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第14話「結末」
「壊す」
その一言が、すべてを決めた。
次の瞬間。
世界が軋む。
ギギギ、と歯車が狂い始める。
完全だった噛み合わせが崩れ、ひとつ、またひとつと連動が外れていく。
「……選んだか」
設計者の声が響く。
だが、その声に焦りはなかった。
「後悔するぞ」
レイは首を振る。
「するだろうな」
正直な答えだった。
「でも、それでいい」
周囲の歯車が次々と停止していく。
時間が歪む。
空間が崩れる。
「完璧な世界なんて」
レイは言う。
「つまらなすぎる」
その瞬間。
中枢が、完全に停止した。
すべての歯車が止まる。
そして——
崩壊が始まる。
光が弾ける。
構造が砕ける。
世界が、終わっていく。
設計者の姿も、ゆっくりと消えていく。
「……それが、お前の選択か」
最後の言葉。
レイは答えない。
ただ、前を見ていた。
すべてが消えていく中で。
静かに、立っていた。




