしな。


「ミサキ。ところどころで本音が出ててさ。かなり前から気がついてたんだ。あのさ、今だけとは言っても仲間なんだ。本当の自分をみんなに見せて欲しいんだ。それじゃないと息を抜くことが出来なくなっちゃう。本当の、大切なのは人達って言うのは自分のそのまんまな部分さえも受け止めてくれる人のことを言うんだと俺は思うよ。」


少しミサキはうつむいて黙る。アルファとヨシオは討論を中止させてミサキの顔をずっと見ている。少しすると。


「わかったよ。私の負け。信用している相手に失礼だもんね。これが本当の、ただのミサキとしての私よ。満足した?」

「あぁ、ありがとう。俺達、なか...」「ミサキ!改めてよろしくね!」「ミサキちゃん!ホントに変えてたのかよ。俺ビックリしちゃったぜ!」


だからお前ら、わざとじゃねーのか?言わしてくれよ。


「うん!アルファ、ヨシオ。それから..タクト。ホントに..改めてよろしくね!」


涙を流しながら、ミサキが俺達にもう一度挨拶をした。最初の薄っぺらい挨拶じゃなくて、仲間と認識したほどの感情が入っていた挨拶だった。

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