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015 購入予約

読んで頂き有難う御座います。

 夕暮れの近い時間帯まで狩りを続け、今日はこれくらいにしておこうと言う事になり迷宮前の広場にある冒険者ギルドの受付に狩りの成果を納品したのだが、なにやらギルド員達が大勢出てきておびただしい数の頭と胴体が泣き別れした死体とちょっとした小山が出来るほど積み上げられたフルーツ類、薬草類、宝石類、インゴット類を必死の形相で検分している。


 宝石やインゴットが在るのはダンジョン内に落ちていることがあるからだ。

 宝石やインゴットが落ちているのはダンジョン内の共通事項の1つであり、ダンジョンの不思議でもある。


 フルーツと薬草は階層が下がる程に大きく美味しく珍しい物が繁殖する様になり、宝石は大きさと量が上がる。

 インゴット類は大きさは一定のまま量と種類が増える。

 アルガムのダンジョンの場合は6層にオリハルコンインゴットですら極稀に落ちている事が在る。

 拾いに行くと大抵の場合は超希少な素材を拾う前に自分の命を落としてしまうのだが。


 フルーツ類、薬草類、宝石類、インゴット類はともかく、飛竜76匹は多かったのだろうか?

 体長10m前後のデッカイ羽トカゲが76匹は多いか。

 置く場所が無いから順番にだしてるけど、マジックコンテナに収納しても次々と出て来るし、ギルド員は応援に次ぐ応援でドンドン増え続けて表情も必死ですって感じになってきたし。

 飛竜もあるけど、ラプ系とオーク系も多いものなぁ。

 1匹辺りの取る場所は少なくとも数は圧倒的に多いし。

 今後はもっと大量に狩る予定なんだけど、大丈夫なのかね?


 「ねぇアル。飛竜の数が狩った量の倍くらいある気がするんだけど」

 「気のせいじゃない?」


 飛竜だけじゃなくラプ系とオーク系も倍くらいありますぜ?


 「そうね。私も緊張して記憶に混乱が在るのかも……とでも言うと思ったかぁ!」

 「正直に言うと、アリ姉は無理だろうけどあえて多くは語らずの大人の判断をするんじゃないかなーって思ってた」

 「私は?」

 「……」

 「ねぇ、何故無言で目を逸らすの?」

 「いや~お子様の純粋無垢な言葉って偶に人の心を深く抉る事ってあるじゃん?」

 「あんた自分が純粋無垢だと思ってるの!?」

 「中身が血が乾いた後の様なドス黒さでも見た目だけならいけると思うな。そう言う演技もやろうと思えばできるよ?ショタハートに直撃する様なやつ」

 「まだ短い付き合いだけど、アルが物凄くイイ性格をしてるって事は分かったわ」

 

 良いではなく、イイですね。

 

 「まぁ細かい事は良いじゃん。パーティの戦果って事で」

 「採取した覚えの無いフルーツに薬草、拾った記憶の無い宝石やインゴットも大量にあるんですけど?」

 「それは俺が拾ってたからだよ。俺の回収能力なら寧ろこの程度は当たり前じゃん。皆が飛竜だのラプ、オークの群れを乱獲してる間に俺はそれ以外を採取してたってだけだよ。役割分担あってこそのパーティーでしょ」


 最初から持ってた物も少しだけ出してるから3倍くらいになってるだけで。

 宝石類とインゴット類はギルド員の前に置かれている量の3倍は1層~5層に巻いてあるが。


 「ギルド員達がもはや戦時の忙しさで必死の形相なんだけど……」


 支持を出す側のギルド員から怒号とか飛んでるねー。 


 「まぁそこは大丈夫でしょ。これからこれが殆ど毎日続くんだし増員するなりすれば良い。支払いとか大変そうだけどそれくらい待ってあげるし。納品もアイテムボックスに入れて置けばかさ張らないし腐らないから納品する量と場所くらい調整してあげても良いしね。そのうち専用の場所と人員とかできそうだけど」

 「場所はともかくとして、解体が大変そうよね」

 「何言ってんの、それこそ解体依頼を冒険者に依頼すれば事足る事でしょ。冒険者ギルドにとって冒険者を依頼で動員するのはお家芸じゃん」


 冒険者は魔物の解体をなりたての初心者でもなければできる。

 解体しなければ納品する品の値が下がるからだ。

 解体作業には命の危険を伴う様な事も無くお金になるので収入の少ない初心者程必死で覚える。


 「アル君は解体できないのかしら?」


 おっと、沈黙してマリ姉との会話を聞きに回っていたアリ姉から質問か。

 この顔はなんとなく察しがついてる気がするが。


 「もちろんできるよ。けどやらない」

 「何故と聞いても?」

 「一言で表現すれば投資だよ」


 冒険者ギルドは世界を股に掛ける超巨大組織だ。

 利用した方が効率が良い。

 冒険者もどこにでもいるし、俺が扱う予定の品の需要の末端に冒険者が少なからず含まれている。

 末端消費者が金を持っていなければ商品が売れない。


 冒険者ギルドが一時的に跳ね上がる支払いで悲鳴を上げる事になるかもしれないが。

 そこで金貸しですよ、お客さん。


 ゲハハハ、アルガムを経済支配してやるぅ!

 

 「失礼。少々お時間を宜しいでしょうか?」


 おっと、明るい未来を想像していたらお声が掛かった。

 なんか偉い人っぽいな。

 青い髪のクールビューティーな秘書って感じの眼鏡美人だ。

 ギルドマスターの秘書とかか?

 

 「私はリフィリアと申します。アルガムの冒険者ギルドでマスターを務めさせて頂いております。以後お見知りおきを」


 ギルドマスターかい!

