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クロスワールドーー48歳のサバイバル馬鹿が異世界に放り込まれた結果、まず飯を作り始めるーー  作者: こっちのあっきー


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今隠そうとしてたにゃ!

食事を済ませてデザートを出そうと冷蔵庫に向かい、業務用冷蔵庫を開けるとそこにはキラキラに煌めくデザートが冷えていた。


「キンキンに冷えてやがる」


りょうは少し恥ずかしそうにトレーごとデザートを出した。


プリンのようなカップデザートである。


キラキラと輝くのはザラメ砂糖をブリュレしたものだった。


クレームブリュレである。


「さあどうぞ」


表面をパリッと割りカスタードクリームをすくい食べる。冷たいクリームと、カリっと香ばしく焼かれた飴がほろ苦く美味しい。


「何これ!プリンのようなカリっと香ばしくて」


「とろとろ…カリとろ…」


トロンとした顔で食べるニーニャとファルカが幸せの吐息をもらす。


食卓には静寂が訪れている。


カチャカチャとカトラリーが鳴る音だけが響いている。


「あぁ…食べ終わってしまった」


「おかわりはあるのかしら?」


「訓練を倍にすれば…」


様々な感嘆の声が聞こえる。


「おかわりは一人一つまでね」


みんなの顔が明るくなった。


「「「「「おかわり!」」」」」


声が重なり雰囲気も明るくなる。


幸せな甘い香りが再び食卓に訪れたその時、玄関の呼び鈴が鳴らされた。


「こんばんは、旦那様」


コランドが獣人族を連れてやって来た。


「エルフにゃ!」


「良かったにゃ!無事だったにゃ!」


嬉しそうに声をあげるニャーレたち猫耳族は、クレームブリュレを頬張ろうとするエルフたちと目があった。


「何か美味そうなものを食べてるにゃ!」


「こちとら心配で飲まず食わずで駆けつけたのにゃ!」


「フシャー!」


とエルフたちに飛び付くニャーレたち。


「すまなかった!忘れていたのだ!」


「にゃにが忘れていたのだにゃ!」


「フシャー!」


と顔を引っ掛かれているエルフたち、ファルカによって引き剥がされ事をなきを得た。


「いったいどういう経緯なんだ?」


りょうは冷静にと経緯を聞いた。


「そりゃ怒って当然だよ」


呆れてエルフたちを冷たい目でみる。


「それはなんにゃ?」


ニャーレの視線が、エルフたちが食べようとしていたクレームブリュレに向けられる。


「……」


エルフたちは、何も言わずにクレームブリュレを隠そうとした。


「ちょっと待つにゃ!」


ニャーレが手を伸ばし、慌てて隠そうとしたエルフからクレームブリュレを奪い取る。


そして、表面の飴をパリッと割って口に運ぶ。


「……美味すぎるにゃ!」


幸せそうな顔になったニャーレだったが、すぐにエルフたちを睨みつける。


「て言うか、今隠そうとしてたにゃ!」


「してない……」


「ウソをつくにゃ!」


またしてもエルフと獣人族の揉み合いが始まった。


それを見かねたりょうが声を掛ける。


「腹を空かせてるなら、飯でも食べるか?」


「良いのかにゃ?」


「ああ。せっかく来たんだ。食っていけ」


こうして庭では急遽、バーベキューが始まった。


りょうは魚を次々と焼いていく。


香ばしい匂いが庭いっぱいに広がり、焼き上がった魚が獣人族の前へ並べられていく。


「こんなにも美味しくて大きな魚、初めてにゃ!」


夢中になって魚を頬張るニャーレたち。


すると一人の猫耳族が、魚を食べながらりょうを見つめる。


「にゃーの初めてを奪ったにゃ!」


「……」


「もうお嫁にいけにゃいにゃ!責任とるにゃ!」


「いや、魚を食べただけだぞ?」


りょうは困った顔をする。


そんなやり取りをしながらも、獣人族たちは次々と焼かれていく魚を夢中で食べていく。


そして、誰かがぽつりと言った。


「……この街に住みたいにゃ」


その言葉に、周囲の獣人族たちも顔を見合わせる。


「住みたいにゃ!」


「こんな美味しいものが毎日食べられるにゃ?」


「みんな連れてくるにゃ!」


魚を食べて満足したニャーレたち獣人族は急いで自分の集落に帰って行ったのだった。





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