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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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第三十五話

彼の好意は見ていれば分かる気がする。

けど、それもただの興味本意な事なのかもしれない。


だって、同性を好きになるって事はそんなに簡単な事じゃない。


女性のように当たり前に受け入れる場所ではないし、リスクだ

ってある。


気持ちいいのかさえも月島には分からないのだ。

実際やってみても、抱かれる側からは抱く側の事は分からない。


しかも彼女がいるのにも関わらず、男を抱く必要性すら理解出

来なかった。


「祐介くんはどうして僕に構うの?」

「俺は先輩と一緒にいたからです。だから…ちゃんと話をして

 俺の事を好きになって欲しいって…」

「それは無理だよ。僕は君の事をほとんど知らないから…」

「なら、今から知ってください。俺たち付き合っていたんです」

「…」

「だから……」

「嘘……だよね?僕は君みたいな子を好きになるとは思えないん

 だけど?」

「それは……でも、実際に……これ、見てください」


スマホに残っていた写真を見せて来た。

遊園地に行った時の写真だった。

デート中に自撮りで撮ったものもあった。


「悪いけど、信じられないかな…」

「どうしたら信じてくれるんですか?」

「…そうだな〜しばらくここに来ないでくれたら…考えておくよ」


咄嗟に言った言葉に、楠木の表情が曇る。


「それって、会いに来るなって…事ですか?」

「そう聞こえたならそうなのかもしれない…かな」

「どうしてですか!俺が年上の女と歩いていたのが気に入らないん

 ですか?……あっ……」


言うつもりはなかった。

でも、もし記憶がないのなら、自分から暴露するのはあきらかにい

い印象は与えないだろう事は自分でも分かっていた。


「いや、これは……」

「女性と付き合ってるなら…余計にここに来る必要はないよ」

「違うっ…俺が好きなのは……先輩だから」

「僕は…自分だけを好きになってくれる人がいいかな。誰かと比べ

 たり、何人もと一緒にされたくないよ。今すぐに出て行ってくれ

 るかな?」

「蛍先輩……俺は……」


言いかけるが、言葉が出てこなかった。

そして、そのタイミングで水戸が入って来たのだった。


「楠木…なんでここにいるんだ…」

「それは……」

「ちょっと来い」

「俺はまだ先輩と話が……」

「そんな事はいい。あいつに近づくなって言ったよな?」


月島の病室を出ると待合室まで引きずるように歩いて来た。


「なんであんたにそんな事言われなきゃいけなんいんだよ!」

「あいつを傷つけておいて、まだ諦めないつもりか?お前に会って

 なかったら、蛍は事故には遭わなかったんだ。一条先輩をけしか

 けておいて自分に興味を持たせておいて、今度は一条の性格から

 乱暴な行為に出るように仕向けたのも、いいタイミングで助けた

 のも、全部仕組んでいたせいだろう?そこまでしたなんで傷つけ

 たんだよ!」

「それは……そうでもしないと同性に興味を持たないと思ったんだ」

「違うだろ?お前が月島に惚れて貰う為だろ?自分が優位な立場で

 惚れて貰うようにする為にした事だろう?」


確かにそうだ。

水戸の言う通りだった。

普通に告白するよりも効果的で、強く印象づけるのに成功したのだ。



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