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第18-2話 駒場の全力投球!

(15ターン目)

駒場が指示を出す。

「リトルウィザードのスキル発動!相手のコマ1体に2ダメージを与える、俺が選ぶのは魔法少女_ベリーだ!」

合計3回のスキル使用で魔法少女_ベリーを撃破した。

駒場は少し安堵する。

(これでカードの生成枚数を落とせる)

(本当なら大元の魔法少女_エイミーを倒したいところだが、2体いる上にパワーが10でこのままじゃ倒しきれねぇ)


(20ターン目)

駒場が指示を出す。

「リトルエンチャンターのスキル発動!コスト5以下のコマ1体を選び、そのコマにゲーム中にバトル以外でダメージを受けない効果を付与する!」

「俺が選ぶのはリトルトレーダーだ!」

今まで試合中触られてこなかったコマへの丁重な加護に、影山は訝しむ。

「そのコマにそこまで大事にする必要があるのですか?」

「さぁな、ケースバイケースだ!」


(25ターン目)

影山が動く。

「時間は掛かりましたがやっと揃いました」

「スペルカード衝撃〜Impact〜のカードを4枚使用します」

「選ぶのはもちろんリトルキング、対抗スキルはありますか?」

「無いぜ!」

リトルキングがフィールドから消え去った。

「スペルカードを使用したことで魔法少女_ディアナのスキルを発動、パワーを+2してパワー13にします」

影山が微笑む。

「ふふ、そろそろ終わりのようですね」

駒場は熱暴走状態の頭の中で思考を巡らせる。

(リトルキングが居なくなった今、俺のコマが各自使えるスキルはせいぜい1回だけ、1択もミスれないぜ!)

影山は駒場に問いかける。

「あなた、大分ピンチですがどうして笑っていられるのですか?」

「まだ余裕だったりしますか?」

「余裕は一切無いが、今がめちゃくちゃ楽しいぜ!」

「そう…、上手く捲れるといいですね」


(35ターン目)

影山は魔法少女_ディアナを駒場の陣地に差し向ける。

途中4回のスペルカードの使用で、魔法少女_ディアナのパワーは21となっていた。

「魔法少女_ディアナを移動、リトルナイトとバトルします」

バトルによってリトルナイトは破壊され、駒場にターンが移る。

「リトルテレポーターのスキル発動!フィールドに残るリトルナイトを魔法少女_ディアナのマスに移動、そのままバトルだ!」

リトルテレポーターのスキルを使ってまでリトルナイトを差し向ける駒場のプレイに、影山は首を傾げる。

「わざわざ自滅ですか?」

「まさか!勝算ありっすよ!俺ルールカード下剋条例を発動!発動後のバトルの勝敗を一度だけ逆転させる!このバトルでコマが受けるダメージはゼロになるぜ!」

影山が目を見開く。

「ここで来ますか!」

「リトルナイトで魔法少女_ディアナを撃破!合わせてビッグナイトへの昇格プロモーション条件達成!ビッグナイトを登場させるぜ!」

「それがあなたの決まりフェイバリットですか…」

影山はビッグナイトのステータスを確認する。

「なるほど、移動力無制限…」

「ここから私の陣地に攻め込もうという算段でしょうが…」

「残念ながら時間切れです」

影山は手札の束を取り、駒場に見せつけた。

「スペルカード衝撃〜Impact〜のカードを10枚使用します、あなたの悪足掻きもこれまでです」

反撃の糸口と成り得たビッグナイトが崩れ落ち、駒場の敗北が一層明確になる。


控え席で4人は試合状況を固唾をのんで見守っていた。

ビッグナイトが破壊されてなお、誰一人として駒場の勝利を諦める者はいなかった。

「駒場…」

「駒場先輩…」

「駒場…!」

「駒場くん…」


(36ターン目)

