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沈んだ船の後継者  作者: ライブイ
1章 目覚めの島
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10話 新しいジョブ

二人から話を聞いたアレットは、ダンジョンに潜ってみることにした。聞いた限りがと一般的ではない……どころかダンジョンとしては異端中の異端のようだが、外界とは隔絶された空間や謎の男性というものにとても興味がわいた。


 しかしその前に、やっておいたほうがいいことがあることに気が付いた。


「…あんなに強いのに、錬金術も使えるんだ。本当に助かる」

「いえいえ、当面一緒にいることになったんですから、これくらいは普通ですよ」

「ううん、モアナのいうとおりだよ、ありがとうね。でも敬語は止めてほしいな」

「……気を付けます」



 三人で話し合った後、アレットも二人同じ家(洞窟)に住むことにした。二人にダンジョンを案内してもらうし、場合によっては島を出た後もしばらく行動を共にするかもしれない。ならば今から同じ場所で寝泊まりしてもいいだろう。信頼は行動から生まれるというし、今ではもうお互いにお互いを害すると思っていない。


 それにあたり、アレットは自分が得意とする錬金術で家を改造した。家の壁や家具などの壊れかけているものを修理し、島で取れた肉や魚、果物などを保管している倉庫に水属性の派生である氷の性質を錬金術で付与し冷蔵庫のように作り替えた。


 そして最も二人に喜ばれたことは、家の一角にジョブチェンジ部屋を作ったことだった。


「アレット君、本当にありがとう!ジョブチェンジできなくて本当に行き詰ってたの!これで次のジョブにつけるよ!」

「…おかげで強くなれる」


 モアナとソフィアは、島の魔物やダンジョン最奥にいる男との戦いで今のジョブはカンストしていたが、次のジョブには着けていなかったのだ。

 ジョブチェンジはジョブチェンジ部屋でなければできず、ジョブチェンジ部屋は密閉された空間と特殊な処理がされた鉱物が必要なのだ。どちらも専門の知識と錬金術スキルレベル3もあれば作れるものであるが、二人は錬金術スキルを持っていないのだ。

 

 ジョブチェンジ部屋は人間社会であれば至る所にある。街であれば冒険者ギルドや役所、村にも【農家】や【水夫】などのジョブに着くために、いたるところに存在する。

 そのためモアナとソフィアも、自分でジョブチェンジ部屋を作るために錬金術スキルを覚えようとは考えていなかったのだ。


 しかし人間社会から逃げるように離れたため、この島に来てから一度のジョブチェンジはしていない。そのため新たなジョブに着けていない、すなわちジョブのレベルを上げ能力値上げたり、新たしいスキル補正を得ることができなかったのだ。


 そんな重大な問題を解決してくれたのだから、二人は飛び上がらんばかりに喜んでいるのだ。


「俺にもその気持ちは分かりま……分かるよ。レベルはカンストしているのに、新しいジョブに着けないのは歯がゆいからな」


 そしてそんな二人にアレットは惜しみなく錬金術の腕を振るった。いつまでか分からないが、これから当面は一緒にいるのだから、自分の腕を振るうことに抵抗はなかった。

 

錬金術で家を住みやすく改造した後は、ダンジョンに行く前に本格的に島を調査しておくことにした。

加護と同時に手に入れた他者のステータスから周囲の地形まで表示できるユニークスキルの【知恵の書】を用いて、島を調べた。その結果、この島の魔物や獣の分布に地形などを纏め、今まで二人が感覚で行っていた狩猟や採集をより効率的にした。他にも、魔物や植物などの島にある資源から船を創れないかと調べ、島に生えている木を加工し船と筏の中間の様なものは作ることに成功した。


