賽は投げられ世は情け
冒険者ギルドはなんだかんだで、賑やかで活気がある。
「どうも商人ギルド長殿、商会長殿」
ギルドの奥から綺麗な女の人が出てきた。
「おお!ライム殿今日もお綺麗ですな」
「ライム殿、こちらはりょう殿です、今日は獲物を提供して頂ける様なのでお連れしました」
ライムさんに紹介して貰いました。
「私は中央広場で商売をしております、りょうと申します」
「はじめましてりょう殿、私は冒険者ギルド長のライムだよ宜しく」
解体倉庫に向かうと中では2組の冒険者が言い争っていた。
「お前ら俺の獲物を横取りしやがったな」
「何言ってるんだい、今回は合同パーティーで狩る話しだったじゃないか!私らが2匹あんたらは今回は0じゃん?でも分け前は渡すって言ってるのに文句言うんじゃないよ!」
「けっ!」
そこまで険悪では無いが、痴話喧嘩か?全くリア充どもが!ハゲろ!
「おっ!2匹も狩って来てくれたんだね!流石はC ランクパーティーだね、皆無事で嬉しいよ!今日はこちらのりょう殿も獲物を提供してくれるみたいだからね、良い日だね」
ライムさんは労いながらも、その場の空気を纏めた。流石はギルド長だ。
「りょう殿こちらはこの町最強の両翼、鷹の旅団のダリルと赤き剣のリーゼだよ」
「はじめまして、私は中央広場で商売をしております、りょうと申します」
「ああ!あの店の!ってかあの肉ウルフだよな!どっから仕入れてるだ、俺らでも命懸けの仕事だぜ?個体としてはギリギリ戦えるが、基本ウルフは群で行動する推奨パーティーはBランクだ、あんな値段で出してちゃいけない肉だ!旨すぎる」
「そうよ!美味しいの!いつもありがとうね」
なかなか気の良い連中みたいだ
「りょう殿出して貰っても良いかい?」
「ああ!あのとりあえず」
6匹だけ出してみた、皆の目が唖然としている、全部出したらダメな気がしたので後4匹計10匹出した。商人ギルド長と商会長、コランドは喜んでいる。
「こちらの肉と素材は寄付します、飢饉の対策としてこちらで120キロは取れますよねそちらの2匹入れれば1日分の消費量をカバー出来ますよね?」
「タダと言うわけには…」
「良いんです!ゴルドナート商会の思う通りにしない為と今後のお付き合いの為の先行投資です」
「今回は甘えさせて貰います」
一同が唖然としている中コランドだけが眼をキラキラ輝かせて見てきた。
「これは買い取って貰いましょうかね」
と追加で40匹程出してみた。
「追加で800キロ、1匹銀貨1枚での買い取りなら100グラム銅貨1枚で売れませんか?」
「買わせて頂きます。安くで譲って頂きありがとうございます」
「価格を下げる様な納品をして冒険者の方々には申し訳ない」
冒険者達に頭を下げておく。これでしばらくは大丈夫だろうか?
冒険者ギルドで金貨4枚を受け取り、商人ギルドに戻った。鷹の旅団と赤き剣は唖然としたまま置いてきた。
商人ギルドでは冒険者ギルド長のライムを交え話し合いを行った。食糧問題の解決の目処がたち、ゴルドナート商会への反撃の案を出した。
ライムにウルフの査定をして貰い、ウルフが手に入った情報をゴルドナート商会に流して貰う。
ウルフ肉は、はっきり言って高級品に成るらしい。
正規の金額で、100グラム銀貨1枚で取り引きされるらしい。つまりは120キロ取れるので、1匹で金貨120枚、素材も価値が有り金貨30枚の上乗せ、金貨150枚日本円でなんと、1500万円!クロマグロだ!そう考えると納得の価格である。
それを5倍の価格で、売り付けるという作戦である
それで得た金額で奴隷落ちした従者を俺が買い取って助ける寸法だ!