影山が動く。

「墓地にスペルカードが25枚ありますので、私の決まりフェイバリットの方を登場させていただきます」

「知識の魔導士_エクステリア、スキルは相手がスキルを発動した場合、スペルカードを1枚破棄することで発動をキャンセルします」

「もうあなたに逆転の芽はありません」

「それでも続けますか?」

駒場は震える声で答えを返す。

「全っ然余裕っすよ…」

「分かりました、あなたの気が済むまで付き合いましょう」

「魔法少女_エイミーのスキル発動、スペルカード1枚を生成します」


(37ターン目)

駒場が指示を出す。

「リトルウィザードのスキル発動!知識の魔導士_エクステリア"を選び、2ダメージ与える!」

「私の説明を聞いていなかったのですか?」

「知識の魔導士_エクステリアのスキル発動、スペルカードを1枚破棄して、リトルウィザードのスキル発動を無効にします」

影山にターンが移る。

「しかしあなたも悪運がありますね、私がスペルカード衝撃〜Impact〜をすぐに打てない状況とは…」

「魔法少女_ケイシーのスキル発動、手札のスペルカード1枚を破棄して、墓地のスペルカード衝撃〜Impact〜2枚を回収します」


(38ターン目)

駒場が涙を流し出す。

「ゔうう…」

影山も不審そうに駒場を見つめている。

「どうしたのですか?負けを認めになりました?」

「リトルウィザードが、生き残って、よがっだ…」

「これでリトルウィザードを昇格プロモーション出来るぜ!」

「あなた、まだ諦めていなかったのですか!?」

「当たり前だろ!」

「俺はコマバトラー、コマバトラーたるもの常に逆転を信じ、決して勝負を諦めてはならない!だから諦めねぇ!」

「リトルウィザードの昇格プロモーション条件は、スキル発動を相手のスキルでキャンセルされること!」

「な、なんて限定的な…」

「リトルウィザードをビッグウィザードに昇格プロモーションさせるぜ!消された魔法を倍返しだ!」

リトルウィザードの足元に魔法陣が浮かび上がり、紫色の光の柱が立ちあがる。

その光の柱が消えたあと、スーツのように帽子と魔法衣を着こなしたジェントルマンのような風格の老人が現れた。

手には大仰な杖を持っている。

「ビッグウィザードのスキル発動!相手のコマ1体を選び、ゲーム中、スキルを発動出来ない効果を付与するぜ!このスキル発動はスキルでキャンセル出来ないぜ!」

「そ、そんな…」

ビッグウィザードの杖から放たれた黒い光線が知識の魔導士_エクステリアに命中し、コマの色が紫色に染まる。

会心の一発が決まり、駒場は得意気な表情を浮かべる。

「これでスキルキャンセルは発動しない、勝負はこれからだ!」

しばらく唖然としていた影山だったが、突然笑い出す。

「フフフフ…、流石は段田くんの後輩…、良い闘いをしてくれるわ…」

「私も切り札を出さないと行けなくなるとわね!」

「俺ルールカード魔力解放を発動!スペルカードを10枚生成するわ!」

「じゅ、10枚!?」

かつてない枚数のスペルカード生成に駒場も驚く。

「スペルカード衝撃〜Impact〜のカードを2枚使用します、選ぶのはリトルサポーターとリトルテレポーターよ!」

2体が破壊され、駒場の陣地にはリトルソルジャー、リトルスローワー、リトルトレーダー、ビッグウィザードしか残されていない。


(39ターン目)

