いわゆる動物ギャクタイですかい?いやいやいや違うだろと思うのだが
僕らは昇降口で靴に。
体育館脇まで校庭の端歩く。
「何をしてるんですか!」
あ、馬場教師の怒鳴り声だ。
マサキチくん盗撮で捕まった?
あ、職員室の窓から外に乗り出して、馬場ァ先生が怒鳴った相手は、ラケット持ってるうちの姉ちゃんだ。
姉ちゃんが馬場教師にペコペコしてる。
何をしたんだ何を。
聞くと姉ちゃん、機嫌悪くなるから永遠の謎になるな。
とにかく、同じ身内、姉ちゃんでマサキチくんじゃあなくって良かった。
で、朝礼台んとこで、僕もコマッちゃんもカメラ持って来るの忘れたのに気付いたさ。
姉ちゃん達横目に朝礼台に座るコマッちゃん、んで、大きくため息。
「……担任さんいて良かった」
さっきの事かい。
ミャー。
ん?
三毛子さん?旦那?
三毛子さんだ。
今日は一匹なんだな。
三毛子さんは学校に住み着く猫だ。
わんわと同じく、じぃさん教師が保健所やら動物病院やら回って学校で飼えるようにした猫。
今は担任先生が飼育園と一緒に引き継いだみたいだけど。
トットットって近付いてくる。
朝礼台から飛び降りてコマッちゃんが捕まえ、抱き上げた。
「これで、いいな。モデル。この間は鳥撮ったし。
でもハッシーと被るか……いいな」
はぁ?
飼育園行かないのか?
「行かんの?」
「あぁ、カメラ持って、また来るのめんどいし、三毛子さんなら部室で撮れるし、窓開ければ勝手に帰ってくれるし、動物だし」
そりゃそうだ。
戻るべ。
三毛子さんは比べると小さめな三毛猫。
特徴は、おでこんとこの白い地毛に黒い丸こい形に毛があって、その上に下向きのほっそい三日月形の茶色の毛があるとこ。
うん、音楽のフェルマータ形。
他は白い毛に黒い毛と茶色い毛の尻尾の長い猫。
コマッちゃんの腕の中でも動かないんで、寝てるか?
昇降口の下駄箱で上履きに。
ずんずん歩いて多目的教室……部室に戻っても、アッくんは来てなかったぁ。
おんなじ会議に出てたはずの生徒会長はさっきテニスラケット抱えて馬場先生に謝ってたの見たぞ。
アッくんなんか役を押し付けられたな。
アッくん、人が良いからな、僕と似て。
コマッちゃんが、前の教卓の上に備品のタオルを広げて三毛子さんを座らせる。
コマッちゃんは持ち運びカバン開けてフィルムの一眼レフを出す。
んで、三毛子さんを連写。
フラッシュフラッシュフラッシュ……。
「やばいフィルムいれ忘れた」
コマッちゃんもたまにはあるんだね。
僕も撮ろう。
デジタルコンパクトカメラだけど。
あ、暗いよね。
暗幕開けて……?
何?
サッカー部のボールか?
何か飛んで来る?
思わず開けたら鳥が飛び込んだ!
鷲?鷹?鳶?
あわててうっかり窓閉めたら真っ暗なんすけど外??
ガラスの向こうが黒いと鏡みたいに良く映る!
女子の制服きた女の子がキッツい顔で見返してきた。
後ろで……。
黒鏡ん中で、鳥がコマッちゃんの左に肩にとまった!
「うあッ!」
カメラが教卓の上にゴト。
鳥に三毛子さんが飛びかかった?
三毛子さんがコマッちゃんの頭に飛びかかったんだ!?
でェー!
ナンじゃそれ!
コマッちゃんの頭が、コマッちゃんの頭が、サイズそのままで、三毛子さんの頭になってる!?
コマッちゃんの左肩には何かさっきよりもでかくなった鷹みたいなのがっちりとまってるし!
右手に持ってる長い……槍だよあれ!
穂先が尖ってますよあれ!




