第二十二話
玄関まで行くと、早く〜と急かす。
「まだ〜?」
「ちょっと待ってろって…」
水戸は着替えると鞄を引っ掴むと親に一言いうと月島と一緒に
出かける。
「結局さっきの何か分からなかったな〜」
「そんなに知りたかったのか?」
「別っつに〜」
これは少し拗ねている態度だった。
「そうだ、この先にクレープ屋さん上手いって評判だったよな?
行ってみないか?」
「クレープ?行く〜〜〜!!」
簡単に機嫌が治るから単純でいい。水戸は長年付き合っているの
で月島事が手に取るように分かった。
最近ずっと落ち込んでいたのを知っていただけに、ちょっと心配
だった。
「身体はもういいのか?」
「うん!平気〜」
「寝れてるのか?」
「……大丈夫だよー心配症だな〜」
笑っているが、そうは見えない。
一条に襲われてから、月島の中で何かが変わったのだろうか?
あの日の月島は錯乱していて、水戸から見てもどう対処していい
か分からなかった。
無理矢理破られたであろう服にズボンもベルトは外されかけていた。
震えながら泣き続ける幼馴染みを見た時は心臓が止まるかと思う程
ぎゅっと締め付けられた。
楠木に抱きしめられていたが、水戸を見た瞬間まるで助けを求めて
いる気がした。
手を差しのべるとすぐに自分の方へと抱きついて来た。
咄嗟に楠木をギッと睨んだが、動揺する彼をみて、すぐに思い返した
のだった。
でも、よく考えたらこんな偶然ありえないだろう
誰かが仕組まない限り、無理な気がした。
それに、水戸に電話してきた時も月島のスマホからだった。
ロックを解除しないとかけれないはずで、月島は教えた覚えはないと
言う。
「蛍、まだ楠木に抱かれたいって思ってるのか?」
「ん?どうしてそんな事言うの?この気持ちを気づかせてくれたのは
たかちゃんでしょ?」
確かにそうだった。
楠木にはできて、他の人とはできなかったのを身を持って教えてくれ
たのだ。
キス一つとっても、やっぱり気持ちのない人とはできなかった。
心の問題と言っていたが、やっぱりそれが真実なのだろう。
「もし……もし、あの時慰めたのが、楠木じゃなかったら…何か変わ
ってたのか?」
「それは………ないと思う。偶然かもしれないけど…僕はあの言葉や
態度に救われたんだ。だから……」
「そっか…、ならいいよ。応援してる」
「ありがとう。やっぱりクレープ美味しいよね〜、今度はどこ行く?」
「図書館」
「えっ……なんで?」
「勉強するか!」
そう言って勉強道具一色が詰まった鞄を見せたのだった。
嫌な顔を見せる月島の肩に腕を回すと抱き寄せた。
いつもの事だから嫌がりもしない。
なのに、あの時キスしようとした時だけは極端に拒まれてしまった。
水戸は自分がノーマルだと自覚していただけに、ちょぴり動揺して
しまっていた。
ベッドの下に隠したエロ本はそれを確かめるもの。
月島似の女優さんの水着で抜けるかどうかを試して見たかったのだ
った。




