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【6/29書籍発売!】3才児ですが可愛い花嫁がやってきた!と溺愛されてます。しかし私は敵国の最強魔法帝です  作者: 六花きい


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【書籍発売記念SS】婚約者からの贈り物は、密入国できるフリーパスでした(中編)


 レティシアを包む光が強くなり、召喚の魔法陣へと引き込まれる。

 服がビリビリに破けようが、手に持つ魔石がしゅわっと溶けようが、幾度もの召喚を繰り返してきたレティシアにとっては、もはや慣れた光景だった。


「ロイドは魔獣討伐に出向いているようだが、さしたる問題はない」


 レティシアは機嫌よく頬を緩ませると、わずかに残った魔力で、風圧を遮る。

 かろうじて守りきった子ども用ワンピースを手に取り、召喚の出口間近でひらりと身に纏った。


『上手く使えば、魔法攻撃を防ぐ盾にもなる』


 そんな方便で言いくるめ、ロイドの剣を勝手に取り上げたのは一ヶ月も前のこと。


『いつ魔石が必要になるとも限らん。私がやっておいてやる』


 素直なロイドを丸め込み、レティシアは慣れた手つきで、剣柄に魔石を埋め込んでみせた。

 骨ごと貫くことも可能な、魔法帝オリジナル……世界に一つの優れものだが、それだけでは終わらない。


 実はレティシアが召喚の魔法陣をこっそり刻んだことを、ロイドは知らなかった。


 ――つまり今回の召喚先は、ロイドの愛剣に埋め込んだ魔法陣。

 いついかなる時も腰に下げているその剣は、ロイドの居場所を示す目印として、この上なく都合がよいのだ。


「魔獣討伐などさっさと終わらせて、辺境伯領でのんびりと羽を伸ばしてやる」


 準備は万端。

 威厳ある魔法帝の姿からは想像もつかないほど、可愛らしい幼女になったレティシア。

 満を持して、光あふれる出口へと吸い込まれていったのである――。



 ***



「隊列を維持しろ。深追いはするな!」

「ですがロイド将軍、森へと逃げた魔獣はどうされますか?」

「抜けた先は、魔法国アストリアだ。国境を侵せば、いらぬ諍いの火種になる」


 武装した兵を率いて越境などすれば、せっかくの友好にひびが入りかねない。

 隊列を崩して追おうとする兵士を制止、ロイドは粛々と剣を振るう。


「それにしても、すごい剣ですね。魔導具ですか?」

「まぁ、そのようなものだ」


 正直、ここまでとは思わなかった。

 剣柄に埋め込まれた魔石が赤々と輝き、その切っ先は、振るうたびに淡い光を散らしていく。

 魔剣のごときその剣を薙ぐと、触れたところから魔獣の肉が裂けていった。


「魔法攻撃を防ぐ盾になるから、とレティは言っていたが……」


 押し寄せた魔獣の群れはあらかた片付き、だが殲滅の網をかいくぐった最後の一匹が地を這い、若い兵士に牙を剥く。


「……ッ、まずい」


 どう足掻いても、剣の届く間合いではない。

 舌打ちをし、ロイドは迷いなく剣を投げ放った。

 魔力を纏った切っ先はゴッと唸りを上げ、寸分の狂いもなく飛んでいく。


 ――はず、だったのに。


 次の瞬間、目を灼くほどの光が、辺りを白く染め上げた。

 何事かと訝しむ間もなく、ぽこんと軽快な音がして、ロイドは我が目を疑った。

 飛び出てきたのは、まさかの幼女。

 その重さで、ぐん、と剣の軌道が下に向かって逸れていく。


「はッ!? レティ!?」

「……ぬおおおおおッ!」

「な、なぜそこから!?」


 剣は失速することなく、幼女ひとりぶら下げたまま、なおも突き進んでいく。


「ロ、ロイド! なぜ剣を投げたッ!?」

「……」


 状況が呑み込めず、ただ茫然と佇むロイド。

 そもそもロイドは、剣柄から幼女が飛び出てくるなど夢にも思っていない。


 そんなことを言われても……思わず答えに窮するが、問答している場合ではなかった。




お読みいただき、ありがとうございました!

もう少しだけ続きます……!

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まさかの再会方法...笑笑笑
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