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ミントVSジャスパー

どちらが勝ちますでしょうか?

現在大会は一時中断されている。


先のミネヴァVSロンベール戦で、ミネヴァがサキエルを使い闘技場を穴だらけにした為だ。


今は復旧の為に、兵士達が駆り出され穴を埋める作業をしている。


《ブーブー!!ブーブー!!》


しかしこの現状はヤバイ。


このブーイングは大会が中断されているからではなく、俺が原因なのだ。


ミネヴァVSロンベール戦で、やりすぎたミネヴァに俺がコツンとした為である。


やはり異世界であろうとも、女性に手を上げてはいけないのだ。


まあ厳密に言えば黒曜隊副隊長のシドもロンベールも、ミネヴァに手は上げているのだが、あれは試合だから許されるのであろう。


《ブーブー!!ブーブー!!》


それにしても異世界なのにブーイングうまいな。


ブーイングは万国共通なのか。異世界も含めて。


観客席に座るガーネットもガチでブーイングしてやがる。


あの野郎。覚えておきやがれ。


…しかし困ったな。


「ミネヴァなんとかならないか?」



「観客席を静かにさせるの?」


「そうだ」


「じゃあサキエルちゃんで」


違うぞ。


静かにさせる意味が違う。


永久に静かにさせるわけではない。


「「私の為にブーイングはやめてー」とか言ってみてくれよ」


「いいよー!」


ミネヴァは闘技場中央に元気良く飛び出してくる。


その姿はまるでアイドルのようだ。


ミントとミネヴァでユニットを組んだら売れるであろうなと思う。


明るく飛び出してきたミネヴァを見て会場中がざわつく。


「みんなー!!私の為にブーイングはやめてー!!」


《はーい!!わかったー!!ミネヴァちゃんかわいー!!》



うん。やはりサキエルぶっぱなした方が良かったかもしれない。



そうこうしている内に会場の修復も終わり、司会のピエロが中央に出て来た。



「さあ!!皆様大変お待たせいたしました!!次の試合は我が王都ユグドラシルが誇る2名の戦いになります!!」


「我が国の誇る最強の武力!!勇者ミント!!」


《勇者様ー!!勇者様ー!!キャー!!》


地鳴りかと思うほどの歓声が上がる。


ロンベールの召喚する夜刀神(ヤトノカミ)の咆哮よりも凄いくらいだ。



うん?最強の武力?この国で一番強いという事か?


ミントが闘技場に中央に向け進み出ていくと歓声はさらに増していく。


歓声の音量は耳を塞がねば耐えられないくらいである。


「それでは!!次に続きます。王都ユグドラシル黒曜騎士団隊長!!ジャスパー!!」


観客に手を振りながら悠々と歩くジャスパー。


黒い鎧がガシャリガシャリと厳めしい音を立てている。


相変わらず兜は被っていない。


しかし俺と戦った時、ジャスパーは鎧着ている割に動きが早かったな。


鍛練次第って事か?


それとも鎧に秘密があるのだろうか?


王宮騎士団だから鎧の秘密は教えてくれないかもしれないがタイミングあれば聞いてみよう。


まぁ速度勝負したらミントの方が上だろうけど。


「さあ!!我が国の誇る英雄同士の戦いです!!勇者様VSジャスパー隊長…はじめっ!!」



開始の合図が早いか間髪入れずにミントが飛び出す。


直線的に距離を詰めつつ剣で突き技を繰り出していく。


ジャスパーはロングソードを抜く(いとま)も与えて貰えず手甲で剣の軌道をずらそうとするが、受け止めきれない。


手甲の間をすり抜けた剣が鎧を穿つ。


いや。黒い鎧に傷は付くが貫けていないようだ。


「固いな…」


そう呟くとミントの左手はジャスパーに照準を合わせる。


「ファイヤーバースト!!」


ジャスパーは腕を交差し防御体制を取るが、ミントは構わず魔法を放つ。


爆発音と共に吹き飛ばされるが、ジャスパーは両の足で大地を踏みしめ顔を上げる。


「さすが勇…」


言葉を発そうとしたジャスパーだが、ミントは攻撃の手を緩めない。


顔を上げたジャスパーに対し、左上から袈裟斬りにする。


剣と鎧の衝突で火花が散っていく。


(…こりゃ傭兵との試合で、誰もミントの攻撃が見えなかったって言うワケだ。)


鎧を着てなかったらジャスパーは何度仕留められていたかわからない。


そういう部分を含めても、あの黒い鎧の性能は凄まじい。


ミントの剣撃も魔法も通さなかったのだ。


「くっそおぉー!!」


ジャスパーが両の拳を胸元で合わせる。


手甲が激しく当たり金属音が響き渡る。


「カンナカムイ!!」


ジャスパーの両手が電撃で包まれていく。


左拳で打ち下ろしぎみに拳を放つ!!


ミントは飛び上がりそれを避ける。


電撃を帯びた拳は地面に打ち込まれバチバチと激しく放電した。


しかし一撃目は布石だったのかもしれない。


ジャスパーはミントに躱されたのすら意に介さず、体を捻りながら残った右拳をミントに撃ち込んでいく。



飛び上がったミントは避けられない。


「もらった!!」


ジャスパーが叫ぶ!!


ミントはその拳を剣で受けつつジャスパーの左肩を足場に飛び退いた。


そしてジャスパーは驚愕の声を上げる。


「その剣は!?」


「ガーネットの武器はアイデア次第だぞ」


ミントの剣がカンナカムイを帯びてバチバチと音を立てている。


もしやミントの剣も名工ガーネットの打った刀だったのか?


そういえば、ガーネットから武器貰えそうなチャンスはあったのにミントは何も言わなかったな。



カンナカムイを完全に防御されたジャスパーは飛び退きながらもロングソードを抜く。


しかしミントは間合いを取らせず一気に距離を詰め、ロングソードをジャスパーの手から叩き落とした。


そのまま剣の切っ先をジャスパーの喉仏に寸止めして勝負は終わった。


「まいった!!」


ジャスパーは両手を上げて降参のジェスチャーをする。


ミントの戦いに見入っていた観客が一斉に歓声を上げた!!


《勇者様ー!!素敵ー!!》


《ジャスバー隊長も凄かったぞー!!》



会場が揺れそうな程の凄まじい歓声と、万雷の拍手が贈られる。



戦いを終えたミントとジャスバーは闘技場中央で固い握手を交わした。



その姿を見て観客は続々と立ち上がり会場中スタンディングオベーションである。



俺達のいる控室も拍手喝采だ。


ロンベールなんて涙を流して拍手しているのだ。



しかしミネヴァだけが複雑な顔をしてミントを眺めていた。

いつも読んでいただき感謝の念に絶えませぬ。


ありがとうございます

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