↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ダークナイト・アナザーライフ  作者: 代谷 シユキ
第1章 魂を喰らう悪魔
7/8

第7話 新人冒険者

少し文章が途切れ途切れです。

読み難いと思います。


「レクス。何してたの?」

「……少し腕試しに……」


 ギルドに戻ったレクスとロンドール。

 二人を待つようにフィアナが立っていた。

 表情から先程の爆音が聞こえていたのだろう。特にロンドールを睨んでいる。

 フィアナはロンドールの胸倉を掴んだ。


「お爺ちゃん……何やったの」

「フィアナ? な、なんじゃこの手は……」

「いいから答えてっ! レクスに何をしたの!? さっきの爆音は何なの!?」

「アレは……腕試しなんじゃよ」


 ロンドールは目を泳がせながら言った。


「腕試し? もしかしてレクスと戦ったの?」

「そうじゃ」

「……なんで!?」


 フィアナは隣いたレクスに視線を向ける。

 だが、レクスは口を開かない。ロンドールと本気で戦った事など言える訳がなかった。

 ロンドールも冷や汗を首筋から流していた。

 もし、フィアナにレクスが暗黒騎士とバレた場合は最悪の出来事が待っている。レクスは、嘘つきと罵られそれを黙認したロンドールも同様な待遇を受けることになるのだ。

 二人はそれだけは望んでいなかった。


「レクスとは昔からの中なんじゃ」

「…………えっ?」


 フィアナが慌てて二人を見比べる。

 それを聞いたレクスが「バカ」と呟いた。

 ロンドールは分からないと言った様子だ。


「れ、レクスの歳って……」


 因みにロンドールの歳が60後半。

 昔からの知り合いとロンドールが言った所為で、レクスはロンドールと歳が近い話になってしまった。フィアナが戸惑うのも当然だ。

 レクスの見た目は20歳くらい。

 若い青年の見た目なのだが……。

 ロンドールが口を滑らせたので、20歳に見えるレクスの歳が老いている事になる。


「フィアナ。昔って言っても最近だ」

「えっ? そうなの?」

「あぁ……今でもあの時を思い出せるよ」


 レクスは助け舟のように語る。

 隣でロンドールが感謝を述べていた。

 ……その後。

 フィアナはロンドールからレクスの事を何度も聞いていた。その度にロンドールの表情が険しくなるのをレクスは見逃さなかった。



 ***


 レクスはフィアナの勧めでギルドに冒険者として登録を完了させていた。本当の力はロンドールが知っているが、他のギルドの職員を含めてフィアナも知らない為、レクスの冒険者としてのランクはブロンズになった。

