宴の先にて
獣人達にとって娯楽とは腕試しである
扉を開けた先には来た時と同じ螺旋階段があり、そこには階段に鎮座したガロンが居て一言見事なりと言った。
続けて「汝はバルカの里の試練を乗り越えたバルカの性を名乗ることを我が許そう」
「じゃあ俺は今日からキャスレイ=バルカか良いな」
ああ疲れたと言ってガロンの背中に寄りかかってそのままモフモフを楽しんだ。ガロンはガッハハハと笑いそれに対して俺は約束覚えているか?と聞いた。
無論酒比べでも汝らのパーティーに入るでも何でもやろう、我は汝はヤダかもしれないが汝の従者だ。
確かにヤダだがお前は好きだよ世界で2番目にね。
1番目は汝の奥方である聖女か?
と下らない話をしながら螺旋階段を登って行く希望に向かって。
世界樹の間に戻るとマルティナ、ヒストリアは獣人達と宴を開いていた、流石に2人ともお酒は入れてなかったが楽しそうに団欒していた。
やあなんとか戻ってこれたよと下から戻ってきて2人を安心させた。
ヒストリアは無事でなにより、マルティナはほら大丈夫でしょと2人は声をかけてきた。そのまま歓迎の宴は再び始まりパーティー4名は舌鼓を打った。
宴もたけなわであったがヒストリアがそろそろ良いでしょと言ってきた、キャス君その短刀は何ですか?試練を乗り越えた新しい力と見ましたがどうです?
その問いに俺は答えた御名答この短刀が黄金流転俺の新しい力だ。
イリーナ殿、ヘロン殿どうですお二人と我々4名で世界樹の前で御前試合などいかがですか?
無論死傷者が出ない様に私の槍で練習試合の魔術をかけますが?
イリーナ、ヘロン両名は軽く笑い無論。コチラから我らが勇者を試して見たかったと言ってきた。
でしょうね、お二人共宴でも隙を全く見せずコチラに軽く殺気を放っていましたからね。
ではと言って6名とも虚から出て里の広場に向かった、入って来た時は太陽が登っていたが今はもう夜で三日月と満天の星が輝いていた。
ヒストリアが槍で世界樹の前に陣を引き上下に別れて作戦を練った。
戦いの段取りは戦の聖女ヒストリアが指揮を執った。
「先ず初めは言い出しっぺの私から左手の海神の太刀は太刀の回りに海水を召還してブレードやシールドに変形します、勿論接近して太刀で斬りかかる事もします。右手の雷獣の魔弾で遠距離攻撃をしますし回数制限がありますが敵の行動を封じる特殊な弾丸を撃ちます。背中の腕は祖先の幻腕と言い2本の槍を使って魔術や霊魂、敵のバフを解除したりします。まあ完全な物理アタッカーですね、ココまでに質問はありますか?」
皆は特に質問は無かった次マルティナとヒストリアが言った
「私の魔術は確かに第零位階の魔法を回数制限はあるけど使えるわけどあまり使いたくない、使う代償に妄執の聖女の記憶を覗き見てしまうから。出来たら私はパーティーのヒーラーをしたいわ天使ラフィールの加護で私の回復魔法は多分トップクラスだから」まあそれならそれで言いでしょう
次はガロン貴方の得意なポジションは何ですか?
「フム我は試練によって得られた物理耐性も魔法耐性もある完全なディフェンダーだな、我こそがこのパーティーの要石だろう」
次キャス君貴方の新しい力は何ですか?
「短刀を握ったら力の使い方と知識が流れてきた黄金流転の力は黄金の霧が出て来て任意の人物に何重物のバフ、もしくはデバフをかけて味方の支援、敵には邪魔をするサポーターとしての力だ、勿論短刀として敵にダメージを与えられるその時には敵に時間経過で切傷を深くしていくボーナスが着くな」
ヒストリアはなるほどこのパーティーはバランス型ですね、しかし尖っている場所がない。うんまあこんな物でしょと勝手に納得していた。
俺はヒストリアに疑問を言う「相手は2人こちらは4人人数差でコチラが有利だ、負けるはずがないと思うんだけど」
ガロンはくっはははと笑い、ヒストリアはそうでも無いですよ、油断なさらない様にと助言をして諭す。
鐘の音が鳴り響き試合が始まった。
まず初手はガロンが前に出向き体を震わせ体を更に2倍程大きくさせた、コレで前衛の壁が出来たがイリーナが大きな蛇から真の正体である龍になり巨大な両翼を広げた、そしてヘロンは大きな木槌を出して振り下ろすとキャス達の後衛に圧力がかかり足止めがかかった。
それをヒストリアが魔弾を放ち効果を打ち消した。
そしてキャスが黄金流転から黄金の霧を出し味方にバフをかけまた、ヒストリアと一緒にヘロンを倒しに向かったがそこをイリーナが龍の息吹で足止めと両翼で切り刻んだ。そこをガロンが神速で回り込みダメージを肩代わりした、マルティナは慌てながらガロンを回復していたが如何せんアタッカー2名がヘロンを倒しきれずにガロンの後ろに下がり後手に回ってしまった。
そこをヘロンは第1位階魔術の魔法を千発百中で飽和攻撃をしてきた、その攻撃でガロンが膝を付きイリーナが翼をはためかせ空から回復の要であるマルティナを狙い龍落としをして全身で後衛に攻撃したが、マルティナは第零位階の魔法で炎の盾を出し逆に蒸し焼きにしようとしたがその炎はヘロンの木槌の圧力で押し消された。
隙が出来たヘロンをヒストリアは魔弾で狙撃してキャスに追い討ちの声をかけたがキャスはマルティナを心配して後衛の方に向かってしまい、ヘロンと一対一の戦いになった。
ガロンは前衛、後衛どちらを守るのか判断を迷ってしまい隙が出来て、再び空を舞ったイリーナから白銀の礫をくらいパーティーを守り切れなくて意識を失った。
後衛であるマルティナは脳裏に妄執の記憶を見てしまい動けなくなって回復が出来なくなった、そこを前線から戻ってきたキャスが王子様抱っこで彼女を助けたが前線はヒストリアがヘロンから魔術と圧力同時にくらい瀕死で倒れた。
マルティナは震えて戦いどころではなくなり、前衛のキャスは戦い等した事などなく、破れかぶれにヘロンに突撃して横からイリーナ、前からヘロンの魔術で押し潰れてしまった。
初の凶兆の勇者パーティーの戦闘はこうして敗北から始まった。




