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第14-1話 脱出不可能!?トミノの迷宮

全国コマバト選手権2回戦第4戦、2敗という後の無い状況で菜蔵が試合に向かう。


「うおっ」

対戦相手の姿を見て菜蔵は面を食らう。

富野はロボットアニメの主役機のお面を顔に付けていた。

腕組みをした状態で富野が話す。

「俺のプライバシーを守るためだ、許せ」

菜蔵も本来ならば替え玉防止の観点や、顔から戦略の糸口を探すためお面を外させたいところであるが、

(なんかどっしりと構えてるし、指摘したらしたどで面倒くさそうな雰囲気あるし言い出せねぇ〜)

(ていうか、また顔を隠したやつが相手かよ!)


富野太郎: デッキ名「迷宮に棲まうミノ三兄弟」

ギリシア神話のミノタウロス伝説をモチーフとしたデッキ。

後述の俺ルールカードによって相手のコマを各個撃破するのが基本戦術となっている。


(1ターン目)

試合開始早々富野が動く。

「いきなりで悪いが、これも戦術なのでな」

「俺ルールカード発動迷宮出現!私の陣地から中間エリアに掛けて、壁トークンで構成されている迷宮マップを出現させる!」

「迷宮マップ?」

菜蔵が疑問に思っていると、地鳴りを上げてフィールドから巨大な迷宮が現れた。

壁トークンはマスとマスのライン上に配置されており、コマ1体分の通り道は確保されている状況だ。

「ん?ちょっと待て!お前のコマは?」

迷宮マップの大方のルートを確認した菜蔵が気づく。

富野のモンスターが見当たらないのである。

「中が把握出来る迷宮などあるわけが無いだろう、自分の力で確かめることだ」

「何だよまたかくれんぼかよ!」

まさかの2試合連続で相手のコマが見えない状態で闘うことになり、菜蔵は頭を抱える。

富野は話を続ける。

「私の迷宮マップへの不参加は許されんぞ、迷宮出現の効果で、迷宮マップ内に相手モンスターが居ない場合、私はターン開始時に貴様のコマを1体破壊出来るのだからな!」

「あーもう、分かったっつーの!」

半強制的に菜蔵は視界不良の迷宮マップでの闘いを余儀なくされる。

(唯一の希望は移動中のバトル開始のアナウンス)

(そこでモンスターの位置とパワーを把握して、相手が逃げ切る前に全力を叩きこむしかない!)


(5ターン目)

迷宮マップ内には先遣隊としてニンジン兵士、ジャガイモ兵士、ニンニク兵士がそれぞれ1体ずつ投入されている。

菜蔵が指示を出す。

「ニンジン兵士を移動」

〈相手モンスターと接触しました、バトルを開始します〉

「来たか!」

菜蔵は画面を確認する。

相手のコマの名前はミノ太郎。

パワーは30だった。

(パワー30!?初期配置出来るモンスターなのにパワーが化け物過ぎんだろ!)

当然の如くバトルでニンジン兵士は破壊され、ミノ太郎のパワーは26になる。

富野が話し出す。

「貴様にも見えたか、俺のエースの姿が」

「この強大なパワーを前に、貴様は攻略出来るか?」

菜蔵も言い返す。

「へっ、パワーこそ化け物だが場所が分かればこっちのもんよ、あっという間に削り切ってやるぜ!」

「いい心意気だ、ミノ太郎を移動する」

「ジャガイモ兵士を移動だ!」

菜蔵はジャガイモ兵士の移動先を選択する。

(ミノ太郎も流石に遠くまで動けないはず、さっきバトルのマスの追加2コマでどうだ?)

ジャガイモ兵士は移動したがバトル開始のアナウンスは流れなかった。

富野が話し出す。

「言い忘れていたが、迷宮出現の効果により、相手のコマは移動先がミノ太郎とぴったり同じマスに止まらないとバトルは発生しないぞ」

「先に言ってくれよー!」

つまり運次第ではあるが、富野はミノ太郎の苦手な相手とのバトルを避けることが出来るということである。

富野は続けてこう言った。

「しかしミノ太郎を倒せた暁には、迷宮出現の効果適用で貴様の勝利だ、悪くない駆け引きだろう?」

富野にターンが回ってくる。

「ミノ太郎を移動、ニンニク兵士とバトルだ」

ニンニク兵士のパワーは3、当然ミノ太郎が勝ち、パワーは23となる。


(10ターン目)

菜蔵は2体目のニンニク兵士のスキルを使用しようとする。

(ニンニク兵士のスキルは自身のパワーを3上げることが出来る)

(ターンも掛かるしカッコは悪いが、ミノ太郎とのイタチごっこを防ぐためにはこれしかねぇ!)

