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メフィストとの戦い

ミントの火魔法がメフィストを直撃した。


「ハアッ!」


メフィストは両の腕を大きく広げて叫ぶ!


魔力を放出したのだろうか?


ミントの放ったファイヤーバーストの炎は霧散した。


メフィストは黒い翼をを広げて飛び上がる。


「あなた方! 五月蝿いですね!」


翼から煙のような黒いナニカが吹き出されてきた。



それを見てバランサーが叫ぶ!


「瘴気です! 吸い込んではいけません! 一息でも吸い込めば臓腑を腐らせますよ!」


俺達は慌てて口を抑える。



「フハハハハハ! いつまで息を止めてられますかねぇ!」



メフィスト醜く顔を歪ませる。



徐々に黒い瘴気が俺達に迫ってきた。


ロンベールが大地を叩く!


「いでよ! 夜刀神(ヤトガミ)!」



魔法陣が現れ、巨大なドラゴン。夜刀神が現れる。



《ガオオオオオッ!》



大きな唸り声を上げて夜刀神は空に飛び上がった。


「皆さん! 飛び退いて!」


ロンベールの声を聞き俺達は慌てて飛び退く。


夜刀神のアレが来るのだ!


「ダウンバースト!!」



嵐のような風が巻き起こり、メフィストは地に叩き付けられた。


その強烈な風で瘴気も霧散していく。


「ぐううう!」


メフィストは唸り声を上げながら体を起こした。



その姿を見つめる俺の視界の隅に黒い光が通り抜けていく。



黒曜騎士団隊長であるジャスパーが、両手に(いかずち)を纏わせ飛び出していった。


ジャスパーは拳を堅く握りしめ、メフィストに振りかぶる。


「もらった!」


「私を嘗めないでください!」


メフィストの掌から黒い刀身が現れジャスパーに襲いかかる!


「やらせるか!」


俺とジェードは掌をメフィストに向けて金縛りを発動した。


「ぐう!? 体が?」


たった1秒のタイムラグ。


だが、拳が届く距離の1秒となれば、効果は絶大だ。


「カンナカムイ!!」


ジャスパーの雷を帯びた拳が、メフィストに深々と突き刺さる。



「もう1発だっ!」



カンナカムイの連続攻撃がメフィストの腹に叩き込まれた。



「ぐはぁっ!!」


メフィストは堪らず呻き声を上げる。


一斉攻撃でメフィストは息も絶え絶えになる。


身体中にヒビが入り今にも崩れ落ちそうに感じた。


「穿て!ウンディーネ!」


ジャスパーの後方からミネヴァの水魔法が発射され、メフィストを貫いた。


メフィストは崩れ落ち……あれ?


「……貴様らは私を本気で怒らせたようだな」



今までの黒い姿は外郭だったのだろうか。


中から現れたソレは六枚の羽を持ち、威圧感が今までとまるで違っていた。


「鎧が壊れたって事だろう! 俺がもう1発ぶちこんでやる!」


ジャスパーは再び雷を拳に纏わせ飛び込む!


「カンナカムイ!!」


ジャスパーの拳がメフィストの頬を捉える!


バチバチという炸裂音が響き渡った。


……が、メフィストは微動だにしない。


そして掌から鎌が現れた。


悪魔の持つ巨大な鎌だ。


ぐるりとジャスパーの方に顔を向け、ニタァと薄気味悪い笑いを浮かべる。


「まずは貴方からですね」


メフィストは音もなく鎌を振るい、ジャスパーの胴を真っ二つに切り裂いたのだ。


即座にジェードが叫ぶ!


「誰か! 時間稼ぎを頼む!」



「「「おうっ!」」」



ジェードの願いに、ブラッド、ガーネット、ロンベールの三人が反応した。



「久々の三人だな!」


「連係覚えていますか?」


「あいよっ!」


3人が先に飛び出し、少し遅れてジェードが飛び出していく。


「クラック!」


ブラッドがトンッと地を蹴ると、大きく隆起した大地がメフィストを襲う。


「また同じ攻撃ですか?」


メフィストは掌を翳し、魔力の波動で大地の動きを止めた。



《ガオオオオオッ!》


波の更に上、真上から夜刀神が突撃してくる。


メフィストは大鎌を振るおうと視線を上げた。


その瞬間、波の影から飛び出す姿がある。


ガーネットだ!


