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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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第二十五話

日曜日、朝から目が覚めるとどうしても二度寝する気には

なれなかった。


今日は楽しなはずだった楠木とのデートだった。

昨日見てしまった光景が頭から離れない。


「すっごくお似合いだったな〜………」


思いたくないけど、やっぱり顔がいいと見栄えがいいし、映

えるのだった。


腕を組んで歩いている姿はまるでバカップルっぽさをかもし

出していた。

まるで付き合い始めてのようなそんな空気だった。


男同士ではあんなに堂々と腕を絡める事などできない。

人のいないところで唯一手を繋ぐのでも必死で、人の目を常に

気にしなければならなかった。


「やっぱり……終わりにしようっ……」


きっと自分に隠しているのも、楠木だって疲れるに決まっている。

自分から言い出せないのなら、僕から言い出せばいいんだよ。

そうだよね……きっとそれが一番いいんだ。


自分もゲイだと嘘を言ってまで慰めてくれた時には本当に感謝して

いる。

あの時は本当に辛かったから、すぐに立ち直れたのも楠木のおかげ

だったからだ。


気を取り直すと顔を洗って出かける準備をしたのだった。


最後のデートくらい楽しまなきゃ。


家を出ると待ち合わせの場所へと向かった。

そこには先に待っている楠木がいた。


「あれ?時間遅かったっけ?」

「いえ、俺が先に来たんです。先輩今日も可愛いですよ」

「ありがとう!お世辞でも嬉しいよ」

「お世辞って……そんなんじゃ……」

「せっかくのデートだし、どこ行く?」


笑顔を向けられて戸惑わないわけはない。

最近ずっと塞ぎ込んでいた姿ばかり見ていたので、月島が元気に

なったのならそれに越した事はない。


「これ!どうですか?」

「えーー!これってネズミーランドじゃん!」

「そうです!行きませんか?」

「いく〜!」


電車に乗って数分の場所にある。

あるのは知っているが大体が男女のカップルばかりで家族以外とは

行った事がなかった。


「うわぁ〜!あれ行こ!」

「はいはい。先輩の好きなの行きましょ」

「じゃ〜、次はこっちね」

「そうですね〜、そうだ!これつけてくださいよ」


みんなが身につけている耳を取り出した。


黒い猫耳を被せると楠木は嬉しそうに笑った。


「やっぱり蛍先輩にすっごく似合ってます」

「そう?」

「はい。俺の飼い猫にしたいくらいです」

「あはは、今日だけはいいよ?なんでも言ってよ?ボールだって

 取って来ちゃうよ?」

「先輩、それ犬ですって…」


こんな時間が長く続けばいいのに…。

お互いに思う事は同じだっただけに、そのあとの考えがまるで違

っていた。


パレードが始まるとみんなが見入っていた。


「この後、近くのホテル取ってるんです」

「う…うん。」


その意味に気づけないわけはない。

分かった上で了承したのだった。





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