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たとえ今、好かれなくても…  作者: 秋元智也
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第十三話

その日の帰りにはいつも来ていたはずの楠木が顔を見せる事はなか

ったのだった。


「大丈夫か?」


破れたシャツの替えを借りると下校には水戸が付き合ってくれて

いた。


「たかちゃん…部活はいいの?」

「そんな事心配すんなよ…、友人の方が大事に決まってるだろ?」

「…うん、ありがと」


元気のない月島を思って送って来たが、楠木の様子も気になって

いたのだった。


自分より早く見つけてくれたのはいいのだが、どうにも感じが違

う気がする。


何をされたのか見ていたのだろうか?

いや、それなら尚更月島のそばから離れようとするはずはない。


月島とは面識もないはずなのに、あそこまで執着する意味がわか

らないと言うのもあったが、それ以上に何かを隠している気がし

たのだった。


「なぁ〜ちょっといいか?楠木の電話番号教えてもらってもいい

 か?」

「楠木くんの?」

「あぁ、蛍が居なくなった時に電話して来たんだが、蛍の電話で

 かけて来たからさ〜」

「僕の?あれ…でもロックかけてあったはずだけど…」

「あいつには教えてないのか?」

「…う…うん、教えた覚えないけど…見てた時に覚えたのかな?」


咄嗟にかけて来れると言う事は確実に見知っていると言う事だっ

た。


「やっぱり直接聞きたい事ができたから教えて」

「うーん、でも勝手に教えていいのかな?」

「だったら、俺の番号を教えてかけてくれるように言ってくれる

 か?」

「何を言うの?さっきの事だったら、僕が悪いんだからね……一

 人で出て行ったのは僕なんだし…」

「別に責めるつもりはないよ、ただ教えて貰ったからすぐに動け

 たわけだしな。御礼も含めて色々話しておきたかったんだよ」


何か少し不安ではあったが、納得させると月島はLINEにメッセー

ジを送ったのだった。


すぐに帰って来たのを見ると水戸にも見せたのだった。


「オッケー。じゃ〜またなっ!」

「うん。送ってくれてありがと」

「もし、あれなら明日も休んでも……」

「大丈夫だよ。そんなに心配しないで…」


無理矢理笑みを作ると、笑って見せたがすぐに両手で頬を摘まれ

た。


「ふゃにするひょ?」

「無理に笑わなくてもいい…俺の前で無理すんなっ!」

「…」

「さぁ、家に入れって」

「うん」


水戸には全部お見通しだったらしい。

少しでも心配させないようにと思っての事だったが、逆に訂正さ

れてしまったのだった。


「やっぱり…たかちゃんを好きになってたら…また違ってたのか

 な〜」


全く幼馴染みにはそう言う気持ちにはなれなかったが、いっそそ

う言う気持ちになっていたのなら、どうなっていたのだろう。


気持ちに応えてくれていたのだろうか?

それとも、決別していたのだろうか?


どっちにしろ他人事だったから今のような関係で要られたのかも

しれない。

そう思うだけで少し気分が落ち込む。


やっぱり同性を好きになるのにはリスクが多すぎる気がする。

きっと、帰りに姿を見せなかった楠木もそうなのかもしれない。


お試しに付き合ってみようとは言ったが、実際に見たら無理だと

思ってしまったのか、それとも…一条とのキスしたのが許せなか

ったのか…


それとも、それ以上をしたと思ってしまったのか……。


どっちにしろ、もう終わりなのだと思う。

きっと次にあった時に言われるのだろう。

だったらこっちからちゃんと話をすべきだと思う。

しっかり振られる為に、そうなった時に笑顔でお別れできるように。

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