痕
「はぁ~」
何でこうなんの?
あたしは今、彼方によって強制的に着替えている。
しかも!
今まで挑戦したことのない、大胆な服。
「何でこんなに・・・」
胸元が大きく開いたデザイン。
あんにゃろ・・・。
「終わった?」
声と同時にカーテンが開いた。
「きゃ~~~~!!!」
「あ、ごめん」
さっと閉められたカーテン。
あたしはもう一度そのカーテンを開ける。
「何すんのバカ!!」
勿論顔だけが出るように。
「おせーから終わったと思ったんだよ」
涼しげな顔で言う彼方。
「さいってー」
む・・・胸はもう見られちゃったけど、まさか・・・。
下半身まで見るか?普通!
あたしは今日履いていたパンツの柄を思い出す。
「好きなの?」
「へ?」
「ミッキー」
はっ!!
み、見られた・・・。
「こんにゃろっ!」
「は・・・?」
あたしは下着姿のまま彼方に飛びついた。
「何すんだよ」
「アンタも脱げ!!」
あたしは彼方のシャツを素早く捲り上げた。
その時。
普通に生きてたら、あるはずのないものに出会った。
「これ・・・」
「・・・」
彼方の白い腕にあったのは、7cmくらいの傷痕。
「っ・・・ごめ、」
「事故」
彼方はあたしの顔をじっと見つめながら言った。
「飛び出したら、こうなった。
大会の日だったのにな・・・」
「・・・」
「バカだな、俺」
「ぅくっ・・・」
うわわわ!!
「何泣いてんの?」
「あたしっ・・・うっ・・・ホントごめっ・・・」
「別に」
そっと優しく頭を撫でてくれた。
あたしはただ、彼方にしがみ付いて泣いた。




