楠木side
楠木side
床に倒れ込んだまま、動かない月島を見つけると、さっきまでの
浮かれていた気持ちが一気に失せたのだった。
「先輩!」
慌てるように駆け寄ると抱き上げてベッドの上に運んだ。
額に触れると酷い熱だった。
体調が悪いのに、こんなところに来たのか?
なんでこんな風にできるのだろう?
「本当に貴方と言う人は………自己管理もできないなんて」
違う…自己管理もさせないくらいに、彼を追い込んだのは自分だ
った。
楠木無しでは生きていけないように…そう依存させるように仕向
けてきたのではないか?
タオルを濡らしてくると額に乗せた。
こんな状態の彼を抱く気にはなれない。
一緒に横になると布団の中に入る。
せっかくこんな場所なのだから一回くらいはしたかったと思いな
がらも、今無理をさせてはいけないという理性もしっかり働いた
のだった。
「ンッ………」
「蛍先輩……わかりますか?」
「楠木……くん?」
「そうです、ここがどこかわかってますか?」
「ここ……?」
ハッと思い出すように起き上がると自分のガウン姿に中は全裸で
ある事を思い出したようだった。
「あっ……僕どうして寝てたんだろ………ごめん……あのっ……」
「もう、いいです。今日はこのまま少し休んで帰りましょ」
「でも…な、なにしても……いいから……だからっ…」
「まだそれを言うんですか?さっきまで倒れてたんですよ?わか
ってます?」
呆れたように言うと、落ち込むと視線を伏せた。
もう、これだから無自覚なのは辛いなぁ〜。
「ほらっ、こっち向いて?」
「楠木くん?」
「名前で呼んで?」
「…………ゆ……祐介くん」
「はい、蛍先輩。口開けて。」
言われた通りにする月島に満足そうにキスを交わしたのだった。
長い長いキスの後に額にもちゅっと音をたててキスをする。
「今日はこれで許してあげます。ですが、今度はあなたを抱き
ますからね!」
「あ……はい……///////」
真っ赤になるところは本当に腰にクる。
この人はどれだけ誘惑すれば気が済むのだろう。
こんなに好きになってしまって、自分は一体どうしたらいいの
だろうか。
「明日はこんな状態で学校に来ないでくださいね。しっかり休
んで元気になってから来てくださいね」
「うん……ごめん……」
「謝って貰わなくても結構ですよ。一眠りしたら帰りますよ」
こくりと頷くと上目遣いにちらりと見上げて来た。
楠木はそれに応えるように一緒の布団に潜り込むと抱き寄せて
いた。
「お試しじゃないです……俺は最初から本気で付き合うつもり
でいたんですよ」
「うん……」
「俺は昔貴方に会って、高校に入ってからずっと探していたん
です…」
「…」
「ずっと、あなただけを想っていたんですよ…信じてくれないか
もしれないけど…貴方の事がずっと好きだったんです。誰にも
渡したくないくらいに…」
すぅ〜という寝息が聞こえてくると、少し残念な気分になった。
きっと聞こえていないのだろう。
それも仕方ない。
でも、いつかはあなたを夢中にさせるんだと心に誓ったのだった。




