12話 壊れた俺と治すアルファ
仕事が忙しくなっていて投稿できない日が時々ありますが頑張っていきます。
<ヨシオ視点>
アルファちゃんが確かめるようにタクトに尋ねた。
声が細く今にも消えそうな聞き方。
タクトはいまだにサーベルガーの内臓をいじくっている。
やべぇ。血の臭いが充満してきやがった。
俺は慣れているが、この地域にすむモンスター達は餌を求めてここに集まってくるだろう。
「おい!タクト!聴いてるのか?正気なのか?」
心配もあるが何より、今ここに他のモンスターが来て雑魚ならまだしも強かったら勝てるかどうかもわからん。
いかんな。ネガティブになってきてる。
タクトからの返事は、なにもない。聞こえてないんじゃないか?
「お..おい!タクト!」
「アハハハハハハハ!アァ?」
笑いながらサーベルガーの内蔵で遊んでいたタクトがこちらを向いた。
サーベルガーに向いていた殺気、もとい魔力の塊が俺にのしかかってきた。
足の震えがピークになるのがわかる。
意識が持っていかれそうだ。命を張らないとこいつと向き合うこともできないのか?
「タクト!お願い、返事をして!!」
アルファちゃんが泣き叫ぶ。
届かないのか?タクトはアルファちゃんの声を完全に無視をして、俺の方にゆっくりと歩み出す。
緊張の汗が俺の背中に流れる。
「アハ、アハハ、ウワーーー!!」
「タクト!止めてー!」
ついに俺の方に向かってきた。
剣の腹を盾がわりにして全力で防御にまわる。
「バキン!!」
お..俺の愛剣が折れた。
ランク4の頃から一緒に頑張ってきたがここで先に逝ったか。ふっ、剣の心配するとは。
俺もここで命を散らすハメになるかもしれないのに。
「アァー!」
タクトが追撃をおこなう。
目を閉じる俺は腕を盾にするように交差して前につき出す。
俺の腕が先に飛ばされるだろう。けど、俺もここで終わりか。
「タクト!もう止めて!」
!...な、なにもない。
それとももう死んだのか?
ゆっくりと目をあける俺は、手を降り下ろそうとしているタクトにアルファちゃんが背中から腰に巻き付くように泣きついていた。
アルファちゃんが光っている。閃光玉のように眩し光ではなく、安心するような光だった。
とにかく、助かったのか?小便は漏らさなかったが怖かったのは間違いない。
意識がもう消えていく。その後、完全に俺から意識が消えていった。
<タクト視点>
気づいたら俺はヨシオに手を振り上げ、アルファが腰で泣いていた。
な...何があったんだ?すると、思い出したかのように口から嘔吐するような血の味が広がる。
それから全身がビクビクしだす。体を強制的に動かしたからだろう。そのまま地面に倒れた。
「タクト!お願いだから戻って!もういいの。みんな無事だよ?!」
「アルファ。ごめん。重いかも。ちょっと退いてよ。」
「タクト!タクトタクトタクト!」
アルファは俺の背中に、顔を埋めながら泣いていた。
背中がどんどん濡れていく。
俺の話も、聞いてないな。泣き止むまで付き合うとするか。
「おーい。無事かー?爆炎剣?アルファさーん?」
助けが来る声が聞こえる。
サーベルガーは...めちゃめちゃになっていた。
だが、これでもう安心だな。俺も少し眠るかぁ。
静かに目を閉じて自然に身を任せながら眠っていった。
数時間後、俺はギルドの布団で目が覚めた。
周りを見渡すと
アルファが寝ている。反対側にヨシオがいた。
「よぉ。体は大丈夫か?タクト?」
「おはよう。そこらじゅうが痛いよ。アルファの方にサーベルガーが向かってきてから記憶がないんだ。あの後何があったんだ?」
「ホントに覚えてないのか?お前がサーベルガーを殺したんだぞ。ギルドカード見てみろよ。」
自分のギルドカードを見ると討伐の欄に、間違いなくサーベルガーと書いてある。
驚いた。ホントに何があったんだ?
「あのときのことを詳しく聞かせてくれ。頼む。」
俺はヨシオに何があったのかをこの耳でしっかり聞いた。
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