 冒険者のランクはブロンズから始まる。

 依頼をこなしていく度に貢献度が高まり、冒険者のランクが1段階上がる。ランクが上がっていく度に受けれる依頼が増える。

 高ランクは危険な依頼を受ける事が可能。

 迷宮と呼ばれる場所も自由に探索が出来る。


「レクス。何受ける?」

「……俺は何でもいいぞ」


 フィアナとレクスは依頼の紙が大量に貼られている掲示板を眺めていた。冒険者はこの掲示板から自分に合った、又は自分が受けたい依頼を見つけてカウンターまで持っていく。

 その後、ギルドから依頼の許可が下りて、受けた依頼を達成すると、ギルド側から依頼に指定されていた報酬金が支払われる。

 大体、依頼はこんな流れになる。


「ゴブリンの討伐とかでいっか!」


 フィアナは依頼の紙を掲示板から剥ぎ取る。

 取った紙には『ゴブリンの討伐依頼』と記載されていた。依頼を受けれるランクはブロンズからと注意事項に記載されていた。

 フィアナのランクはシルバー。

 ブロンズの一段上のランクになる。


「レクスもいいよね?」

「あぁ……」

「じゃ、依頼を受けてくるから!」


 フィアナはそう言ってカウンターに向かう。

 その場に残ったレクスは暇だったので、ロンドールの座っている椅子の隣に腰を下ろす。

 ロンドールは不機嫌そうにレクスを睨む。


「……フィアナと仲がいいようじゃな」

「そう見えるか?」

「自慢か? その言い方は自慢なのか?」


 どうやらロンドールは興奮すると口調の「じゃ」が消える癖があるらしい。

 レクスとロンドールはフィアナを見つめる。


「あの子はエルティアが拾ってきた捨て子だったのじゃよ……妹のアリアも同じじゃ」

「やはりエルティアが……」

「名前もあやつが勝手に決めていた」


 思い出すようにロンドールは呟いた。

 その表情を見てレクスは顔を伏せる。

 余りにもロンドールが悲しい表情をしていたからだ。


「本当にあの子達を守るのかレクス?」

「当たり前だ。エルティアが育てたなど関係なく、俺が二人を死んでも守る」


 そう言い残しレクスは席を立ち上がる。

 ロンドールはレクスの後ろ姿を見て、


「お主は……既に人間じゃよ……」


 その言葉はレクスには届かなかった。


 ***


 レクスとフィアナは草原に辿り着いていた。

 今回、二人が受けた依頼のゴブリンの討伐は20体のゴブリンを討伐する依頼だ。


「なんか久しぶりな気がするね」


 懐かしい草原にフィアナが呟いた。

 ここはフィアナとレクスが出会った場所。

 二人はあの事が昔のように感じていた。


「ゴブリンは下級の魔獣て合ってるか?」

「うん。レクスなら簡単だと思う」

「そんな弱いのか?」

「知らないのレクス? ゴブリンは魔獣の中でも最弱の分類に値する奴よ?」


 フィアナは首を傾げてレクスに説明する。

 下級の魔獣のゴブリンは少しだけ知識を持ち、群れて行動する魔獣だ。単体の力は弱いが、その弱さを補うように群れて獲物を狩るのが、ゴブリン達の戦い方でもあった。

 普通の冒険者なら運が悪く死ぬ事や怪我をする事もあるが、レクスには別の話だ。


「そのゴブリンの弱さは十分わかった」

「じゃあレクスは10体、私が10体でゴブリンを討伐したら証として耳を切ってね」


 そう言ってフィアナは袋を取り出した。

 レクスは頷いてその袋を受け取る。

 フィアナはレクスが袋を受け取ると、「行ってくる」と言って先に駆け出した。


「気は乗らないがやるか……」


 レクスはそう言って右手を振った。

 すると、何もなかったレクスの右手に魔剣レーヴァテインが握りしめられていた。

 レクスは剣を鞘に仕舞い草原を駆け出した。

 しばらく走っていると少し小さな殺気らしきモノをレクスは感じ、走るのを中断する。


「アレが……ゴブリンか……」


 レクスの視線の先には、緑色の肌を持ち牙をむき出している小さな小人が立っていた。

 見た目は小さなオークのようだった。

 レクスは剣を構え地面を強く蹴り出した。


「セアァァァァァッ!」


 レクスの剣がゴブリンを捉えた。

 ゴブリンが一瞬の出来事に反応をする事もなく、レクスの剣が振り下ろされる。

 ゴブリンの体を切り裂き血潮を撒き散らす。


「……先ずは一体」


 レクスが殺したゴブリンの近くには、他にも数体のゴブリンが姿を見せていた。しかし、仲間に何が起きたのか分からない様子だ。

 戸惑うゴブリンに容赦なくレクスは剣を振り下ろして、剣を真っ赤に染め上げる。


「弱い……」


 レクスは剣を振りながら囁いた。

 戸惑っていたゴブリン達が、唸り声を上げて片手に持っていた錆びた剣をレクスに振ろうとした瞬間に、ゴブリンの体が半分に切り裂かれる。レクスには、ゴブリンの速度など、ゆっくり剣を振り下ろしている感覚だ。

