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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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第十六話

部屋に入ると、お互い沈黙が走った。


どっちからともなく言葉が出ない。

何かを話さなければならないのに、ここまで来て言葉が出てこな

かった。


「先輩、覚悟はできてるんですか?」

「あ……えっと……」

「ここは何をする場所かってわかって来てます?」

「…う、うん……」

「だったら、そういうことしましょ?」

「うえっ……!」


いきなり引っ張られてよろけるとそのまま近くにあったキングサ

イズのベッドの上へと転がったのだった。

上から覆い被さるように楠木が乗ってくると自然と緊張して身を

硬くする。


「怖いですか?」

「そんな事は……」

「ないって言い切れますか?今から俺に何をされるかわかってて

 言ってます?」

「なにって……」

「ここでは助けなんて来ないんです。最後までやめてあげられな

 いってわかって来たんですよね?男に股開いて、キレるかって

 ほど尻の穴穿られて……きっと泣いても止めてやれないんです

 よ?」

「…」


ゴクリと息を呑む。

楠木の言い方には少し大袈裟に言っているようにも聞こえるが、そ

れでも、ここで引くつもりはなかった。


「いいよ………僕初めてだけど……楠木くんを傷つけたのなら謝るつ

 もりだったんだ……」

「泣いても知りませんよ?」

「うん……」


ゆっくりと楠木の顔が近づくと唇に温かいものが当たる。

少し口を開くとそこから楠木の舌が月島の中に入って来ていた。


一条の時とは全く違っていて、無理矢理こじ開けて暴れるような事

はしなかった。


ゆっくりと舌を絡めると歯を伝うように中を探っていく。


息が苦しくなるほど吸われると中で唾液が移動する。

鼻にかかる声が漏れていく。

右手も、左手も絡むようにしっかり繋がるとどこにも行けない。


しっかり捕まったままされる事にただ受け身でいたのだった。


唇が離れると唾液が糸を引くように伝っていく。


「本当に無防備ですね?…俺が無理矢理ヤったらどうするつもりだ

 ったんですか?」

「そんな事……しないってわかってるから……」

「貴方は…………はぁ〜、もういいです。」


ベッドから降りると横の椅子に座った。


「話がしたかったんでしょ?」


ぶっきらぼうに言われると月島も起き上がると服を整えた。


「う…うん……」

「なんですか?」

「えっと…あの日助けてくれてありがとう……それと、ごめんなさい」

「それは何に対して謝ってるんです?これから別れる事に対してだっ

 たら俺はここで貴方を犯してでも自分のものにしますよ?」

「……!犯してって………」

「言葉のままの意味ですよ」

「どうしてそこまで僕にこだわるの?君はゲイじゃないでしょ?」


最初から気になっていた事ではあった。


「それって今、関係ありますか?」

「いや、ないけど…気になって……嘘っぽく思えるかもしれないけど

 僕も楠木くんの事好きだから……だからあの時、一瞬拒んじゃった

 んだ………これ以上君に…かっこ悪い所を見られたくなかったんだ

 ……幻滅されたくなかったんだ………だから……」

「一条先輩ともキスしました?」


これはあの時見ていないと言えない事でもあった。

が、ここで嘘を言うのは簡単だった。

でも、好きだから、大事だから素直に言いたかった。


「うん………無理矢理だったけど、でも…あの時は気持ち悪くて……

 キスってあんなものじゃないって思って……」

「憧れの一条先輩とキスできたのに?」

「違う……今はそんな事思ってない!今は楠木くんのが………」

「そうですか……」


冷たく感じる返事に、何を言ってももう終わりなのだと感じたのだ

った。



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