第15-2話 青いシャチ、現る!
スキルが使用出来なくなった青島に茂手木の侵略を止める術はない。
エリア工作員イエッサーのスキル連打によって中間エリアが赤く染め上げられていく。
(30ターン目)
茂手木の陣地は中間エリアをほぼ占領し、51マスに増加している。
茂手木が話し出す。
「EXデッキからEXモンスター大怪人_モットガブルスを登場じゃ!登場条件は自分の陣地が50マス以上のときじゃ!」
「コヤツのパワーは特殊でのう、自分の陣地のマス分がそっくりパワーになるのじゃ、じゃから今のコヤツのパワーは51なのじゃ!」
「そんな、大きすぎるので…」
青島が震え声でそう呟く。
「じゃがコヤツの本質はそこではない、コヤツのスキルは相手の陣地を5マスまで自分の陣地に変えられるのじゃ!」
「そんな、じゃあ僕あと12ターンで強制的に…」
「ハッハー!今のうちに負け惜しみの文言でも考えておくがよいのじゃー!」
(45ターン目)
茂手木は青島に話し掛ける。
「随分綺麗なフィールドになったとは思わんか?」
フィールドは中間エリア、相手のエリアの境界なく真っ赤に染まり、青島の陣地が2マス残っているのみである。
「怪人ガチガブルスのスキル発動!相手の陣地を1マス自分の陣地に変える!」
「次が貴様の最後のターンじゃ、言い残すことはあるかのう?」
(46ターン目)
「ギャヒッギャヒッヒッヒッ」
青島は天を仰ぎながら笑い出す。
「な、何じゃその不気味な笑いは!貴様敗北を受け入れられず狂ったか!?」
「ゴメンね☆今まで散々茂手木っちの好き勝手にさせてきたのは全部演技だったので☆」
「も、茂手木っちだと!?小崎のような口ぶりをしおって!」
「ずーっと泳がせてたのは、そのプライドごと綺麗にひっくり返してやるためなので!」
「EXデッキからEXモンスター青いシャチを登場させるので!登場条件は青いサンゴ礁が自分の陣地を離れた時、随分待たせたので!」
「ハッ、今さらモンスター1体で何が変えられるものか!」
「見せてやるので、これが僕の決まり手!」
「青いシャチのスキル発動!青いサンゴ礁が相手の陣地、または中間エリアに存在する場合、エリアそのものを自分の陣地に変えるのだ!」
「な、なんじゃとー!!?」
青いシャチから大波が放たれると、赤色のマスはリバーシのように急速に青色へと転換されていった。
フィールド上は青一色のオールブルーに染まっていた。
青島は茂手木に指を突きつける。
「どうだ悪の組織!これで世界征服の達成は海の藻屑なので!」
「そんな、あと1マス埋めれば、我の勝利じゃったのに…」
その時、突然大怪人_モットガブルスが爆発四散した。
「モットガブルス!?」
「あーあ、赤いマスがゼロになっちゃったからパワーもゼロになって死んじゃったので」
「折角パワーが80もあったのにバトルで活躍も出来なかったなんて、可哀想なヤツなので」
「そ、それはヌシのせいじゃろうが!」
「コマの強みを活かさず無駄死にさせるなんて、コマバトラーとしてお・そ・ま・つ♡なので」
「黙るのじゃ!お互い獲得ポイントはゼロ、1ポイントの有利がそのまま勝敗を分けるのじゃ!」
「怪人ガチガブルスのスキル発動!相手の陣地を1マス自分の陣地に変える!」
「あ、言い忘れていたので」
「青いシャチがフィールドに存在する限り、相手は相手の陣地の上でスキルを発動出来ないので」
「な、何じゃとー!?」
先ほどの要領で青いサンゴ礁を無力化しようと企んだ茂手木の計画は早くも崩れ去った。
「ならばバトルでポイントを稼ぐのじゃ!怪人 ガチガブルスを移動するのじゃ!」
「青いタツノオトシゴのスキル発動、怪人ガチガブルスを元のマスに戻すので!」
「ならば2体目の怪人ガチガブルスを移動!」
「2体目の青いタツノオトシゴのスキル発動、2体目の怪人ガチガブルスを元のマスに戻すので!」
「さ、3体目の怪人ガチガブルスを移動!」
「3体目の青いタツノオトシゴのスキル発動、3体目の怪人ガチガブルスを元のマスに戻すので!」
「全然進められんのじゃ!」
「この泥仕合感、たまらんので♡」
(50ターン目)
試合状況に変化は無く、遂に最終ターンとなった。
茂手木が呟く。
「やっとゲームが終わるのじゃ…」
「ヌシもよく捲ったものじゃが、結局お互い獲得ポイントはゼロ、引き分けじゃな…」
「ざぁ〜ねん♡僕の勝ちなので♡」
「何じゃと?」
「俺ルールカードOTK!発動!発動条件は50ターン目、効果はパワーが1のコマを全て破壊するので!」
「なんなんじゃー!?」
「お前のような引き分けでホッとするような器量の小さいヤツは、世界征服を目指せる器じゃないので!」
「地元の公園で便所掃除がお似合いなので!」
「あ、あんまりなのじゃ~!!」
青島のOTK!で破壊したエリア工作員イエッサー3体分のコスト合計6ポイントが決定打となり、第5戦は青島が勝利を収めた。
「「「「おかえり青島ー!!」」」」
「あびゃっ!?」
功労者となった青島を、4人は全力で抱きしめに掛かる。
菜蔵は青島を全力で抱きしめている。
「こいつめこいつめ、ギリギリまでヒヤヒヤさせやがって〜」
「ぐぇっ、すみません、先輩、息が…」
天塚が駒場の方に向き直る。
「駒場くん、これで…」
「あぁ…、六角中学校決勝戦に進出だー!!」
「「「イェーイッ!!」」」
5人全員で歓声を上げる。
夢の全国コマバト選手権出場がすぐそこまで迫ってきている!
(第15-2話 終)
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