第14-2話 激突!二体の王!
(35ターン目)
菜蔵の使えるコマは迷宮にいるコマも合わせて4体、ミノ三郎の回復量も考慮するとミノ太郎撃破ギリギリの状況である。
菜蔵が話す。
「今度こそ決めるぜ、EXデッキからEXモンスター菜王バンプキングを登場!登場条件は35ターン経過後だぜ!」
「登場した菜王バンプキングのスキル発動!自分の野菜モンスター全てのパワーを+2するぜ!」
しかし富野がそれに反応する。
「それは通さんよ、ミノ二郎のスキル発動!菜王バンプキングのスキルを封印させる!」
菜王バンプキングのスキルが不発となり、ミノ太郎の移動マスの見誤りとミノ三郎のスキル発動タイミングによっては敗北の可能性が出てくる。
(36ターン目)
「さぁどうする?貴様のターンだ」
富野が菜蔵に問い掛けてくる。
「ふふふ、ハッハッハ!」
菜蔵が笑い始める。
「な、何がおかしい!」
「今まで闘ってきたのは全部囮だっつーの」
「囮だと!?」
「俺の狙いは最初からミノ二郎のスキルを無駄打ちさせること、さすがに本命のスキルを消されたんじゃ勝ち目が無くなっちまうからな!」
「EXモンスターのスキル発動が囮だと!?」
「そうともよ、こっちが俺の決まり手!EXモンスター菜王スイ・カーンを登場させるぜ!」
「コイツはD〜F列に相手のコマが15体以上居ないと登場させられないスゲェ出し辛い登場条件があるが、細かい相手を倒したい今回みたいな状況では最強のコマだぜ!」
菜蔵の陣地中央に、王冠、マントを着けた巨大なスイカのコマが出現した。
「コイツはスキルで相手の陣地最奥まで転がっていって、D〜F列に存在する全てのコマに「10」ダメージを与えることが出来る!」
「何だと!?」
「マスの隙間に挟まっているから選べこそしないが、壁トークンだってモンスターだ、スキルの対象内だぜ!」
「行けースイ・カーン!邪魔するヤツらはひき潰せ!」
菜王スイ・カーンが転がりだし富野の陣地まで爆速すると、壁トークンは次々と破壊され迷宮出現の効果適用も破棄された。
富野は戦慄する。
「まさか、こんなことで、俺の鉄壁の迷宮が…」
「おぉー、スゲェポイントだぜ!」
壁トークンはポイントが2与えられており、それが21体破壊されたため、菜蔵の獲得ポイント数は42、今までミノ太郎に倒された野菜モンスター達のポイントを大きく上回っていた。
「おいおいマジかよ!」
ここで運が菜蔵に味方する。
なんとたまたまD〜F列にミノ二郎とミノ三郎が潜んでおり菜王スイ・カーンのスキルに巻き込まれて撃破されていたため、残るコマはミノ太郎のみとなっていた。
富野は体を震わせている。
「私が敗けるだと?」
「絶対にやらせん、やらせはせんぞー!」
富野は大声で叫ぶ。
「ミノ二郎とミノ三郎が撃破された時、ミノ太郎の昇格条件が達成される!」
「ミノ太郎を牛魔王_ドン・ミノ太郎に昇格させる!」
ミノ太郎が天高く咆哮すると、筋肉が怒張し始め、赤黒い体表の巨大な牛のモンスターへと姿を変えた。
「パワー60 !これこそが私のプライド!」
「貴様を私が超えられるか!」
「くぅ~!待ってたぜこういうシチュエーション!」
菜蔵は喜びで涙目になっている。
「EXデッキからEXモンスター菜王ドデカブキングを登場させるぜ!登場条件は相手がパワー60以上のコマを登場させていることだ!」
フィールドには歌舞伎役者のような格好をしたカブのキャラクターが登場していた。
「魅せるぜ男気!菜王ドデカブキングのスキル発動!自分の野菜モンスターを好きな数破壊して、破壊したモンスターのパワーをそのままコイツに上乗せする!」
「ば、馬鹿な…」
「俺は菜王ドデカブキング以外の全ての野菜モンスターを破壊!全てのパワーを菜王ドデカブキングに上乗せさせて、菜王ドデカブキングの今のパワーは63だぜ!」
「俺の勝利が、割当中の夢が、こんなところで…」
富野の姿勢が絶望で歪み始める。
「公式戦でデカいモンスター同士のぶつけ合い、一度やって見たかったんだよ!」
「力と力の勝負だ!恨みっこなしだぜ!あばよ!!」
「グアアアアッ!!」
菜王ドデカブキングの一刀両断で牛魔王_ドン・ミノ太郎は爆発四散し、菜蔵は満足のいく勝利を収めることが出来た。
何故か富野はテーブルから吹き飛ばされていた。
「お、おい大丈夫か!?」
慌てて菜蔵は富野に駆け寄る。
しかし富野は介助を断る。
「涙を見られたくない、放っておいてくれ…」
「やったな菜蔵!」
「ありがとう菜蔵くん!」
「迫力ある闘いだったぞ菜蔵!」
3人は帰還した菜蔵を口々に褒め称える。
菜蔵は青島に声を掛ける。
「俺の気は済んだ、さっきは悪かったな」
「えっ?」
「行ってこいよ、次にお前が負けたとしても俺は絶対にお前を責めねぇ!」
「ただ、満足のいくように闘ってこいよな!」
「…分かりましたので」
意を決して青島は試合場に向かう。
(皆の頑張りを無駄にしないためにも)
(皆の仲間でいるためにも)
(この試合は何があっても負けられないので!)
割当中の控え席で茂手木が怪しく微笑んでいる。
「来るが良い凡夫が」
「我の崇高なる志しの前に平伏させてやるのじゃ」
(第14-2話 終)
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