 秘書です(キリッ)って感じの恰好なのに!

 騙された!

 ヤッベー……普通に知らんかった。

 いかんね。

 先生がウルトラチートでも俺がアホだと台無しだ。

 いや、今後に生かせば良いか。

 まだ日が浅いから多少の手落ちは仕方がない。

 そう、仕方がないんだ。

 

 「これはご丁寧にどうも」

 「申し訳ありませんが、対価の支払いを今すぐに行うのは難しく、しばしの猶予を頂きたいのですが、宜しいでしょうか」

 「支払いに不正がなければ後払いでも分割払いでも構わないよ。ぶっちゃけ今日納品した分を現金に変換できてから支払いでも構わない。因みに麗しの風の2人とは利益を折半、討伐証明は俺、討伐賞金は麗しの風の2人に配分される手筈になってる。お金の方は金額だけ教えてくれればこっちの2人への支払いは俺が立て替えておくよ」

 「有難う御座います。ではその様に手配させて頂きます。アルマ様の冒険者ランクはSランクとなり、素材の支払金額は12億6153万3200リルとなります」

 「「10億越え!?」」


 ショターズの声がハモった。

 と言うか、ギルドマスターが俺の事を様付けで呼んでるんだが。

 基本仕様なのか?

 いや、金借りてる様な物だから低姿勢なのかな?


 「1日の稼ぎとしてはそれなりに儲かった方なのかな?」

 「それなり!?あんた本当にどう言う金銭感覚してんの!?」


 マリ姉から激しい突っ込みが入った。


 「銅貨と晶貨の区別がつかない程度の金銭感覚」

 「それにしても12億は多すぎない?」


 アリ姉は金額の大きさに疑問がある様だ。


 「別にそうでもないでしょ。ミスリルとオリハルコンのインゴットが大きかったんじゃない?」


 流石にミスリルやオリハルコンを蒔き過ぎるのは問題だからダンジョン内にはミスリルは少量、オリハルコンは微量しか撒いていない。


 「まぁ、今まであちこちに散って溜まってた分を回収しただけだろうし、流石に明日からは拾い物はそんなに多くは無いでしょ。多分だけど。6層の落ち物を一掃したのが大きいと思うよ」

 

 割と普通にコロコロ転がってたし。


 「で、賞金額は?」


 賞金額を聞いてないぞ。 


 「賞金額は1億4252万リルとなります」

 「あら、意外と少ないね」

 「多いわよ!」

 「別に多くても困らないでしょ。目標金額が初日で半分以上溜まったじゃん」 

 「ねぇアル君。そんな大金を持ってるのはちょっと怖いから預かって置いて貰えるかしら?」

 「良いよ。とりあえず、そっちに渡すのは端数で良い?」

 「ええ、そうして貰えると助かるわね」

 「具体的にどの単位からの端数?」

 「1万リル以下でお願いするわ」

 

 少なっ!


 「てことは3万1600リルかな」

 「それで良いわ。残りは現物支給して貰えると嬉しいわね」


 良く考えたらそれでも3百万円以上?

 本当に金銭感覚がおかしくなってるわ。


 「すぐに欲しい?」

 「早い方が良いわ」

 「大が200まで行けるけど、全部?」

 「そうね。全部お願いするわ」

 「そう、じゃ受け渡しは後でね」


 おっと、こちらの話を聞きに回って待機していた秘書詐欺のギルマスに警告して置かなくっちゃ。


 「言い忘れていたけど、俺相手に不正や横領が出来るとは思わない方が良いよ。リフィちゃんが横領したら奴隷落ちさせてペットとして飼っちゃうから気をつけてねー」

 「あんた可愛い笑顔でなんて恐ろしい事言ってんのよ……」

 

 マリ姉に呆れられた。

 いや、でも警告はしておかないと。


 「ご安心ください。私のギルドマスターとしての任期は本日までとなっております。奴隷落ちさせられるまでも無く、明日から奴隷として売りにだされます」


 え?

 うん?

 あれ???


 「ええっと、なんかごめん」

 「いえ、構いません。ですが、もし宜しければ私を買って頂ければ幸いです」


 購入希望?

 金持ちのショタだからか?


 「なぜと聞いても?」

 「私が奴隷堕ちする理由が父の作った借金の未払い分の返済のためだからです。父が借金を作った相手がカーマイン商会の会長でして、奴隷になったら買ってやると言われております」


 また失敗キメラかよ!

 本当にどんだけやらかしてんのぉ!

 

 「なんか本当にやりたい放題やってるねぇ~失敗キメラさん」


 父親の作った借金って話もなんか胡散臭い。

 それよりも秘書子ちゃんを買うかどうかかぁ。


 名前 リフィリア

 種族 人族

 年齢 19

 状態 良好

 特性 知力(大) 

 技能 経営(大) 算術(中) 交渉(中) 


 うん。

 めっちゃ欲しい。


 「予定では商会を立ち上げる事になっていて、自分で経営とか不安しか感じないから経営面を丸投げできる経営系の能力がある奴隷が欲しいなーって思ってたんだけど、その方向で運用するって事で良いなら買うけど」

 「是非お願いします。経営面でしたらお役に立てます」


 思いっきり食いついてきた。


 何かえらく都合が良すぎる様な気がするんだが。

 いや、そうか。

 ギルドマスターと言う立場なら昨日の失敗キメラと揉めた一件は耳に入るし新人の情報くらいは閲覧できるか。

 秘書子ちゃんは最初から俺に売り込みに来ていたって事ね。


 ええっと……経営奴隷ゲット予定だぜ?



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