この作戦を男爵に伝えた所、かなり喜ばれた。
とりあえずウルフを冒険者ギルドに卸した。
エサは撒いた!後は魚が食いつくのを待つばかりだ。
ゴルドナート商会長と息子のジャッカルは下卑た笑いを浮かべながらも男爵家に訪ねて来たようだ。
国税が大変では無いかと言って来たらしい。金を融資するつもりは有ると…予想通り汚ないやり方をするつもりの様だ。
その際に、断りを入れつつもウルフが手に入った事を伝える。
通常価格の5倍なら譲っても良いと伝えた所、ゴルドナートは、今なら通常の10倍で売れるととっさに皮算用をしたらしい。
そこで、男爵がやはり惜しむ演技をする。
使用人がこの飢饉で居なくなって困って居ると伝えた所、二束三文で買い取り、どうしてくれようかと困って居た使用人達を譲るのでご決断をと…
それならばと5倍での取り引きが成立した。各領主から奪われた総勢20名の使用人達を取り戻す事が出来た。しかも金貨750枚ゲット。大勝利である。
この後、俺はお金を受け取り、税金の金貨75枚を納めた。意気揚々とゴルドナート商会は町を出て王都に向かった。今は飢饉の真っ最中、自分の上げた物価が王都まで及んでいるはずが無いのに..
ここで事件が起こった、使用人達を元の領主の元に返して皆Win-Winのはずが、使用人達が戻る事を拒否したのである。涙ながらに...俺に仕えたいとの事。
引き取る事に成った多くは見習いメイド達だが特筆して5名が中心の様だ。
あの大きなお屋敷を見て貰おう。
執事 セバス 30歳
メイド長 ヒルダ 25歳
メイド アナ 18歳
メイド シャロット 20歳
メイド見習い ノエル 15歳
庭師
夫 トマス 32歳
妻 メリッサ 29歳
息子 飢餓で死亡
ノエルは見習いメイド達のリーダーの様だ、使用人達を連れて孤児院の皆に顔合わせをした。
庭師のトマスとメリッサが、子供達を亡くなった我が子と被せて接していたので、子供達を引き取り、育てながら家の畑や家畜の世話をしてほしいと伝えた所、喜んで引き受けたいとの事。
商売が軌道に乗って、人の教育が終わり次第残りの孤児院のメンバーも移住する事に成った。
町を出て帰宅しようとした所、コランドと冒険者パーティー赤き剣が付いて来た。
「りょうさん!俺たちも移住させて下さい」
「私達も頼むよ!なんか強く成れそうだし、美味しい食べ物もあるんでしょ?」
コランド バルト商会 長男 18歳
赤き剣
リーダー
C級 リーゼ 女 剣士 23歳
D級 ロンダ 女 戦士 27歳
D級 ミランダ 女 エルフ魔法剣士 25歳
D級 ターリャ 女 僧侶 22歳
超大型キャンピングカーの出番だ、皆を乗せたらここで住みたい!とか色々騒がれた。何とか出発して森も突っ切った。3時間程で着いた。町に着いて霧が晴れ町の景色を見て、皆は興奮気味だ。
道中、説明はしておいた、今町には誰も住んで居らず、インフラも止まっている事、不便をかけると思うと言う事。キャンピングカーの中は一瞬静まり帰ったが、100均のクッキーとジュースを配って軽食を食べたらケロっとしていた。
「こんなに美味しい食べ物食べたことが無いです」
「覚悟は決まっています」
「我々は旦那様にお仕え出来れば幸せです」
色々な意見は出たが、皆前向きだった。
屋敷に到着するまで、元農家育ちのメイド見習いや庭師達が、田畑を見て興奮していた。
まだ生きている養鶏場と養豚場もお世話したいそうだ。
「セバス、割り振りは任せるよ」
「かしこまりました」
屋敷に到着し、各自部屋を割り振った。ここはインフラ完備の極楽施設だ。町の仕事場にはここから通って貰おう。水道の復旧が出来たら空き家を与えよう。
今日は庭でバーベキューだ、お客さんが来ない限りは俺たちは一緒に食事を取ること!
「役割で上下の身分は有れど、尊厳は平等で有ること」これを家訓とする。
ここからは楽しい食事だ。今日は奮発してオーク肉とウルフのバーベキュー!ご飯を10合炊いた。食べ放題だ!宴だ!ビールも出した。焼酎の水割りが意外と人気だった。
皆嬉しそうで俺も嬉しいよ。
椀飯振舞だー!一気に投稿致しました。
今書いている全てです…
仕事休んでいましたが、今から復帰しますので、投稿頻度減ります。りょうとニーニャと増えた新しい家族。
わくわくが止まりません!