「ニンニク兵士のスキル発動!自身のパワーを+3!」

しかしこれに富野が待ったを掛ける。

「おっと、それは看過できんな」

「ミノ二郎のスキル発動!相手のコマを選び、そのコマはゲーム中スキルを使用出来なくなる!」

「何!?、ミノ二郎!?」

迷宮内にまさかの伏兵が潜んでいたことに菜蔵は驚く。

「選ぶのはもちろんニンニク兵士、大人しくしていてもらおうか」

この富野の一手で、菜蔵の一撃必殺作戦は失敗となってしまった。

「そしてミノ太郎で移動、ジャガイモ兵士とバトルだ」

ジャガイモ兵士のパワーは4、ミノ太郎が勝ち、パワーは19となる。

「さぁ、これで貴様のモンスターは迷宮マップから消え去った」

「言いたいことは分かるな?」

「クソッ、ニンニク兵士を移動!」

菜蔵はスキルの使用が出来なくなったニンニク兵士を捨て駒として迷宮マップ内に投入する。

富野にターンが移る。

「休息を取らせてもらおうか、ミノ三郎のスキル発動、ミノ太郎のパワーを+10する!」

「ミノ三郎!?まだ潜んでいやがったのかよ、っていうかパワー+10とかエグいって!」


富野の一方的な試合運びに控え席の4人も心配そうに試合を見つめている。

「菜蔵にとって大分厳しい試合になりそうですね」

「あぁ、相手はある程度バトルする相手を選べる上に厄介なスキルは封印、パワー消耗には回復と展開にスキがない」

「菜蔵くん、何とか勝って青島ちゃんまで繋げて…」

「…」

青島は黙りこくっている。

駒場が話し出す。

「だが前の試合とは菜蔵も一味違うようだぜ!」

「えっ?」

天塚は聞き返す。

「深海との闘いじゃ終始相手を探そうと焦ってた顔が妙に落ち着いて見える、多分逆転の策があるんだろうぜ」

「だといいんだけど…」


(30ターン目)

菜蔵が動く。

「こっからは突っ込むぜ!俺ルールカード発動精力増強!発動条件は30ターン経過後の今まさにだぜ!」

「効果は俺の野菜モンスター達のパワーが全て+3だぜ!」

野菜モンスター達もフィールドから雄叫びを上げる。

「なるほど、徹底抗戦というわけか」

富野は気を引き締める。

「ピーマン兵士を移動!」

〈相手モンスターと接触しました、バトルを開始します〉

「よし!」

ピーマン兵士のパワーは6、ミノ太郎が勝ち、パワーは24となる。

「ピーマン兵士のスキル発動!バトルで相手のコマに敗北したとき、相手のコマを3ターン動けなくするぜ!」

「何っ!?」

ピーマン兵士のまさかの効果に富野は驚く。

「それではミノ二郎を移動する」

「タマネギ兵士を移動!」

〈相手モンスターと接触しました、バトルを開始します〉

タマネギ兵士のパワーは7、ミノ太郎が勝ち、パワーは17となる。

「それではミノ二郎を移動する」

「キャベツ兵士を移動!」

〈相手モンスターと接触しました、バトルを開始します〉

キャベツ兵士のパワーは8、ミノ太郎が勝ち、パワーは9となる。

「危ういな、ミノ三郎のスキル発動、ミノ太郎のパワーを+10する!」

「キャベツ兵士を移動!」

〈相手モンスターと接触しました、バトルを開始します〉

キャベツ兵士のパワーは8、ミノ太郎が勝ち、パワーは11となる。

「まだ終わらんよ!ミノ三郎のスキル発動、ミノ太郎のパワーを+10する!」

「まだ居たのかよ!?」

まさかの2体目のミノ三郎の登場で、ミノ太郎の撃破ラインをずらされてしまった。

「いい闘いだったが、詰めが甘かったようだな」

「ミノ太郎を移動する!」

「くっそ〜」

ピーマン兵士の移動縛りも解除され、ミノ太郎は迷宮の奥に消えていった。


(第14-1話 終)

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