11.
「へ、陛下……ファンカイアの言うことも一理あります。王子の地位を剥奪なんて……」
「お前が嘘をついている場合だと言ったはずだ。そもそも、お前もはっきり申していたではないか。『私が父上に嘘を付くはずがありません』とな」
「そ、それは……」
「嘘をついていないなら、お前は何も心配無いだろう?」
国王に言われてムーワも黙り込む。オルフェーノはファンカイアとムーワは悪いところが全く同じだと思った。それは都合のいい時は嘘をついて乗りきろうというところだ。
(あの二人は精神面で幼い。状況が悪い時は嘘を言ったり黙り込む。それで状況が好転するはずがないんだけど……それが分からないのは仮にも貴族という立場のせいかもね。だからって、この場では決して許されないけど)
「それでは、そなた達の言葉が嘘か真か見極めよう。マカモウス」
「はい」
国王に呼ばれて一人の男が現れる。艶のある短い黒髪と青い瞳の整った顔立ち――第三王子マカモウス・ミラモースタだった。ムーワの弟にあたるが、ムーワとは性格が反対なので仲が悪い。
「マカモウスよ、お前は以前から第二王子ムーワの素行が悪いと申していたが、そのムーワが疑わしいことを口にした。ムーワの話が嘘か真かはっきりさせたい。お前にそれができるか?」
「父上!?」
「陛下、可能です」
「マカモウス!?」
ムーワが驚くことも気にせず、マカモウスは横にいた執事服の男から書類を手に取って眺めながら発言する。
「兄ムーワの学園での生活は常にファンカイア嬢と共に行動していると多くの学生が目撃しています。更に貴族街での購入履歴を遡るとファンカイア嬢のためにドレスや宝石を購入していることが分かります。それに対して、オルフェーノ嬢にはプレゼント等の類は一切購入していないようです」
「な、何を根拠に言ってるんだ!」
「それどころかオルフェーノ嬢には仕事を押し付けていたようだと学園で目撃情報が多数。兄ムーワ自身とファンカイア嬢の学園の課題を肩代わりさせた挙句に、見下すような発言をしていたとの証言があってのこと。……このことからファンカイア嬢には余裕があったご様子であり、とても公爵夫妻に虐待されていたとは思えません。ファンカイア嬢が虐待されていたような発言も確認されていません」
「な、何よそれ!」
「う、嘘だ! デタラメを言うな! 弟のくせに!」
ファンカイアとムーワは嘘だと騒ぎ立てるが、マカモウスははっきりと二人に向かって声を上げた。




