赤色の扉過去の歴史
一生を生きたからには長生きした方が良かったのだろう
ふと目を覚ますと見知った草原に寝転んでいた。そこは自分のもう一生戻れないと思っていた故郷の丘の上であった、そこに遠くの方から自分の名前を呼ぶ声がしてきた聞き覚えがあるその声はかつて幼馴染であったリズの声であった。
リズの家は確か俺が家業である酒場の手伝いを始めた時ぐらいに出稼ぎで一家全体で聖王国に移住しに村を出たはずだった。
ココにいるはず無いし何なら故郷もルイ達に焼き払われているはずだった。なのになんでこんなに平和なんだろうか?
その事を思い出していると涙が出て来て、近づいてきた彼女に抱きついていた。困惑している彼女は言うキャス君どうしたの?悪い夢でも観てたの?あの世界を夢だと言い切れない俺は「今は神歴何年だ?」
リズは不思議そうにに言う「神歴って何?今は女神歴2562年でしょ」
それを聞いてリズにゴメンやっぱり悪い夢を見てたみたいだと言い、そろそろ宿屋に戻らないと親父達の拳骨が飛んでくるなと言葉を交わし、そうよだから私が呼びに来たんじゃない。ありがとうな君の笑顔で元気になったよ、ええそうよ感謝してよね、と言って二人してじゃれ合いながら自分の家に帰って行った。
その後なんとか手伝いには戻り冒険者の相手をした、食って飲んで騒いでいい日になった。それからは不思議だったが数年が立ちおふくろが倒れ、落ち込んでいた俺にリズが結婚の申し込みをしてきてそれを俺は受け入れて、俺は親父の手伝い、リズはおふくろの看病、病気事態は王国から来た治療者に直してもらった(お金は高額だったが以前から頻繁に通ってくれてた常連の冒険者達の皆さんが折半して出してくれた)が後遺症でもう酒場には立てなくなっていた。
だがリズの献身的な介護と王国から定期にやって来る治療者のお姉さんのお陰で最後の数年はおふくろに取って幸福であったと信じている。
おふくろが亡くなった後は俺達若い者が酒場を引っ張って行った、リズが看板娘に就任して、俺が秘伝の酒のレシピを受け継ぎ、親父は裏に引っ込んで帳簿とにらめっこした。
子宝にも恵まれ成人してから数年で第一子男の子ルクスをもうけ数年は幸せだったが風邪をこじらせて亡くなってしまった俺達は無念の内に落ち込んでいたが、今度は逆に親父が俺達を生きる為に働けと言って酒場を空け、冒険者達も見舞い金として一人一人が僅かだったがいつもよりお金を包んでくれた。
そこにはおふくろを治療してくれた女性も来てくれて、私の信仰が足りずお母さん、子供を亡くしてしまい申し訳ないと言った。俺達夫婦は貴方のせいでは無いですよと言い、また何かありましたら今度こそ救ってみますと力強く言ってくれた、こちらが恐縮してしまいお名前を伺って無い事を思い出し聞いてみたら。
その人は「聖人の末席を担うマルティナです。ここは良い場所です、もっと街道を整備して直に王国から来れる様にしたり治療院も建てたいですね」
俺は名前を聞いて涙が出て来たそうして聞いてみた、貴方は今幸せですか?と
ハイ、この世全てのヒトを救うなんて出来ませんがこの手で救えるヒトは救ってみせます。
マルティナは言う、お子さんが2人の子供に産まれてきたのは意味があるのでしょう、ヒトは一生しか生きれないのですから。
その日は早めに宿を閉めマルティナ様とルクスの為に夫婦共々祈りを捧げた。きっとあの子が天国で幸せに暮らしています様にと。
それから更に数年たったら俺達に双子の子ができマルティナ様がいらっしゃてお祈りと名付け親になってもらった女の子はマルティナ、男の子はクルト。その後の数十年はあっと言う間だった。引退したマルティナ様が治療院を村に作って頂き村も発展していき小規模な町ぐらいになった。
そこには複数の神殿、学校、酒場、ギルド、遊技場等が出来た。
その間に親父が亡くなり、マルティナ様も寿命で亡くなり何時の間にか俺達は町の生き字引の爺さんと婆さんになっていた。そんな中リズが亡くなり俺は紐が切れた様に一気に老けて行って息子や娘達に心配されていた、段々昔の懐かしい話しかしなくなり余計心配された。ある日なんとなくああ今日死ぬんだと悟った。家族を集め最後に皆に特製の肉料理を作り語り合い、さて一眠りと言ってベットに行き満足に亡くなった。
最後は家族に迷惑をかけたが良い人生だったと思って、そうコレが試練ではなかったら。




