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クロスワールドーー48歳のサバイバル馬鹿が異世界に放り込まれた結果、まず飯を作り始めるーー  作者: こっちのあっきー


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潮風とメイド服

翌朝、日課を済ませた後の朝食。

やはり人手が増えると作業もはかどり、今までより1時間は早めの朝食となる。朝食はお味噌汁とイノシシのベーコンエッグとお米とほうれん草のお浸し、川魚の塩焼き。朝はこういうのが良い。

食卓には全員揃っている。


「いただきます」


俺の合図で皆が食事を始める。美味しそうに食べるニーニャと俺、使用人達は手を付けずおどおどしていた。


「旦那様、これはもしかして卵でしょうか?」


「そうだが?冷める前に皆、食べなよ」


「こんな貴重な物朝から頂いてよろしいので?嫌、卵だけじゃなく、他の物も豪華過ぎて…」


ノエルの言葉にトマスとメリッサ、子供達がうなずく。

卵と聞いてニーニャが嬉しそうに言う。


「卵、美味しいですよ!この家に来てから大好物なの!黄身のとろとろが最高なの食べてみて」


ニーニャの言葉に皆が一斉に食べ出す。


「美味しい」「本当にとろとろ」「ベーコンに付けて食べると最高ね」


皆は嬉しそうにペロリとベーコンエッグを食べきった。俺もつられて勢い良く食べてしまった。

追加かな?


「皆、卵たくさん有るし俺もおかわりするけどいる人ー?」


「はい!はい!はい!3個がいいです!」


元気良くニーニャが答えた、皆も遠慮がちに答えた。直ぐ後ろの薪ストーブの上では2口分の調理が出来るので直ぐに追加のベーコンエッグを大量に焼きながらノエルに調理を教えた。


皆、朝からお腹いっぱい食べれて幸せそうだ。


「いまではニワトリ小屋からは毎日30個から50個の卵取れるから自由に食べてね」


ノエルとメリッサは料理を作る物として興奮、トマスと子供達は食べることに興奮していた。


「今日はノエルを連れて屋敷の方に行くので、お昼ごはんはメリッサに任せるよ!好きな食材使って食べといてね、夜は帰って来るつもりだけど、先に食べといてね。」


「かしこまりました」


今日の目的は町の港の調査である。海の魚が食べたいが、生態系はどうなっているのか分からないので、釣りがてらに調査である。


先ずは屋敷に顔を出して皆に挨拶しよう。

屋敷に着くなり


「お帰りなさいませ旦那様、奥様」


皆揃っての出迎えをしてくれた。


「今日は海で釣りをしようかと降りてきたんだ」


釣りと聞いて皆はぴくりと反応した。どうやら迷いの森を挟んで内陸に有るノトスの住人も、それより内陸に有った領地出身のセバス達使用人達も、海に興味津々らしい。


「良かったら皆で行く?」


「よろしいので?」


「ああ!皆で釣った方が効率も良いし」


屋敷の使用人と赤き剣のメンバーそしてコランド達全員で行くことになった。各自に釣竿と仕掛けとサビキとルアー、撒き餌、クーラーボックスを渡して出掛けた。


港に着くと元々綺麗だった水が透き通っていた。凄く綺麗だった。各自竿を垂らして釣りを楽しむ。赤き剣のメンバーは誰が一番釣れるか勝負しているみたいだ。

竿を垂らすと入れ食いだった。

釣れたのはアジ、サバ、イワシが多い。日本の魚が沢山釣れた。

この世界の魚が釣れたり魔物が出たりを期待していたのだが、どうしてか元の世界の魚ばかりだ。


アジもサバもイワシも回遊魚なのに何故だ?疑問が浮かぶ。イワシとアジを生き餌として泳がせ釣りに切り替えた。遠投してからの泳がせなので中型から大型まで狙える。


凄い当たりが来た、引きから推測すると青物っぽい。上げるとブリだった。大物だ。移動して沖を狙える防波堤の突堤から、なぶらに向かいメタルジグを投げてみた。HIT!これまた引く!カツオが釣れた...また回遊魚…かなりの範囲の海が切り取られ転移した?謎で有る。


「皆も大漁だな」


「りょうさん!私も大漁です、クーラーボックスがパンパンです」


ニーニャも楽しそうだ。可愛いから撫でておこう。ノエルもセバス達も楽しそうだ。

ダンディーなセバスが今まで見せた事のない少年の顔をしていた。これはハマったな…


そこには釣りを楽しむメイド服の使用人とタキシードの使用人、冒険者と商人が竿を垂らしている異様な光景が写っていた。


帰りにし○むらに寄って私服を配ろう。


結果、3時間で各自に渡した大きなクーラーボックスがパンパンに成り、釣果を見る事に。


アジ、イワシ、サバ、ブリ、カツオ、メバチマグロ、カワハギ、チヌ(クロダイ)、真鯛、グレ。


根魚はガシラ、オオモンハタ、アカハタ、クエ


日本の魚ばかりだ…嬉しいような悲しいような。

魔物が出たりしないようなので安心では有る。

何か理由が有りそうだが分からない。


使用人達の会話では


「私のやつが一番デカイよ!」

「いえいえ、私の方が重いです。」


やいやいと言い合いしていた。あっセバスまで参加している…メイド長のヒルダが優勝したみたいだ。

食糧自給の方法が加わったようだ。


お昼ごはんは浜焼バーベキューにした。ウロコと内臓を処理して次々焼いて行く。


「いただきます」


「美味しい!アブラが乗っていて口の中が幸せです」


「うまい!」「美味しゅうございます」「これは売れる…」


各自が意見を言い合いながら楽しそうだ。


「久しぶりの海の魚は本当に美味しいな、これは刺身も食べよう」


タイとアジ、ブリとメバチマグロをさっと捌いて刺身にした。解体レベルマックス様々だ。


炙りもしてみよう。プチファイアでさっと炙る。

醤油とわさびを付けて、おっと醤油にアブラが広がる。美味いやつだ。


「うまい!最高だ!ニーニャはなま物食べれるかな?」


「食べた事無いけど、りょうさんの出すものは美味しいに決まってます」


お酒出しちゃお。焼酎の水割りを大人達と呑みながら食べ、未成年には収納からお米を出して海鮮丼にして上げた。


皆笑顔で幸せそうだ。少し前には1つの芋のスープを家族で食べていたのだから…赤き剣のメンバーやコランド達ノトスの住人、しばらく奴隷としてろくに食べ物を食べれなかった使用人達の笑顔が嬉しい。

もう飢える事はさせない。

海辺には楽しそうだが、場所に似つかわしく無いタキシードとメイド服の姿が笑う景色が有った。






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