エルフの弓矢
更新が疎かになり申し訳ございません。
リアルの仕事が忙しくて…はい、言い訳ですね…
しかし、年末に向けて更に忙しく成りそうです。
投稿頻度は落ちますが、必ず書ききりますので最後までお付き合い下さい。( ノ;_ _)ノ
アルカディアに来たエルフたちは、りょうの家の周りに村というより、街を作り始めていた。
山の頂上に立つりょうの屋敷。
その周囲には、アルカディアの職人たちとエルフたちが互いの技術やデザインを取り入れ、自然と融合した造りの街が誕生しつつある。
その一角に作られた弓工房。
そこでは、男と女の二人が親方と話しながら、並べられた弓を手に取って吟味していた。
「親方、軽くて威力のある弓を俺とニーニャにお薦めして欲しいんだ」
「りょう、やっぱり普通の弓だとしっくりこないの。弦を引く力が、わたしには足りないみたい」
親方のゾゾは、二人の話を聞きながら腕を組む。
「ふむ……それなら、これが良いでしょう」
ゾゾは奥の部屋へ入り、二本の弓を持って戻ってきた。
一本は通常の弓。
そしてもう一本は、それよりも一回り大きな弓だった。
「迷いの森の中腹に自生している魔樹、風の加護を持った風浪樹。これで作った弓です」
ゾゾが大きな弓を差し出す。
りょうとニーニャは、それぞれ弓を手に取った。
弓には美しい彫刻が施され、細かな模様の中には光る石がいくつも散りばめられている。
ニーニャが弓を持った瞬間、表情が変わった。
「りょう、これ凄いの。わたしの風の魔力に馴染んで軽い。弦を引くのに、あまり力がいらないわ」
そう言って、ニーニャは弦を引く。
スッと弦が引き絞られた。
「ほう……」
ゾゾが感心したように呟く。
りょうも大きな弓を手に取り、弦を引いてみる。
こちらも驚くほど軽く弦が引けた。
「うわ! 本当だ。俺にも相性ピッタリみたいだ」
ゾゾは満足そうに頷いた。
「やはり……風浪樹の弓が、お二人には合っているようです」
奥から女性が何かを抱えて出てきた。
「あんた!弓ばっかり薦めていないで矢もちゃんと薦めてよ!」
どうやらゾゾの奥さんのようだ。
りょうとニーニャは軽く奥さんの紹介をされた。
「こいつは私の妻でザラといいます。うちの矢を作っている矢職人です。」
「りょう様、弓と矢は揃ってはじめて完成するのです。この矢は風浪樹を使い羽はソニックスイフトの羽を、矢じりは魔樹の周りから採れる鉱石で風導石を使っています」
ソニックスイフトと風導石…何か新しい魔物?と鉱石の名前が出てきた…スイフトって燕だよな?ソニック(音速)スイフト(燕)…なんだかめちゃくちゃ早そうな名前だ。
「風導石って?」
ニーニャは奥さんに尋ねる。
「これはね、手にとってしっかり魔力を込めてみて」
矢を渡されたニーニャは言われた通り魔力を込めてみた。
すると…
矢じりに風が纒だし矢じりの存在感が増した。
「あっ、魔力がすっと入る」
「ははは、そうでしょ?この風導石は込めた風の魔力の量で硬度をますのよ」
「表の練習場で試し撃ちしてみますか?」
親方に連れられて店の裏手にある練習場に移動した。
「的が二つ有るのがわかりますか?あの的の色がついていない方はこの辺で取れた固い木で出来てます。そしてあの隣の的はゴーレムの体表を加工して作っているのでとにかく固いです」
りょうは以前に出会ったゴーレムとの戦闘を思い出す。たしかライフル銃で撃った弾丸を弾いたやつだ。逃げ回った苦い思い出が蘇り苦い顔をした。
「親方、試しに俺の武器でも撃って良いかな?」
りょうは了承を得て銃を構え二発撃った。
二発の弾丸は二つの的に向かった。
木の的にはど真ん中に穴が開く。
ゴーレムの的には…
「キンッ!」
弾かれた。
「クソッ!やっぱりか…」
どうしても玉の硬度が負けるようだ。
続いてニーニャが別の的に弓を構える。
「ヒュッ!ヒュッ!」
2本の矢を連続で放った弦の音が聞こえたが矢の音が聞こえない。2本の矢は正確に二つの的に吸い込まれるように向かった。
一つ目の木の的に矢ははスッと貫通し後ろの木に刺さった。
二つ目のゴーレムの的にもトンッ」と刺さった。
「うっ!刺さるんだ!」
驚いたのは撃ったニーニャだった。
「少ししか魔力を込めてないのにこの威力って…」
「エルフの弓…凄いな…」
驚愕のりょうとニーニャを見てゾゾとザラは満足そうに微笑む。
りょうも弓を構える。
「ヒュッ!ヒュッ!」
と二回弓を弾く。狙撃のスキル補正か正確に的を射貫く。ニーニャと同様に一つ目の木の的にはど真ん中に穴が開く。的を貫通し後ろの木も貫通した。皿に後ろの木に深く刺さった。
そしてあのゴーレムの的には…
「バキッ!」
刺さって的に亀裂が走り砕け散った。
「!!!!」
凄まじい威力に全員が驚いた。りょう自身もだ。
「親方、これ買います…矢もありったけ」
りょうの戦闘スタイルに新しい型が加わった瞬間であった。