 レクスには避ける選択肢などない。

 遅いゴブリン達の攻撃など避ける意味もなく、攻撃する前に剣を振るうだけだった。


「6体か……」


 レクスは倒したゴブリンの耳を切り取っていた。殺したゴブリン達は皆が、体を半分に切り裂かれて絶命している。

 ゴブリンの耳を剥ぎ取ったレクスは、剣を鞘に仕舞い込んで再度、草原を駆け出した。


 その頃。

 フィアナは必死にゴブリンを狩っていた。

 ゴブリンがフィアナは向かって剣を振る。


「……っ! もう、数が多いのよ!」


 フィアナの周りには4体のゴブリン。

 全てのゴブリンが不気味な笑みを浮かべてフィアナを取り囲んでいるのだ。

 フィアナはゴブリンの攻撃を全て弾く。


「邪魔なのよ!」


 ゴブリンが怯んだ隙に剣撃を刻み込んだ。

 フィアナの剣がゴブリンの横腹を切り裂き、地面の草を赤く濁した。ゴブリンは、切り裂かれは横腹を抑え、唸り声を上げて倒れる。

 どうやら致命傷のダメージだったようだ。

 他のゴブリン達が戸惑う。

 その隙にフィアナは剣をゴブリンに振る。

 もう一体のゴブリンの首筋が切り裂かれた。

 血潮を撒き散らしてゴブリンが倒れる。


「あと2体っ!」


 覚悟を決めたゴブリン2体のゴブリンが、フィアナの元に飛びかかってきた。フィアナは飛びかかってきたゴブリンに剣を横に切る。

 一体のゴブリンは空中でバランスを崩し、その場に倒れ込み絶命した。もう一体のゴブリンは、フィアナに剣撃を繰り出すが、フィアナは、それを躱して足で力強く蹴り出した。

 ゴブリンは、フィアナの蹴りを溝に受け、体勢を崩してその場に膝をついた。


「……終わりね」


 次の瞬間。

 ゴブリンの頭が宙を舞って地面に落ちた。

 血潮が天に向かって降り注ぐ。


「ふぅ……回収しないと」


 フィアナは剣を仕舞い、ゴブリンの死体に近づいて小型のナイフで耳を切り裂いた。

 合計4体の耳を回収したフィアナ。

 残りは6体と達成までは程遠い。


「さて……次の……」


 フィアナが、ゴブリンの耳を全て剥ぎ取っり、次のゴブリンを探しに立ち上がろうとした瞬間、フィアナは空中を飛んでいた。

 凄まじい衝撃がフィアナを襲う。

 フィアナは状況を判断する前に、自分自身の体制を起こして辺りを見渡した。

 すると、先程までフィアナがいた場所に、ゴブリンらしき姿が見えていた。


「アレは……ゴブリン?」


 フィアナの視線の先にいたゴブリンは、先程のゴブリンよりも少しだけ背が高く、体つきがシッカリとしていた。それに持っていた剣が錆び付いておらず、光を反射させている。

 それを見てフィアナは確信した。


「いや……アレはボブ・ゴブリンね」


 フィアナが吹き飛んだのは、目の前にいるボブ・ゴブリンに蹴り飛ばされたからだ。

 ボブ・ゴブリンは普通のゴブリンよりも背が高く、体つきがいいのが特徴的。そして何より、ゴブリンよりも格段に強いのだ。

 ゴブリンは群れで行動するが、ボブ・ゴブリンは群れて行動せず、単体で行動する。


「さて! さっきは不覚を取られたけど、今度は、そういかないからね!」


 フィアナは剣を構えて、ボブ・ゴブリンを睨みつけた。だが、そのボブ・ゴブリンは不気味にフィアナに笑みを返していたのだった。


次回更新は水曜日か木曜日です。

……中間が終わっても期末がある!


皆さま夜更かしにはご注意下さい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。