一条side
一条side
散々気持ちよくなると、玄関で誰かが入ってくる音がした。
「ヤバっ!今日親早かったんだった!」
「マジかよ!俺風呂入りたいんだけど?」
「もういいじゃん、早く服着てよ!」
「おいおい、ちょっと待てって!」
2階に上がってくる足音に余計に慌てる。
「響、ちょっとここに入ってて。私が降りたら窓から出てって!
後で玄関い靴投るから」
「おい、マジかよっ!」
いい終わる前にクローゼットの中に押し込まれるよガチャッと
ドアが開いた。
「誰かいるのか?」
「さっきまで友達がいたんだけど…えへへ」
「そうか…もうすぐご飯だぞ。今日は母さんもすぐに帰ってくる
そうだから外にでも行くか?」
「あ、それいいわね。ならちょっとシャワー浴びてこよっかな〜」
「分かった言って来なさい。下で待ってるよ」
「はーい」
父親が出ていくとすぐにクローゼットを開けた。
「早く出て!」
「マジで窓からでるのか?」
「当たり前でしょ?こんなところ見せれるわけないじゃん!2階く
らい平気でしょ?」
「まったく、今度来る時はしっかりしとけよ!」
「あんたに今度はないわ!下手くそ」
「なっ……」
窓を開けると出て行けと指差した。
部屋から出ていくと玄関にあった靴を外へと放り投げた。
それからシャワーを浴びると母親の帰りを待ったのだった。
響にしたら冗談じゃない。
来てやったのに、こんな扱いを受けるなんて…。
「自分から誘ってたくせに…あの尻軽が……」
イライラしながら荷物を思い出すと、2階の窓からボフッと落ちて
来たのだった。
玄関へと回ると自分に靴が転がっていた。
本当に放り投げたらしい。
靴を履くと門から出ていく。
出て少し歩いていくと、ちょうど年増の女性とすれ違った。
その女性はさっき出て来た家に入って行った。
響の家にはまだ両親は帰って来ていない。
ほとんど家にいつかない母親に、どこかで浮気ばかりしている父親。
家でも浮気相手と堂々と話しているあたり、もう家庭としては終わ
っていると言えるだろう。
そんな家庭に育って、まともに恋愛なんてできるはずもなかった。
女は抱ければそれでいい。
使える者はなんだって使い倒せばいい。
要らなくなったら捨てればいい。
そんな考えだったから、純粋に好きだと言われたのを信じられな
かったのだ。
「あいつもいいように俺を使いたいだけだろ?」
どいつも、こいつもそんな奴ばっかりだった。
昼放課になっても、いつもの月島の姿は見なくなった。
「ひ、び、き、くーん!」
「あぁ、杏奈か?どうした?」
「一人?いつもの子は?」
「あぁ、今日は来るなって言ったんだよ。邪魔だろ?」
「ふ〜ん、そっか……杏奈と一緒がいい?」
「あぁ、勿論だよ」
「そっかぁ〜嬉しい〜〜〜」
抱きつく浅黒いギャルを抱きしめながら昼を買っておけばよか
ったと後悔した。
次の日も、全く来る気配はなかった。
「あいつなんで来ないんだよ…」
いくらモノに当たってもしたがなかった。
スマホを取ると電話をかけてみる。
いくら鳴らしても全く出ない。
いつもなら一回鳴るとすぐに出てはずだった。
本当に嫌いになったのか?
たったあれだけの事で?
そんなわけないだろ?
まだ何もやってねーし…それに向こうだって抱かれたいなら、諦
めるなよ。
泣くほどだったのなら、こんな簡単に諦めるとは思えなかった
のだ。




