仮面の男
大きな勘違いをしており訂正しました
失礼致しました
御意見御感想ありましたらよろしくお願いいたします
まさかミネヴァが水魔法使えるようになるとはなぁ…
俺は腕組みをし朝靄のかかる中、畑に向かって歩いている
今日はロンベールがトウモロコシ搬送の為に村に来る予定なのだ
初めての人間界へ出荷
味には勿論自信がある。
しかし自信とは裏腹に、なんだか昂って眠れないのだ。
なんというか、初めて小学校に登校したあの時の気分に似ている
トウモロコシの収穫は村の若い者達に手伝ってもらう手筈になっているのだが、なんだか落ち着かず一時間も早く家を出てきてしまった
人間だった頃には考えられなかった事だ。
あと5分。あと5分と、ぎりぎりまで寝ていたあの時とは。
そんな自分がおかしくなり、笑みが溢れてしまう
「何か楽しい事でもございましたか?」
(!!?)
誰だ?
まだ薄暗い道の先に何者か立っている
オークではない
体躯がまるで違う
人間か?
目を凝らして見ると、そこには執事風の姿をした仮面の男が立っていた
腰には…剣?細見の鞘が見える
敵?味方?
まったくわからない
様子を伺っていると向こうから話かけてきた。
「あなたはこの村の方ですか?」
「ああ。そうだが…あなたは?」
そうですかと仮面の男はため息をつく
「誰がその呪いを解いたのですか?」
嫌な予感がした
仮面の奥から隠しきれない程の殺気が漏れだしている。
その殺気はピリピリと空気を切り裂き木々の葉はざわめいている
「誰が呪いを解いたか答えれば帰るのか?」
「さあ?それはどうでしょう?」
男は薄笑いを浮かべている
俺は腰の鞭に手をかけた
「おや?やる気ですか?……エルフ風情が!!」
薄ら笑いを浮かべた仮面の男が強烈な殺気をぶつけながら一直線に突っ込んでくる
(早い!!)
俺は鞭を諦め自己再生を発動する
「ぐぅ…」
体をズラすのがやっとであった。
男のレイピアが俺の左肩を貫いた
「フン。避けましたか」
不愉快そうに呟く
レイピアを俺の肩から引き抜こうとするがそれは許さない
右手でレイピアの刀身を掴み、血塗れになった左手を仮面の男に向ける
《グラビディ!!》
「甘いですね」
ニヤリと笑い剣を離す。
グラビディの速度が遅いとはいえ、ほぼ密着状態なのに躱しやがった
しかも武器をアッサリ捨てて
俺はレイピアを引き抜く
(…いてぇ)
剣を抜いた瞬間血飛沫が噴き出す
それを見ていた仮面の男は冷やかな声で呟いた
「おや?出血が少ないですね?生意気に回復魔法でも使っているのですか?」
コイツ…完全に俺を見下してやがる
見てろよ
俺は鞭を手に取り空気を裂く
パァンッという音と共にグラビディを発動する
昨日と違い手加減なしだ
鞭の先端は音速を超える
マッハのグラビディを放つ
その攻撃を舞うようなステップを踏み躱していく
(くそ!!…くそぅ!!)
かすりもしない
俺は悔しくて歯軋りをする
しかし…
「馬鹿が」という声が聞こえ再びレイピアが俺を貫く
二刀流か…
もうだめだ…生きる事を諦めたその刹那声が聞こえた
「そこまでだ!!」
ミントだ。
俺は膝を付き叫ぶ!!逃げろ!!
コイツは桁が違う
ミントはこちらを見て頷く
その顔は「大丈夫だ」と言っているように見えた
ミントの手が男の方向を捉える
「焼き尽くせ!!ファイヤーバースト!!」
「フン?新手ですか?」
不機嫌そうに呟き炎を軽やかに躱すがその先が俺と違っていた
既に距離を詰めていたミントの切っ先は男の頬を切り裂いている
慌てた男は後ろに距離を取ろうとするが、ミントはそれを許さない
直線的に間合いを詰めていく。
男はレイピアで受け止めようとするが、お構いなしにとミントは押し込む
つばぜり合いになったかと思われたが、その瞬間にもファイヤーバーストが発動される
完全にミントのペースだ
俺はその動きに完全に魅せられていた
なんとか距離を取った男は苦虫を潰したように口元を歪め呟く
「チ…面白くない。また来ます」
仮面の男は風に包まれ消えていった
(…助かった)
ミントは剣を鞘に納め、俺に駆け寄ってきた
「大丈夫か?」
「ああ…助かった。ありがとう」
ミントがいなければ俺は殺されていた
高橋斗真としての意識は残るかもしれないが、エルフとしてのジェードは終わっていたであろう。
ミントは俺を心配そうに見つめている
サラサラとした金髪が頬にかかり女神のように見える
(勇者か…)
そんな事を考えていると俺は頭をコツンと叩かれた
「バカ者。一人で全部やろうとするな。危ないと思えば声をかけろ」
「ああ…そうするよ」
と声を出すのが精一杯である。
返せないくらいの借りが出来てしまったと思っていたらもう一度コツンとやられた
「仲間だろ?」と。
見透かされた驚きと、ミントの優しさと先程の圧倒的な恐怖で俺はいつの間にか…泣いていた。
…どれくらいの時間泣いていたのだろうか?
30分?いや5分か?
時間の感覚もなくなる程、感情の爆発であった
異世界にきて張り詰めていたのであろうか
俺が泣き止むまで、ミントは黙って傍にいてくれたのである
「飲むか?」
ミントから竹の水筒を受けとり水を飲む
「強かったな」
「あぁ強かった」
「誰だったんだろう」
「わからない」
そんな会話を交わしながら先程の戦いに思考を巡らす
しかし俺が呪いを解除した事で何かが動き出したのは確かである
マスク形状の名前、マスカーレードだと思ってましたら、ヴェネチアンマスクと言う事でした
大きな勘違いをしており訂正しました
大変申し訳ございません




