第二十六話
楽しい時間はあっという間に終わって、今は近くのホテルに来ていた。
もちろん泊まるためじゃない。
前にも入ったことのあるラブホテルだった。
時間制でとってあるので、眠る為に入ったわけじゃない事くらい理解
しているつもりだ。
「先輩……ちゃんと言っておきたい事があって……」
「ちょっと待って、汗かいたしシャワー浴びていい?」
「あ…はいっ……」
楠木も今日は緊張している様子だった。
少し時間はかかったが、出てくるとガウンだけを羽織ったまま楠木の
前に戻って来た。
「えーっと……シャワーいく?」
「うん、俺も言ってこようかな…先輩、逃げたりしませんよね?」
「なんで?大丈夫、待ってるよ…」
「はい、すぐに出て来ますね!」
たまに年下だと言うのを忘れそうになる。
いつも大人びていて、達観しているせいで年上な気さえしてしまう。
だが、今日一緒に遊んでいて、やっぱり年相応なのだと実感させられた
のだった。
この先も長い人生、ずっと自分と彼女の間で悩ませるわけにはいかない。
これで最後にしよう。
最後に、せめて……抱かれてみたい。
初めて両思いだと思えた人になら、初めてを渡してもいいと思ったのだっ
た。
ベッドの上に寝転がるとさっき買ってもらった猫耳をつけてみる。
鏡に映った自分を眺めて似合っているのか不思議に思った。
楠木はにあっていると喜んだけど……。
「先輩っ!!」
「えっ…あ、これは……」
すぐに耳を外そうとしたが、止められてしまった。
「すっごく似合ってます。このままでもいいですか?」
「…うん」
「本当にいいんですよね?やめるなら今ですよ?」
何を確認するように言ってくるのだろう。
月島の心は決まっている。
ここで引き下がるつもりはない。
「いいよ。初めてだけど…いいの?」
「はい……嬉しいです、先輩の初めてが俺がすごく嬉しいです」
「うん………よろしく、お願いします………って言うのもおかしいかな?」
「こちらこそ…優しくしますね」
男を抱くのは始めてだった。
もちろん、童貞な楠木なだけに女だって抱いた事はない。
AVは大体が男女なのでやり方は自ずとわかる。
が、男同士となると色々と勝手が違う。
しっかりネットで調べて何度も予習してきた。
だから、今日は………。
ガウンを脱がせると先輩の全部が丸見えだった。
ちゃんと自分のが反応したのをみると第一段階クリアだった。
時間をかけて嬲ると次第に自分が抑えているはずの気持ちが溢れ出して
来たのだった。




