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ダークナイト・アナザーライフ  作者: 代谷 シユキ
第1章 魂を喰らう悪魔
3/8

第3話 懐かしい食事

今回は短いです。


 レクスはフィアナとアリアに勧められるがまま、二人の家にお邪魔していた。

 二人の家は然程大きくはないが、狭いと言う訳でもない。あと二、三人は住めるだろう。

 フィアナとレクスが座ったテーブルには、既に沢山の料理が並べられていた。


「これ……アリアが作ったのか?」

「はい! 私とお姉ちゃんは二人暮らしなので、家事は私がいつもしてるんです!」

「ちょ! アリア! それだと……私がいつも何もしてないみたいに聞こえるじゃない!」

「……何もしてないよね。お姉ちゃん」


 アリアは鋭い視線をフィアナに向ける。


「……すみません。何もしてないです」

「けど、お姉ちゃんには冒険者として働いて貰って、お金を稼いで貰ってるんです」

「へぇ……だからフィアナはあんな場所で、オークと戦っていたのか……」


 レクスは不意にも言葉を漏らしてしまう。

 それを聞いていたアリアが真剣な表情になり、レクスの元に駆け寄ってくる。


「お、オークって本当ですか!?」

「あ、うん。フィアナはオークと戦っていて………………死にかけたんだよ」


 アリアが息を飲む声が聞こえた。

 隣にいるフィアナは申し訳なさそうに、テーブルの下に視線を送りしょんぼりしていた。

 憤怒なのかプルプルと震えるアリア。

 流石のレクスでさえ少しだけ怯えた。


「お姉ちゃん……本当なの?」

「ほ、本当です。私はオークと戦って死にかけました。いえ、あと少しで死んでました」

「アレほど危険な真似はしないでって言ってるのに! お姉ちゃんがオークに勝てる訳ないでしょ! 駆け出しの冒険者なんだから!」


 フィアナはアリアの叫びを聞き、頭を下げて「ごめんなさい」と正直に言った。確かにフィアナの性格だと無茶をしそうだ。

 それをアリアは把握しているのだろう。

 だから、アリアはフィアナに厳しく言い、危険な真似をしないように言いつけてる。

 ……心配だから言っている。

 それがレクスにも少しだけ分かった。


「そこをレクスさんに助けて貰ったの?」

「うん。死にかけだった私に【リザレクション】まで使って助けてくれたよ」

「えっ? り、【リザレクション】!?」


 フィアナと同じように驚くアリア。


「レクスさんって何者なんですか?」

「俺は普通の旅人だよ」

「…………」


 じぃーとアリアはレクスに視線を向ける。

 レクスは首筋から冷や汗を出しながら、アリアの視線を受け取った。

 アリアは首を傾げたあと、


「……なんか懐かしい感じがします」

「えっと?」

「私とレクスさんってどこかで会ってませんか? 雰囲気が初めてじゃない気がして……」

「会うのは初めてだと思う」


 アリアは「そうですか」と言いながら、レクスを見て何かを呟いていた。

 仲良くアリアとレクスが会話を交わしていると、不満げにフィアナが睨んでいた。見るからに、自分も会話に参加したい様子だ。


「それよりご飯……食べませんか?」

「そうね。せっかくアリアが作ったんだし」

「俺も戴いていいのか?」


 アリアは「是非」微笑みながら言った。

 久しぶりにレクスは食事を取った。

 アリアの料理はシンプルな物が多いが、どれもこれも味付けが丁寧にされている。食べても、食べても美味しいと感じられる料理だ。

 他にもレクスの話題で食卓は盛り上がった。


「本当に泊めて貰っていいのか?」

「大丈夫ですよ。部屋も余ってますし」

「アリアが言うから大丈夫よ」

「じゃあ……遠慮なく使わせて貰う」


 レクスは部屋の机に剣を置いた。

 窓から外を見上げる。

 星が綺麗に輝きを放っている。


「レクスさんって星が好きなんですか?」

「あぁ……懐かしい思い出があるんだよ」


 アリアはレクスの横顔を見て、少しだけ頬を赤く染めて、レクスから視線を逸らした。

 二人が星を眺めていると、今までレクスのベッドを用意していたフィアナがやってくる。


「……綺麗だね」

「この輝きを見るたびに俺は思い出す」

「何を?」

「……秘密だ。それよりベッドを用意してくれたのか?」


 レクスの問いにフィアナは頷いた。

 それを見たレクスは優しくフィアナの頭に手を置いた。フィアナは何事かと思い頬を赤く染めるが、レクスがフィアナの頭を撫で始めると、大人しくなったように固まった。


「ありがとう……フィアナ、アリア」


 二人の頭を優しく撫でるレクス。

 レクスが撫で終わると、二人は照れたように頬を真っ赤に染めて部屋から出て行った。


「ふぅ……俺も人間に見えるかな」


 レクスはベッドに横たわり呟いた。

 天井に向けて手を伸ばす。


「答えてくれよ……エルティア」


 懐かしむようにレクスは目を閉じた。

 部屋の窓から無数の流星が流れ落ちていた。


テスト勉強の息抜きに小説を書くと、勉強を忘れて小説を書いてしまう……暑さのせいですね。

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