14.
「父上! お待ちください!」
「陛下! どうか考え直してください!」
「黙れ!」
「「ひっ……」」
ムーワとエルドーロが反対だと叫ぶが、国王が凄い顔で睨むとビクッと震えて声が出ない。ただし、今度はファンカイアとアデントが騒ぎ出した。
「いくらなんでもあんまりですわ!」
「娘の言うとおりです! こんな罰は納得できません!」
「……あんまりなのはこちらの方だぞ」
(陛下の言う通り……よく納得できないなんて図々しいことを)
国王はゴミを見るような目で馬鹿四人に言った。
「そなた達のくだらない茶番に付き合わされて、我らがどれだけ迷惑したと思っておるのだ? その過程で公爵夫妻と次女による長女への長年の暴力と息子の愚行が判明したのだぞ。当然の処罰ではないか」
「「「…………」」」
「で、ですが……」
国王から反論できないような説明をされては黙るしかない。だが、当主の意地からかエルドーロはなおも言い募る。
「何故、オルフェーノが当主代理になるのですか!? あの娘に公爵の仕事が務まるはずがありません!」
エルドーロはオルフェーノを睨みながら言った。今まで見下してきた娘に立場を奪われる形になるのがよほど受け入れられないようだ。
しかし、国王は冷たい声でエルドーロの言葉を否定する。
「前公爵よ。こんな茶番を起こすそなたに出来るのだから、オルフェーノ嬢なら当然出来るだろう」
「そ、そんなはずありません!」
「どうだか。オルフェーノ嬢、そなたの父親は公爵としての責務を果たしていたか?」
国王がオルフェーノに視線を向けて聞いてみた。エルドーロは縋るような目をオルフェーノに向けていたが、慈悲はなかった。
「いいえ、果たしてなどいません」
「な、何を言うんだ!」
「むしろ、庶民から搾り取った税金を湯水のように使い、母と妹との贅沢な生活を楽しむだけでした」
「そなた自身はどうしていた? 辛いことかもしれぬが……」
「私は父の代わりに公爵の仕事をしていました。このままでは領民の生活が、」
「余計なことを言うなぁっ!」
エルドーロは事実だけを話すオルフェーノに食ってかかろうとした。だが、待機していた兵士たちによって阻まれる。そんなエルドーロの必死な姿にオルフェーノは呆れ果てた。
(いつも仕事は私に押し付けていたくせに、よくも都合のいいときだけ……もう考えたくもないわ)
国王はマカモウスに目を向けると、マカモウスは書類を見ながらクロンギ公爵家の内情を説明した。
「マカモウス」
「はい。調査結果によると。オルフェーノ嬢の言う通り公爵は妻と次女と贅沢を楽しんだだけのようですね。公爵の仕事はオルフェーノ嬢だけがしていたと公爵家の使用人と領民の方々から証言は得ています」




