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蹴学生  作者: あかはま
第一章:中2
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中2④

もう21時を回り、部活で追い込んだ身体に限界が来ようとしていた。

なんだこれ…

どういうこと?

ホワイトボードに書かれた文字列と図を理解できない。ただ、質問をしても、わからないことがわかるだけだし、本当に嫌な顔をされるので質問すらできない。

ただ、本当に難しい問題しかないのであることには変わりないので、ある程度解けるようになってから、学校の授業での理解度が全然違う。

まあ、入る前より確実に伸びてはいる。それが自分の目指している目標とはまだ届かずとも。そんなこと言っても、いつもやりやしないんだ。目標は高く設定し、やることはスマホを夜遅くまで見、1,2年でやっていた自主練すらもできなくなった。

21時半になり、授業は終わったが、自分はさっきやったテストの再テストが残っていた。ただ、それは塾の校長が割と早くあきらめてくれたので珍しく早く済んだ。ほんとによかった。

「それじゃおやすみー!」そう友達へと元気そうに別れ、自宅へと踵を返す。

ふう。

やっと一息をつけた。

少し寒くなってきたか、風邪気味か、少し空気が鼻をつんと刺してきた。

横にはしづかに光る電光掲示板と飲食店の列があった。

今日は自転車で来なかったので、スマホをバックの横のところから取り出し、ヘッドホンをつけ、少し前、とても聞いていたプレイリストを流す。都会の中にしとしと降っていて、空のグレーさと建物と地面の色が調和しあっていて一つの風景が浮かぶような曲が流れる。眠たいのは同じだが、心持ちは全く違っていた。心にぽっかりと空いた穴。何をしても、満たされないように感じ、それが永遠にさえ続くのではないかと錯覚する。あの頃はどうだったのだろうか。前の自分を羨むようにその頃のことを考えていた。


一日中サッカーをする。

喉が枯れるまで声を張る。

ボロボロに負ける。

何かを求めるためにカラオケに行く。

点に関与して喜ぶ。

ただ何かが足りない、ただ何が足りないのだろう。何でもできる気がする。前にはできなかったが金があるので、しようと思えば一人で旅に出れる。好きなものも買える。テストで90点すら取れる気がする。何でも上手く行きそうな気がする。

歩く。歩く。ただ歩く。その何かを探すために歩く。思いとは違う現実から目を逸らそうと、思いのようにしてみたいという掠れた思いのために。

気づけば学校で過ごす最後の年になっていた。あの頃の向上心が膨らむどころか、それは萎んでいっていた。どうしてなのだろう?成績も上がっていっていて、あんなに大好きなサッカーも上手くなっていているのに。あの時に掲げていた文武両道を成し遂げられそうなのに。

自分は何がしたいのだ?勉強を頑張りたいと思い、塾に入ったらまたサッカーのための時間が欲しいだの言いだす。イライラがガス漏れのように頭に置いていかれ、何かどうしようもなくうざったくなった。

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