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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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水戸side

水戸side


勉強をやっている間は全くの無防備だった。

サラサラな髪に触れてみても、悩んでいるのを横目にじっと眺

めていても何も言わない。


じっくり眺めれば眺めなるほど、さっきの雑誌の女性に似てい

た。

際どい水着を着ていた表紙だったのが印象的だった。


袋綴じでは水着が…。


と書かれていたのでつい、買ってしまった。

細い腰つきを見るとそんなに変わらない気がしてくる。


このまま触れてみても……。


「ちょっとくすぐったいんだけど?」

「あぁ…そうだな。しっかり集中しろよ。どこか分からないの

 か?」

「ここが……たかちゃっ……やめてって〜!もうっ!勉強させ

 たいのか邪魔したいのかどっちなの?」

「集中できるか試してるんだよ」


笑いながら言うと、少しむくれながら反論してくる。


頬に触れるが気にしなくなった。

このまま首筋へと触れていって…そして……。


公共の場ではできないような事を考えてしまう。

きっと蛍が知ったらどう思うのだろう。

夕方までみっちり勉強すると閉館までやってしまった。


横で蛍がぐったりしているの眺めると笑いが込み上げて来た。


「唐揚げでも買ってくか!」

「唐揚げいいね?いく〜」


家から反対方面の図書館からショッピングモールの側を通って

いつものよく買い食いするお肉屋さんへと向かった。


唐揚げを頬張りながら歩いていくと駅の横を通り過ぎた。

すると、蛍が足を止めた。


「どうした?蛍?」

「…どうして………」


眺める先を見つめるとそこには腕を組みながら歩く美男美女の

カップルがみんなの視線を集めていた。


男子の方が見た事のある顔だったからだ。

あきらかに見間違えるはずもない顔……楠木祐介だったからだ。

隣の女性は誰だろう。


あきらかに年上に見える。

腕を組んで歩くほど仲がいいのだろうか?


それよりも、一番心配なのは月島の方だった。

自分の気持ちに気づいて、やっとはっきりさせれると思った矢

先だった。


傷つかないわけがない。

すぐに走りだすと、つられるように水戸もあとを追った。


「けいっ……待って……」


息が上がるとやっと止まった。

そっと寄り添うようにそばにいると何かを決意したような顔つき

になって家まで送っていったのだった。


あの夜、気の利いた事を言ってやれなかったが、ただそばにいる

事しかできなかった。


そして今日は楠木とデートの日だった。

その日は全くLINEにはメッセージは来なかった。


楽しくやっているのだろうか?

しかし、昨日の事を考えるとそうとも思えなかった。

夜も遅くなって勉強の合間に背伸びをするとそろそろ寝ようかと

思った時だった。

電話が鳴った。


蛍からの電話を取ると、蛍の声が震えている気がした。


「もしもし…どうした?」

『ん〜〜〜、なんでもない……勉強してた?』

「あぁ。さっき風呂から出てもう寝ようかと思ってたところだが…」

『そっかぁ〜………』

「何があった?」

『なにもないよ?どうして?』

「声が…震えてるぞ?」

『そっかぁ〜、あれ……おかしいなぁ〜普通に話せてるはずなのに…』

「今、どこにいるんだ?外か?…あいつはどうした?」


バックに入る雑音から外であることがわかる。


『ちょっとふらふらするだけだから…大丈夫だよ〜』

「大丈夫じゃねーだろ?どこにいるんだ?迎えに行こうか?」

『いいよ、ちゃんと帰れるし……あっ……』


カシャン……!ツーツーツー。


落としたのか地面に落ちたっぽい音がして、通話は切れていたのだ

った。


何かあったのかと、掛け直したが全く反応がなかったのだった。

それから朝まで連絡はなかったのだった。


月曜の朝になると、あのあと一睡も眠れなかった。

気になって仕方がなかったのだ。


「おはよ……」

「貴之…月島さんとこのお子さんなんだけど、昨日事故にあって…」

「えっ……!?」


昨日の夜に事故にあったのだと言っていた。

多分あの電話の後くらいだという。

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