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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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第十七話

どうしたら前のように接してくれるのだろう。

一条に振られてからと言うもの、毎日が楽しかった。

それは楠木がいたからに他ならない。


それに気づいてから、お試しと言っていたのに、これが本当の

恋人だったらいいのにと思ってしまうようになっていたのだ。


だからこそ、別れたくない。

自分の過ちで傷つけてしまったのなら謝りたい。

もし、別れようと言われるのなら別れる覚悟を決めて来たのだ。


だけど、もしそのまま続けれるのなら……

何をしても、一緒にいたい。


それがどんな代償であっても。


「別れたくない………僕と………お試しじゃなくて、本当に付き

 合って欲しいって思ってるんだ……」

「なら、今すぐシャワー浴びて来て………何を言ってる分かる?

 覚悟はある?」

「………わかった」


言いたい事はなんとなく分かる。

まだ、どうしたらいいかは不安ではあるけど、嫌われてないの

ならなんだってやると決意したはずなのだ。


拳を握りしめると立ち上がると風呂場へと向かったのだった。

スマホでやり方を検索すると意外に色々と出て来た。


真っ赤なりながら見つめると、勇気を出してやり方を真似した

のだった。


時間はかかったが風呂から出てくると、ベッドにも入り口にも

楠木の姿は見えなかった。


愕然としてその場に座り込むと泣き出していた。


「うぅっ…………どうして………」


最近はずっと不安だったせいもあってか眠れてもいなかった。

そのせいで色々と感情が不安定になっているのもあった。


疲れ切った精神によけいに負荷がかかったせいだろうか?

座り込むと力が抜けていく…ただもう起きているのが限界なの

か、そのまま眠るように床に倒れ込んでいたのだった。


少し機嫌の良くなった楠木が部屋のドアを開けて帰って来たの

だった。

もし、これで先輩は逃げているようなら……。


もし待っていたら、ちゃんと自分の気持ちを伝えてみようと思

っていたのだった。


それは床に倒れ込んで動かなくなっている月島を見るまではの

話だった。


「月島先輩!……ちょっと、冗談でしょ?わざとやってます?」


最初はそう思ったが、そうではないらしい。

酷い熱で身体が火照っているのが分かる。

きっと無理していたのだろう。


それでもガウンの下は何も着ていなかった。

言われた通りにしたのだろう。

が、もし本当にヤっていたら…きっと途中で倒れていたに違い

なかった。


「貴方と言う人は…まったく………」


そう言うと、抱き上げてベッドに寝かせたのだった。

髪をかきあげるとタオルを濡らして額を冷やしてやる。


眠った相手を犯すほど鬼畜にはなれなかったのだった。


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