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俺の出番!!

ブックマークありがとうございます!!


「これでよし…」


俺はアンバーに甦生呪文をかける。


「い…痛みがすっかり消えた!!あんたジェードっていうのか?見ず知らずの俺にありがとう!!」


いや知ってるよ。


酒場で暴れてたアンバーだろう。


と、無慈悲発言をしようと思ったがやめた。


彼は彼で頑張ったし、試合前でナーバスになってただけかもしれないし。


まぁ他人に迷惑をかけたのは褒められた事ではないが。


俺は微笑み「うん」と頷いた


「えー!!ジェード知ってるでしょー?酒場で暴れてた人じゃん?忘れたの?」



うちの無慈悲娘を忘れていた。


ミネヴァは容赦なく大声で喋り、そしてアゲードは耳真っ赤である。


彼の黒歴史にまた1ページだ。


「フッ」


控え室の奥から失笑が聞こえる。


ジャスパーだ。


なにがおかしい!?というべき場であろうが、おかしいのは分かっている。


ミネヴァの無慈悲っぷりに俺だって笑いたいくらいなのだ。


むしろ「ずるいぞジャスパー」と言いたいくらいである。



そのジャスパーが俺に近付いてくる。


黒曜騎士団の装備なのだろうか?


兜こそ被ってはいないが、黒いプレートメイルに身を包んでおり、歩く度に重厚な金属がぶつかる音がした。


レイピアで鎧を貫通するのは難しそうだ。


そして相手の武器に目を送るとロングソードのようである。


「次の試合は俺達だな。俺はジャスパーと言う。よろしくな」


殺気でも怒気でもない。


威圧感とも違うが独特の雰囲気を醸し出し、ジャスパーは握手を求めてきた。


「ああ」


こういう時は握力勝負になるもんだ。


俺は気合いを入れて手を握る。


「いてててて!!痛いって!!」


(…あれ?)


ジャスパーは俺から手を放して上下にバタバタ振っている。


そして俺にウィンクしながら「お!!やる気あるな!!よろしく頼むぜ!!」


やばい。


握力勝負する気なかったのか。


なんか俺の方が悪者みたいだ。


そしてピエロが高らかにコールする。


「お待たせ致しました!!全々回優勝者!!黒曜騎士団隊長!!ジャスパー闘士の登場です!!」


《ジャスパー!!ジャスパー!!ジャスパー!!》


会場中がジャスパーコール一色に染まる。


やはり全々大会の優勝者だったか。


白銀騎士団隊長と交互に優勝を浚ってたんだな。


これはかなり厳しい戦いになりそうだ。


俺は覚悟を決める。


《キャー!!ジャスパー様!!抱いてー!!》


ち…リア充爆発しやがれ。



俺達は闘技場中央に進み向かい合う。


「第3試合ジャスパーVSジェード!!はじめっ!!」



会場中が異様な熱気に包まれていく。


異様な空気で息が苦しくなりそうだ。


先の二人…ミネヴァもロンベールもこんな空気の中で戦ってたのか。


メンタル弱いとか言ってごめんロンベール。


ジャスパーはロングソードを抜き上段に構える。


凄まじい威圧感だ。


しかしレイピアだと難しいな。


鎧の隙間を突くのか…それとも…兜は被っていないから顔…。


顔はなぁ。


よし。


俺は様子見で鞭を持つ。


グラビディを発動させれば鎧の上からでもダメージを与えられるだろう。


俺は鞭を振り下ろす。


パシィ!!と空気を切り裂く音で威嚇をする。


「ほぅ…鞭とは珍しいな」


「そうだろう」



ジャスパーは中段に構え直した。


攻撃力よりもバランスを取ったようである。


俺は鞭を振り上げ再び叩き付ける。


パシィ!!という音と共に砂埃が上がる。


(避けたか…)



どうやら俺の攻撃リズムを読んで飛び込むタイミングを取っているようだ。


次の一撃を躱したら距離を詰めてくる気であろうか?


しかし俺の奥の手は知るまい。



予想通り鞭の一撃を躱したジャスパーは一直線に突っ込んでくる。



しかし先の一撃は躱させる為に放ったのだ。


俺は慌てる事なく鞭を再度振り抜くと、ジャスパーは手甲で弾こうとする。


《グラビディ!!》


その瞬間グラビディの魔力を鞭に通す。


ジャスパーは爆風に弾かれたように吹き飛んだ。


(…コイツ…?)


