第十九話
どうしてだろう、やっぱり身体が重い気がする。
最近しっかり眠れていなかったせいだろうか?
不眠症?いや、そうじゃない…今でもあの時の夢を見てすぐに
起きてしまっていたのだった。
「ちゃんと寝れてるのか?」
「……」
「ほら、横になってていいから。これ授業のノートな」
「たかちゃん、ありがとう」
「気にすんな。楠木とは話せたのか?」
「………」
沈黙から読み取ったのか、頭を撫でるとそれ以上は言わなかっ
た。
気を使ってくれたのだろう。
「まぁ、気落ちすんなよ。」
「うん…」
「もう熱は下がってそうだな?」
額を触ると少し悩みながら自分の額wそっと当てた。
「たかちゃん近いって…」
「別にやましい事考えてないんだから平気だろ?それともそう
いう事して欲しかったか?」
「うんん、それは………」
悩んでいると何かを察したのか、手首をガシッと掴むとベッド
へと押し倒されていた。
「たかちゃん…?」
「こういう事されたかった?」
「何言ってるの?僕は別に……」
「そっか、俺は蛍が求めてくれるならこうなってもいいよ?」
「なに……言って……」
目の前に近づく顔に顔が熱くなった。
どうして?
ただの幼馴染みだったのに?
どうして…今なの?
慌てる間に唇がすぐそこまで来ていた。
顔を背けると目をぎゅっと瞑った。
「ばーか!冗談だよ」
バチッと顔を叩かれると急に全身の力が抜けたのだった。
「お前嫌がりすぎ…」
「えっ…別にそういう訳じゃ……」
「でも、咄嗟に逃げてたじゃん?震えてたの自分でも分かって
ただろ?」
「それは………」
「だったら、自分の気持ちもわかるだろ?」
水戸の言っている事を噛み締めるとやっと理解したのだった。
確かにぐるぐると悩んでいたことでもあった。
初めてのキスは一条とした。
それも無理矢理奪われる形だったが、それでも初めてが最悪な形
だった。
2回目は楠木とだった。
優しいけど荒々しく、負けじと合わせるので必死だった。
自分はこんな簡単に受け入れるのかと少しショックだった。
でも、誰でもよかったわけじゃなかったのだ。
さっき水戸にキスされそうと思った瞬間なぜかゾワッとして顔を
背けてしまっていた。
あんに長い時間一緒にいて、家族同然の水戸なのにだ。
「やっぱり僕……楠木くんの事好きなのかもしれない」
「だろうな。あいつの事はちょっと怪しいが、それでも蛍を見る目
どうにも本気なんだよな〜」
「でも、お試しで付き合おうって言ってたけど…」
「もうあいつの中でお試しなんて想ってないんじゃないか?そして
蛍も…だろ?」
「うん」
はっきりした自分の気持ちを学校に行ったら伝えよう。
だってこれが本当に恋なのだとしたら、すっごく素敵な事なのだから。




