表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/45

第19-2話 3重拘束

スキル発動をキャンセルすれば報復が来る、この事実に控え席からも不安な声が上がる。

天塚が段田に話しかける。

「段田先輩、今の状況何かヤバいことになってないですか?」

「ヤバいなんてもんじゃない、多分今までの試合の中で、今が一番アイツにとって厳しい状況だろう」

「そ、そんなにですか?」

菜蔵が補足する。

「アイツの戦術はとにかく相手に何もさせずに最終ターンまで生き残ること、相手が少しでも動けばスキルでキャンセルしてやり直させる」「言ってしまえばスキルのリソース管理さえミスらなきゃ楽に勝てちまう戦法なんだ」

「ところが今回、シーギャング_カレイの登場でキャンセルするスキルを選ばなくちゃならなくなった」

段田は説明を続ける。

「青いサンゴ礁を倒された時点で負け確定、ただ何でもキャンセルするといずれコマが無くなって自滅…」

「青島ちゃんはコマバトラーとしての真価を試されているのさ」

「青島ちゃん…」


(5ターン目)

西谷が青島に話し掛ける。

「さぁ、どうする?君のターンだ」

青島は気を取り直して、指示を出す。

「僕はEXデッキからEXモンスター、青いオオイソギンキャクを登場させるので!」

「登場条件は自分のコマ3体を選んでスキルを消滅させること、僕は青いタツノオトシゴ3体を選ぶので!」

「出てこい、僕の新しい決まりフェイバリット、青いオオイソギンキャク!」

青島がそう唱えると、フィールドから巨大なイソギンチャクが藻掻くように姿を現した。

「準備万端!かかってくるので!」

青いオオイソギンキャクを見て、西谷は怪訝な表情を浮かべる。

「パワー20の移動力ゼロ?即効性が無いコマだけど本当に君の決まりフェイバリットかい?」


ターンが西谷に移り、西谷はシーギャング_ダツで青いサンゴ礁を選ぼうとするが、ある異変に気づく。

(なるほどね、君があそこまで推すわけだ)

西谷の画面では、青いオオイソギンキャク以外のコマが選べない状態となっている。

コレが青いオオイソギンキャクの真骨頂、スキル誘導である。

青島は西谷に話し掛ける。

「分かったので?こっちだって簡単に負けるわけにはいかないので!」

西谷の顔に笑みが浮かぶ。

「いいね、その真剣さ!面白くなりそうだ!」


青いオオイソギンキャクの登場で、控え席の空気も明るくなる。

菜蔵が話し出す。

「青島のやつ、ちゃんと考えてんじゃん!あのイソギンチャクがシーギャング_ダツのダメージを引き受けてくれるってんなら、コッチはキャンセルする必要がねぇ!」

段田も答える。

「あぁ、この間に相手の陣形を崩して最終ターンまで遅らせる、いつもの青島のペースだ」

「相手が攻めてこないタイプと見切るや否や、即座に青いタツノオトシゴからスキルを消滅させた、大きな賭けだが相手にとって牽制になるだろう」

天塚は青島の戦術に感動している。

「すごい、あんな一瞬でここまで思い切れるなんて…」


西谷はまだ指示を出していない。

青島が西谷を煽る。

「西谷せんぱ〜い♡早くダツのスキルを使ってくださいよ〜♡まさかそれしか攻撃方法がないなんて言いませんよね〜♡」

しかし西谷はさらりと言い返す。

「よし、別ルートで行こう」

「え?」

「シーギャング_ウツボのスキル発動、2ポイントを獲得」

「そ、そんなのアリなので!?」

「だって時間掛かりそうだもん、そっちが構えるなら、こっちは蓄えさせて貰うね」

西谷はスキルによる青いオオイソギンキャク、ひいては青いサンゴ礁撃破をあっさり諦め、ポイント獲得数での勝利を狙うルートにあっさりと方向転換してしまった。

(不味いので、本当に不味いので…)

青島は煽りモードから一気に苦戦モードに思考を切り替えざるえなくなった。

(僕の俺ルールカードOTK!は確かに最強のカードなので)

(でも相手のコマを1体でも破壊しそこねたら後はポイント勝負になるので)

(圧倒的ポイント差が付けられた瞬間、僕の勝ち目はなくなるので…)

(撃たせてもダメ、ポイントを稼がせてもダメ、僕はどうすれば…)


(10ターン目)

「シーギャング_ウツボのスキル発動、2ポイント獲得」

「青いクマノミのスキル発動、シーギャング_ウツボのスキル発動をキャンセルするので!」

「そうそう、動かないと負けちゃうよ〜?」

〈ドン〉


(15ターン目)

「青いイルカのスキル発動、シーギャング_シャークのパワーを1にするので」

「シーギャング_ウツボでポイント+2ね」

「青いクマノミで、スキル発動をキャンセルなので」

〈ドン〉


(20ターン目)

「青いハタでシーギャング_ウツボのスキル発動ターンを5ターン遅くするので」

「じゃあ、もう一体のウツボのスキル発動」

「青いクマノミで…」

〈ドン〉


ポイント稼ぎを阻止しようとすればするほど、

シーギャング_カレイの銃弾が青いオオイソギンキャクに撃ち込まれる。


(30ターン目)

青島に妨害を受けながらも、西谷は既に22ポイントを獲得していた。

「よし、本業に戻りますか!」

「シーギャング_ダツのスキル発動、青いオオイソギンキャクに1ダメージ」

青島も苦い顔を浮かべる。

(ここからが本当の勝負、青いオオイソギンキャクがやられたら、僕に青いサンゴ礁を守れるコマは無くなるので)


(35ターン目)

「シーギャング_ダツのスキル発動、青いオオイソギンキャクに1ダメージ」

「通すのだ」

青島はスキルをキャンセル出来ない。

シーギャング_カレイがいる限り、青島は青いオオイソギンキャクが嬲られる姿を見つめることしか出来ない。

(青いオオイソギンキャクの残りパワーは3、その後は…)

青島の頭に敗北の文字が浮かびだす。

(まだなので!)

青島は頭を左右に振る。

(最初に自分に誓ったので、絶対に負けないって、諦めたくないので!)

青島の苦悶する様子を、西谷は温かい表情で見つめていた。


(45ターン目)

青島は青いオオイソギンキャクは倒されこそしたが、西谷とのポイント差はOTK!で逆転出来る位置まで相手のパワーを弱体化させることに成功していた。

「…!」

しかし代償は大きく、慣れない取捨選択を迫られ続けた青島は頭痛に苛まれていた。


(パチパチパチパチ)

西谷が手を叩く。

「よくここまで持ちこたえられたね、おめでとう」

「ここまでたどり着けた君へのご褒美として、僕から選択の自由を与えるよ!」

「選…択…?」

西谷は青島に告げる。

「俺ルールカード究極二択発動!君はこれから、このカードの効果を選んでいい」

「『僕のコマのスキルを全て消滅させる代わりに僕に追加ターン』、もしくは『君に獲得ポイント+30』」

「さぁ、好きな効果を選んでいいよ!」


果たして青島の選択は?


(第19−2話 終)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