俺の攻撃をわざと受けたのか?


グラビディならば奴は重力により沈むハズなのだが、弾け飛んだ。


俺に突っ込んでくるフリをしながらも、避ける事にウェイトを置いたんじゃないのか?


なかなかに気が抜けない戦いである。


これでジャスパーが立ってきたら、今のはわざと受けたのだろう。


「おー!!いってぇ!!鞭に重力とか、珍しいの一語に尽きるな!!」


やはり立ち上がってきた。


しかし初見でグラビディを見抜くとは侮れない。


「なら…こうするか」


ジャスパーは剣を鞘に納めて両手をプラプラと振っている。


もしや居合いとか?


しかし、ロングソードの鞘は革である。


指を切ってしまうだろうし…。


まさか俺を徒手空拳で捩じ伏せる気か?



俺は再度距離を取り鞭を振るう。



しかし避ける事だけに集中している奴を捉えられない。


地面に叩きつけられる鞭だけが観衆に破壊力を伝えていく。


《おい!!地面がへこんだぞ!!》


空振りした鞭で砂煙が上がり、俺は奴を見失った。


その刹那。「よお!!」


ジャスパーが鞭を持つ俺の右手を掴む。


左手でレイピアを抜こうとしたが右肘の間接を極められ俺は俯せに倒される。


「決まりだな!!ギブアップかい?」


コイツ…強い。


関節も綺麗に極められていて抜け出せない。


ジャスパーは徐々に力を込めてくる。


(参ったな…あまりやりたくないが…)


俺は極められてる方向に敢えて体重をかける。


《ゴキッ!!》


骨の折れた音が会場に響く。


ジャスパーも驚いたようで手を放した。



あらぬ方向に曲がった肘を押さえて俺は甦生呪文を唱える。


自己再生を使いたいところであるが、どうもこれは俺だけのチート能力だけらしく、これだけ観衆の目がある時に使うべきではなさそうだ。


肘が光に包まれ回復していく。


ジャスパーは呆気にとられたようで、その姿を見つめていた。


「回復魔方があるにしても、普通やるかよ?いい覚悟してやがるぜ」


それは誉め言葉と受け取っておこう。


しかし離れ際、ジャスパーに鞭を奪われた。


しかし奴は鞭を使う様子はない。


「これを振るわれると厄介だからな」


鞭を後ろに投げ捨てジャスパーは改めてロングソードを抜く。


俺もレイピアに手をかけた。


レイピアの修行は1週間程度だが、その修行相手は勇者ミントだ。


剣技に自信がない訳ではない。


次は俺から飛び込む。


レイピアは細剣だ。


防御に適した剣ではない。


ジャスパーはロングソードで俺の攻撃を受けていくが、徐々にレイピアの速度に焦りを見せてきた。


しかし奴は力任せに間合いを詰め鍔迫り合いに持ち込んでくる。


「ジェード!!武器やら魔法やらあんたなかなか器用だな!!俺の部下にならねぇか!!?」


「…断る!!」


力はジャスパーの方が上である。


鍔迫り合いで徐々に押し込まれていく。


そして意識が腕に向いた瞬間にジャスパーが足を払うように蹴飛ばしてきて、俺は仰向けに倒れた。



「スカウト断られて残念だ」


仰向けになった俺に対して、ジャスパーは拳を握りしめ打ち下ろしてくる。


(ヤバイ!!自己再生発動!!)


なにか分からないが第六感が警鐘を鳴らす。


俺は衆目を省みず自己再生を発動した。


「カンナカムイ!!」



そう唱えるとジャスパーの拳が電撃に包まれていき、俺の腹に容赦なく打ち込まれた。


(コイツ…魔法使えたの…か)



痛みもそうだが、なにより体が痺れて動かない。


俺の思考を読んだのかジャスパーは俺に向かって言い放った。


「奥の手は最後に取っておかねぇとな」



ピエロがジャスパーの勝利を宣言すると会場中が歓声に包まれていく。


《ジャスパー!!ジャスパー!!》


そして俺は意識を失った。

またもや主役のジェードが負けてしまいました。


御意見御感想ありましたらよろしくお願いいたします




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