そうこうしているうちに、ダンジョンに行く前の準備程度のはずが、気が付くと一月ほどだっていた。





「【魔力開放】【風刃連】【風圧】どうだ!」

「【百連連射】もっと打ってきていいですよ!モアナ!今のうちに!」

「…分かってる。【影抜け】……ていやっ!」


 そしてこの日は、二人が新しいジョブに着いたことによる成果を確認していた。

 今ついているジョブが100レベルになると、専用のマジックアイテムでジョブチェンジすることができる。そのジョブを再び100レベルまで上げ、再びジョブチェンジする。これを繰り返すことで人間は強くなるのだ。加えて、本来スキルはそれに応じた経験から習得するのだが、新しいジョブに着くことでそのスキルに新しい補正がかかり、ジョブチェンジと同時にスキルを入手することがある。


 二人は場合は今までついていたジョブの延長として、それぞれモアナは【格闘家】に、ソフィアは【大魔術師】に着いた。


 【格闘家】は【格闘士】の上位ジョブであり、格闘術スキルや能力値に大幅な、【忍び足】や【気配感知】などのスキルに少し補正がかかるジョブ。【大魔術師】は【魔術師】の上位ジョブであり、魔術に関する全てのスキルと魔力と知力に大幅な補正がかかるジョブだ。


 前提として【魔術師】ジョブに着いたから魔術が使えるのではなく、魔術が使えるから【魔術師】ジョブに着ける。しかし例外的に魔術の修行をしているものは魔術スキルを有していなくても【見習い魔術師】に着くことはできるのだ。

 そして【見習い魔術師】に着き魔術に補正がかかり、魔術を習得して【魔術師】に着くという。


同じように新しいジョブに着いたことで手に入れたスキルは、今までの自分が身に着けているスキルの延長線上や何らかの形で関係するものだ。それゆえに入手してすぐに使い方が分かるものが多い。


 しかしそうはいってもダンジョンのような命の危険がある場所に行くのに不安要素を残すわけにはいかないので、こうして新しく手に入れたスキルを検証しているのだ。





そうしてさらに一月後、ようやくダンジョンに潜る日になった。





・名前:モアナ

・種族:猫系獣人種

・年齢:8歳

・称号:無し

・ジョブ:格闘家

・レベル:0

・ジョブ履歴: 見習い戦士、戦士、格闘士、魔術師

・能力値

生命力:759(175UP)

魔力 : 214(19UP)

力  : 422(97UP)

敏捷 : 603(139UP)

体力 :503(116UP)

知力 :141(13UP)


・パッシブスキル

気配感知:5Lv(1UP)

治癒力強化:2Lv

直観:1Lv(NEW)

無手時攻撃力増加:1Lv(NEW)

非金属鎧装備時敏駿増加:1Lv(NEW)


・アクティブスキル

格闘術:6Lv(1UP)

限界突破:5Lv

無属性魔術:4Lv

土属性魔術:1Lv

魔術制御:5Lv

家事:2Lv

筋力増強:1Lv

忍び足:1Lv(NEW)


・名前:ソフィア

・種族:エルフ

・年齢:8歳

・称号:無し

・ジョブ: 大魔術師

・レベル:0

・ジョブ履歴:見習い魔術師、魔術師、風属性魔術師、火属性魔術師

・能力値

生命力:312(28UP)

魔力 : 892(297UP)

力  : 137(12UP)

敏捷 : 290(26UP)

体力 :205(20UP)

知力 :492(164UP)


・パッシブスキル

魔力自動回復:5Lv(1UP)

魔術力強化:5Lv(1UP)

魔術耐性:1Lv

魔力回復速度上昇:1Lv(NEW)

魔力増強:1Lv(NEW)

杖装備時魔術力強化:1Lv(NEW)


・アクティブスキル

無属性魔術:2Lv(1UP)

風属性魔術:6Lv(1UP)

火属性魔術:4Lv(1UP)

魔術制御:6Lv(1UP)

限界突破:2Lv(1UP)

魔力解放:1Lv(NEW)





次回こそ日曜日のうちに投稿できるはず。たぶん。

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