「隙だらけだぜ!」



ガーネットは火花が散る程の激しい剣戟を繰り出していく。


「フハハ! 隙をついてこの程度ですか!?」



メフィストはガーネットの剣を鎌で捌きながら右手を上空に翳す。


「嘆きの障壁!」


メフィストの右手から円形の魔法陣が現れた。



《グオオオッ!》


夜刀神が牙を剥いて上空から突っ込んでくる。



しかし夜刀神の攻撃は嘆きの障壁に阻まれてそれ以上は進めなかったのだ。


だが、それすら構わぬとばかりに夜刀神は羽ばたき突撃し続ける。


その攻撃にメフィストの足は大地にめり込んでいく。


「くっ! 重いですね!」


両手の塞がったメフィスト目掛けてブラッドは飛び込む。


そしてブラッドの後ろにはジェードだ。


「手筈通りに!」


「俺に指図するなよ! 元勇者!」



ブラッドはレイピアで突き技を繰り出す。


両手の塞がったメフィストは翼を盾のように使う。


「今だ!」



その声を合図にジェードが飛び込む。


メフィストの顔から余裕が消え、自分の思い通りにならない憤怒の表情が現れてきた。



ジェードはジャスパーを抱きかかえて後ろに飛び去る。


「ジャスパーの馬鹿野郎! 無茶するな!」


ジェードの掌が光りを帯びる。


既に甦生呪文は発動しているようだ。


「だ……誰が……馬鹿だ?」


「お前だ! 馬鹿!」


ジャスパーの命を救えた喜びかジェードの目は潤んでいた。


「人間共め!」


突然メフィストが叫び、6枚の翼で後方に飛び上がる。



「貴様ら! 全員地獄に送ってやる!」



メフィストは両手を地に翳す。


「コキュートス!」


大地に扉が現れ、少しずつ開いていく。


そこからヌメリとした黒い蛇が何匹も何匹も這い出してきたのだ。


「フハハハハハ! まだ使い魔だが、扉が開ききった時には最下層の悪魔がここに現れるぞ!」


もしかして、この扉は魔界と繋がっているのか?


1体でも手こずる悪魔が何体も現れたらこの世は終わってしまう。


そんな俺の気持ちなど無視したように絶望の扉はじわりじわりと開いていく。


しかし皆は諦めない。



ミントが叫ぶ!


「ミネヴァ!全力で放つぞ!」


「いいの?」


「構わない!」


「んじゃいくよー!我が望みに応えよ!!水天使サキエル!! 」


ミネヴァの手から氷の彫刻のような透き通った天使が現れる



《ピイイイィィィイ!》


サキエルはメフィストを見つめ、超音波のような声を出した。


「僕もいくぞ!焼き尽くせ!!大天使ウリエル!!」


ミントの掌からは炎の天使が現れる。



《キュイイイィ!》


ミカエルはミントの手を離れ勢いよく飛び出していく。


ミカエルの熱気は凄まじく、近くにいる俺達ですら肺が焼けるようである。


サキエルは俺達を見つめ、熱気を遮断する水のヴェールを作るとメフィスト目掛けて飛び上がった。



「天使だと!?」


メフィストは慌てた様子で瘴気を放つ。


6枚の翼で放たれた瘴気は凄まじい勢いで広がっていくが、ミカエルはそれを許さない。


ミカエルは両手を広げると、まるで太陽フレアのように廻りに爆発が起き、瘴気を焼き尽くしていく。


「くっそおー!」


メフィストはミカエルから距離を取ろうとするが、ミカエルはそれを許さない。


掌の照準を合わせると何百もの氷柱がメフィストを襲う。



「ぐおおおお!」



メフィストは両腕を交差し身を守るが翼は穴だらけにされ、高度を保つのですら必死になっている。



その時、ミントとミネヴァ。二人の声が重なった。



「「いっけえー!!」」



ミカエルとサキエルはフワリと翼を広げ高く飛び上がるとメフィストに抱きついた。


天使の抱擁である。


「ぐああああ!!」



メフィストの断末魔が聞こえ、物凄い蒸気が立ち上る。



術者が力を失ったからか、コキュートスと呼ばれていた魔界の扉が消えていく。



そして徐々に蒸気が晴れていき、見通せるようになってきた。


そこには戦いがあったとは思えぬ程の青い青い空が広がり、メフィストは骸すら残さず消え失せていたのであった。

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