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第3話 これはもしかして……

教室全体が激しく揺れる。


「うおっ!?」


「地震!?」


「結構デカいぞ!」


 誰かが叫ぶ。


 机がガタガタと音を立てる。


 窓ガラスまでビリビリ震えていた。


 教室中が一瞬で騒がしくなる。


「机の下!」


 学級委員長の丸尾君が叫ぶ。


 反射的に机の脚を掴んだ。


 かなり大きい地震だ。


 揺れが全然おさまらない


 でも、なんだろう。


 少し変だった。


 地震というより、建物ごと持ち上げられているような……そんな妙な感覚。


「由良殿ー!」


「なに!?」


「これ地震じゃない気がするでヤンス!」


「じゃあなんなんだ!」


「わからないでヤンス!」


 会話しながらも揺れはどんどん強くなる。


 女子の悲鳴。


 机が倒れる音。


 教室のあちこちから声が上がる。


 その時だった。


 窓の外が光った。


「え?」


 そして一瞬。


 何も見えなくなった。


 本当に一瞬だった。


 真昼なのに。


 思わず目をこする。


 数秒。


 いや、一秒もなかったかもしれない。


 そして。


 揺れが止まった。


 静寂。


 教室中がしんと静まり返る。


「……終わった?」


 誰かが呟く。


 恐る恐る顔を上げる。


 そして。


「は?」


 窓の外を見た瞬間。


 思考が止まった。


 そこにあるはずの景色が。


 全部なくなっていた。


 住宅街も。


 道路も。


 コンビニも。


 信号機も。


 何もない。


 代わりに見えたのは。


 どこまでも続く緑だった。


「……え?」


 誰かの声が震える。


「な、なんだよあれ」


「山?」


「いや待って」


「待って待って待って」


 教室中がざわつく。


 当然だ。


 だって。


 ついさっきまで学校の外にあった街が。


 丸ごと消えていたんだから。

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