18話 ネコ さよなら
なぜ、ネコに襲わせかけているのか、全くもって分からない。
ヨシオの予想は。
「おそらく、タマを集落から出したくなかったから。新しい名付け親である俺たちを殺してしまえば掟は守れるからだろうな。」
掟って何?!しまったな。
ちゃんと聞いておけばよかったぜ。
後から後悔しても遅い俺だった。
ネコたちは後ろから矢とか石を使って遠距離攻撃をしてくる。
「ヨシオ!あいつらを撃退してくれ!」
「いやだ!俺は可愛いネコちゃんたちに攻撃をしたくないんだー!!」
はぁ?今俺たちその可愛いに襲われてんだぞ!
「それより、このまま逃げ切ろう。ラグマタスへの方面は違うけどこの森は高いだけでそんなに広くないからもうそろそろ抜けれると思うぜ!」
「もうそろそろってどれくらいなんだ?!」
「うーん、わかんね!」
もう俺は考えることを諦めた。
ただただ走って森を抜けるのを待つ。
ネコたちは森の外には出れないらしい。
ヨシオがそういっていた。結構走ったな。
3キロメートルくらいかぁ?
体育の成績もダメダメだった俺に持久走は辛いぜ。
「ニャーゴ!」「ニャーニャー!」「フニャー!」
ネコたちも幸いスピードは速くない。
2本足で追いかけているから歩幅が狭いのであろう。
四足歩行すれば俺の方が絶対遅かったと思うけどな。
「タクト!出口が見えてきたぜ!後は、もうひと頑張りだ!」
「はぁ、はぁ。りょ、りょーかい!」
光が見える。
それをめがけて走る俺たち。
ついに森を抜けて振り返りうしろを見る。
ネコたちは森が終わるすぐそばで、唸りながらこっちをにらんでいた。
どうやらこっちには来れないみたいだ。
今のうちに遠くへ逃げよう。
「う、うーん。ここはどこなの?森の..外なの?」
「おはようさん、アルファちゃん。ちょうどいいのか、微妙な時間なのかわからんところがアルファちゃんらしいな。」
ヨシオの言ってることは、分からなくもない。
森から離れるときタマが少し寂しそうな目をしていた気がする。
頭の上に乗っているタマの頭を撫でる。
自分の頭を撫でてるみたいとアルファに言われた。
「ニャ~。」
悲しそうな鳴き声の後、俺の髪の毛を引っ張り次の町に顔を向ける。
次の町は見えていた。
目的地のラグマタスが。
現在、パーティーメンバーは、俺、アルファ、ヨシオ、そしてタマである。
3人と1匹は速く町に避難するかのように急ぐ。
ラグマタス。
工業都市というのは見た目上、間違えないと言ってもいいだろう。
高くそびえるビルは見当たらない。
が、少なくともヒールミアの町と比べると、建物が木や屋根が瓦とかではなくコンクリートや鉄筋を使っている。
「家の造りが全然違うわね。固そうな素材ばっかりを使ってるわ。」
「俺が見た中でもここの技術はトップだからな。久しぶりだぜ。ここには確か、雷速娘がいるはずだ。あいつに会うのも懐かしいな。」
「また面倒ごとには巻き込まれたく無いぜ。」
3人で話ながら歩いていると門が見えてきた。
この町にも警備員さんがいるようだ。
「すみません。アースファミリー。この町に入りたいんですけ...ジエンさん?!」
アルファが中に入る手続きをとろうとしていると、突然叫ぶ。
ジエンさんってこんなとこにいるわけ無いだろ。
俺も警備員を見る。ほんとだ。
ジエンさんそっくりの人がいた。目元のシワまで同じだ。
「ほう。ジエンを知っているってことはヒールミアから来たのか。あいつは俺の従兄の息子なんだ。」
ジエンさん、いくつなんだよ!
「しかもアースファミリー。爆炎剣と謎のランク1が組んだっていうパーティーだったな。町でも有名になっているからな。気をつけて、なるべく問題に巻き込まれないようにな。」
「あぁ。ありがとよ。また出るときにお世話になるぜ。」
手続きが無事に終わり門を潜る。
道路の整備が日本くらいしっかりしていて、目の前にいろんな乗り物が通る。
バイクに車、馬車に自転車。
あれ?魔女が乗っていそうな箒とかもあるぞ。
ちょっと楽しみが増えたかも。
「さて、まず宿を探さなきゃね。ヨシオはどこかいい場所知ってるの?」
「無いことは無いが、皆で探して決めようぜ?そっちの方が楽しそうだからさ。」
「それでもいいわ。さぁ、行きましょう。」
あれ?俺の意見は?まぁ、俺も意見とか特にないけどさぁ。
せめて聞いてくれてもいいだろ。
俺たちは大通りを歩き始める。
その瞬間、目の前の小柄の子が倒れた。
元は白かったと思うが汚れでネズミ色になっているマントをつけた姿を、俺が肩を寄せて安否を確認する。
顔を見ると、あのお転婆お嬢様にそっくりだった。
あの、淺黄 美咲に髪型までも一緒だった。
ついに二人目登場ですね。誰を出そうか迷いました。青治と迷ったのですが、パーティーが男ばっかりになっちゃうかな?と思ったので美咲にしました。
1話で約2000文字でお送りしたいと思ってます。
これからもよろしくお願いします!




