13.
『ムーワ殿下、本当に例の計画を実行するのですな?』
『今度のパーティーで計画は実行されるのですね?』
『ああ、多くの貴族と国王が参加するパーティーだからな。面白くなるさ』
『楽しみですわ。お姉様が多くの貴族達の目の前で笑いものになる姿が……』
ムーワとファンカイアとアデントとエルドーロの四人がパーティーの最中にオルフェーノに対して冤罪で婚約破棄……悍ましい会話内容だった。
「――何という者達だ! アレが妹の、親のすることか?」
「――よくもあんな嘘を言い続けたものだな。厚顔無恥にもほどがある!」
「――第二王子も愚かなことを……」
周りの貴族達が問題の四人に対して様々な嫌悪と侮蔑に満ちた反応を示す中、オルフェーノは淡々と告げる。
「――以上が私の提示する証拠です」
オルフェーノの提示した証拠は嘘を暴いた。それだけでなくクロンギ公爵家と第二王子ムーワの所業も国王と貴族達の知ることになった。
「「「「――…………」」」」
肝心の四人、クロンギ公爵家の三人と第二王子ムーワは俯いて下を向くしかなかった。これだけ暴かれてしまっては、気まずくて黙るしかないし誰とも目を合わすこともできない。情けない姿を晒すしかないようだが、オルフェーノはもう何も感じなかった。
(馬鹿四人が恥をかいてくれた……けど、もう何も感じないわね。腹は立つけど)
「……どうやら嘘だったようだな。分かっていたことだが酷すぎる」
「……はい、父上。全部嘘でした……」
国王が口を開く。オルフェーノのように淡々と告げるは、あまりにも酷い内容ゆえに、父として第二王子……息子のムーワに愛想が尽きたのかもしれない。ムーワも言い逃れできないと悟ったのか素直に認めた。
だが、これで終わりではない。これはもう馬鹿二人ではなく馬鹿四人の問題だ。
「ムーワとファンカイア嬢の今の立場に剥奪は確定したが、クロンギ公爵家の長女オルフェーノ嬢に対する処遇も目に余るものだ。よってクロンギ公爵家の当主エルドーロ・クロンギとその妻アデント・クロンギの貴族籍も剥奪し、当主代理をオルフェーノ・クロンギに任命する!」
「「「なっ!!??」」」
(やったわ……!)
両親と妹が立場を剥奪されて長女の自分が当主代理、それを聞いたオルフェーノは心の中で歓喜した。いや、顔からも笑みが浮かんでいる。事実上の勝利が確定された宣言がされたのだから当然の反応だ。
喜んでいるのはオルフェーノだけではない。周囲の貴族たちもマカモウスも国王とオルフェーノに喝采を送っている。これほど賛成の意を示されるのは、今日の茶番を起こすクロンギ公爵家の愚行が不快で仕方がないと思われていたのだろう。
もっとも、肝心の馬鹿四人は反対だった。