ターンが回ってすぐに駒場が叫ぶ。

「この瞬間を待ってたぜ!」

「え、え!?」

急な大声に影山も驚く。

「影山さん、今スペルカード何枚持っている?」

「18枚だけど?」

「これでリトルトレーダーが昇格プロモーション出来るぜ!」

「ま、まさかそのためにリトルエンチャンターで効果付与を!?」

昇格プロモーション条件は相手がカードを10枚以上持っているとき!」

「いやぁ~、前の試合でカードを使ってくるヤツが居たからデッキに突っ込んでいて良かったぜ!」

「お、おかしいじゃない!私がカードを使って来るかなんて知る術もなし!」

「第一私が魔力解放を使わなきゃ全くの無駄だったのよ!?そんな戦略---」

「俺は影山さんがカードを戦略で取り入れている以上、何かしらのカード増強策は持っていると予想しました」

「だから後はそれを利用するためにリトルトレーダーに勝利を託した、それだけのことっす」

影山は戦慄する。

(こんなの戦略じゃない、ギャンブルよ、それもかなり分の悪い…)

(こんな狂人の思考なんて、読めるわけないじゃないの…)

駒場は効果処理を進める。

「リトルトレーダーをビッグトレーダーに昇格プロモーションさせるぜ!稼ぎ時だぜビッグトレーダー!」

駒場が宣言するとリトルトレーダーの頭上から札束が振り注ぎ、その中から金色輝くスーツに身を包み、グラサンオールバックの格好をしたビッグトレーダーが姿を現した。

「ビッグトレーダーのスキル発動!相手のカードを全て破棄して、1枚につき「3」ポイントを獲得するぜ!」

「全て破棄!?そ、そんな…、折角貯めたのに…」

ビッグトレーダーが懐から拳銃を取り出し、影山のスペルカードに向けて引き金を引いた。

スペルカードは弾かれたそばからコインに置き換わり、影山の手元から消えていった。

影山は空になった手を呆然と見つめている。

駒場が影山に問いかける。

「これで俺の獲得ポイントは魔法少女_ベリーの撃破分も合わせて60ポイント」

「影山さんの獲得ポイント数は40、これで逆転しましたね」

影山も答える。

「フフフフ、そうね」

「でも忘れていないかしら?私のフィールドの魔法少女_ケイシーの存在を…」

影山の狙いは、魔法少女_ケイシー"のスキルで墓地からスペルカード衝撃〜Impact〜を大量回収による駒場の持ちゴマの全滅による勝利である。

「魔法少女_エイミーのスキル発動、スペルカード1枚を生成します」


(40ターン目)

駒場が動く。

「影山さんのやりたいことは分かってます、でもそれだけはさせません!」

「リトルスローワーをビッグスローワーに昇格させる!昇格条件はゲーム中スキルを3回以上使用すること、もちろん達成済みだぜ!」

「これが俺の決まりフェイバリットだ!仲間の思い、仲間ごとぶつけてやれ!最終回の登板だぜ!ビッグスローワー!」

「ビッグスローワーのスキル発動!このコマ隣接するマスに配置されている自分のコマを1体選ぶ。そして相手のコマ1体を選び、選んだ自分のコマとバトルさせる!」

「俺はリトルソルジャーを選び、魔法少女_ケイシーとバトルさせる!」

「何ですって!?」

ビッグスローワーがリトルソルジャーの頭を鷲掴みしたかと思うと、そのまま綺麗な投球フォームでリトルソルジャーを投擲した。

「リトルサポーターのパワーアップスキルによって、今のリトルソルジャーのパワーは9!」

「パワーが8の"魔法少女_ケイシーは当然バトルで撃破される!!」

リトルソルジャーがすり抜けざま、魔法少女_ケイシーを切り刻む。

影山はショックを受けている。

「あぁ、ウソ…、そんな…」

これで魔法少女_ケイシーのスキルによる墓地回収からの逆転策が不可能となった。

「これが俺の全力っす…」

「え?」

影山は駒場の方に目線を移す。

駒場は先ほどまでの闘気が飛散して、大分弱々しくなった様子になっていた。

「後は影山さんが素引きでスペルカード衝撃〜Impact〜を引いて俺のコマを全滅させるか、引けずに50ターン過ぎるかの勝負っす…」

「こんなところまで運任せを…」

「もう、疲れたっす…」


(第18-2 終)

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