ご苦労様からの旅立ち
町に帰ってきた、これで任せておけば何とかなるだろうと考えつつ、車で海側を走っていると…人の気配がする。こんな日が暮れそうな時間に誰だ?侵入者ではないとは思いつつ、気配の方に進む。するとそこには夕陽に染められた人影が点々と…
セバスが少年のような顔で竿を垂らしていた。その横にはメイド達も…
近付くと皆一斉に立ち上がり、すまし顔で
「お帰りなさいませ、旦那様、奥様」
と…
「ああ、ただいま」
とてもハマったのだねみんな。
「今日はこのまま自宅に帰るからゆっくり楽しんでて」
その一言でみんな笑顔で釣りを再開した。
娯楽があるのは良いことだね。
余りそうな魚は干物にするようだ。出来上がりが楽しみだね。
「みんな幸せね」
ニーニャも意外な使用人達のハマり方に驚いてはいたが嬉しそうだ。
「ノトスの村に魚のお裾分けするの忘れてたな」
今度行った時にはちゃんと渡そう。ノトスが落ち着いてから他の村へ売る用に、ウルフとオークを
卸せると良いな。
今の状態だと、レッサーウルフを定期的に狩らないと駄目そうだもんな。今の赤き剣なら一日で10匹は狩れそうだからな。向こうで討伐はするだろうから、帰ってきたらどうだったか聞こう。
自宅に着いて晩ごはんに魚を振る舞った。大好評だった。アジを開いて一夜干しを100枚くらい干しておいた。中アジくらいのやつが1人で100匹は釣っていたから、大量に在庫があるんだよな。
イワシは目に串を通して干物と、生姜と甘辛く炊いて煮しめた。これが美味しいんだ。甘露煮と2パターン作っておいた。
ミンチにしてツミレにしたり、シソの葉で挟んで揚げたりしてストック。
刺身をあてに晩酌していると、ニーニャがみんなにデザートのプリンを配っていた。
あっ!みんなあまりの美味しさに固まってら、ニーニャは無い胸をこれでもかと張りながら
「りょうは凄いのよ」
と力説している。うちの娘よ!楽しそうだな。
みんなは、ごちそうさまでしたと子供達を連れて帰宅。ニーニャはニコニコしながら映画がみたいとせがんできた。
なるほど...なんとなく理解して画面を付けて映画を流した。
「旦那様!窓の奥に、お客様が見えます!お出迎えの準備を致します。」
とととっと外にお出迎えをしに出るノエル、
「いらっしゃいませ!あら?いらっしゃらない」
ニーニャはそうだろ、そうだろ!とうなずいている。悪い子だ。
「ノエル、これは映像と音を記憶する魔道具ですわ」
ニーニャはお姉さんぶりたいのだろう、優しい笑顔でノエルに教えていた。
「私のりょうは凄いでしょ?」
「はい、旦那様は凄いです」
1通り説明し終わったらアイスを2人で食べながら映画に夢中だ。今日はハリー・○ッターを観ている。魔法の世界なので時代劇観てる気分なのかな?アイスを食べながら、ニーニャが膝の上に座ってきた。
今日も甘えん坊のニーニャであった。
久しぶりに映画を観ると楽しいな。
二週間が経ち、久しぶりにのんびり過ごしていると、コランドと赤き剣が帰宅の報告に来てくれた。わざわざ山奥まで申し訳ない。電波あるから屋敷とメッセージか電話のやり取り出来ないか確認しよう。
「ただいま戻りました。」
進捗は早急に森の入り口に町を作り出した事、森の入り口に警備が着いたとの事。馬車のピストンで食糧を売りに出しているとの事。主に干物と野菜を販売するらしいので移民の審査を行い、農作業の人員を選んでほしいらしい。
赤き剣からはレッサーウルフ討伐は一日で10匹狩る事ができた事。それを馬車で従業員がノトスまで運んで行く流れになるとの事。その結果リーゼはBランク冒険者にロンダ、ミランダ、ターニャはCランク冒険者に昇格。パーティーランクもBランクに昇格したらしい。
その報告を聞いて、定住してから1ヶ月は人となりを見ておいてほしい、選民はそれから行うと伝えた。
今日はねぎらいと報酬もかねてお昼ごはんはバーベキューとコカトリスの唐揚げ、お酒を振る舞った。みんな揃って宇宙に旅立った。
「旦那様、何なのですか!この美味しすぎるお肉は?」
コランドとリーゼ、ロンダは悶絶して中々戻ってこないミランダとターニャを揺すりながら質問してきた。
「コカトリスの唐揚げだよ!美味しいよね」
「コッコッコッコカトリス!」
半分ニワトリみたいな返事の赤き剣
「災害級…」
「まあ!もう一口かじってこれでもぐいっと!」
焼酎ハイボールをジョッキで渡した。
そして、みんな揃って2度目の宇宙に旅立った。
「みんな今回はお疲れさま!引き続き宜しくね」
りょうに一生の忠誠を誓う面々であった。
コカトリスはねぎらいの時に振る舞おう。
季節は冬の訪れを告げようとしていた。




