Section8
Erna
――いよいよコンサートを明日に控えながら、私はアルフォンスと一緒に夕食をとっていた。
明日のコンサートはいつも参加しているものとは大きさが違うってシエラちゃんは言ってたけど……
なんだか明日のことを考えると今から緊張しちゃう。
「――エルナお嬢様、どうされましたか?」
私の様子を察したのか、アルフォンスが聞いてくる。
「なんか明日のコンサートのことを考えてたら緊張しちゃって……」
「……そうでしたか。でも大丈夫です、お嬢様は今まで練習してきたことを出し切ればいいのですから」
「……うん。そうだよね。」
私はいままで練習してきたことを出し切ればいいんだよね。
緊張して弾けなくなっちゃったら元も子もないし。
シエラちゃんと一緒にコンサートを成功させて、やっぱりブロンシェルに行きたいと思う。
そのためにはコンサートを成功させないと。
「私もだけどシエラちゃんも上手く演奏できるといいな」
私は独り言のようにつぶやく。
でも、そんな独り言にアルフォンスは答えてくれた。
「……たぶん、上手くいくと思いますよ。もしシエラ嬢が上手くいかなかったら、お嬢様が頑張ってください」
「うん、頑張る」
そうだよね、明日のために頑張ってきたんだから。
――明日演奏できなきゃ意味がないよね。
だから頑張ろう、私が出来る限り。
……と思ったけど、なんかアルフォンスが暗い顔をしてる。
「アルフォンス、どうしたの?」
「いえ……なんでもないですよ」
……今絶対嘘ついたよね。
なんとなく今表情に出てたもん。
私は疑問に思ったのでアルフォンスに聞いてみた。
「……なんでもなくないでしょ、今何か隠したよね?」
しばらく考え込んだ後、アルフォンスは答えた。
「……お嬢様が上手くいくか不安だったのです、心配そうにしていたので」
……なんだ、そんな事だったんだ。
私さっき頑張るって言ったのに……それにアルフォンスがさっき大丈夫って言ったんだよね。
「私のことなら大丈夫だよ、さっきアルフォンスが応援してくれたから」
「……そうですか、それならいいのですが……」
アルフォンスはちょっと心配性だよね。
そんなに心配されると困っちゃう。
(――あ、そういえばアルフォンスは明日来てくれるのかな……?)
たぶん来てくれるとは思うんだけど……
そう思った私はアルフォンスに聞いてみることにする。
「アルフォンス、明日のコンサート来てくれるんだよね……?」
「……えぇ、行きますよ」
やっぱり来てくれるんだ。
それなら私もちゃんと演奏しないと。
「……よかった。じゃあ明日私がんばって演奏するから楽しみにしててね」
「……はい、お嬢様。分かりました」
――何だか、アルフォンスが来てくれるなら弾けるような気がしてくる。
シエラちゃんと一緒に頑張ればいいんだよね。
(――今日もたくさん練習したし、明日に備えて今日は寝ようかな)
そう思った私は夕食の後はすぐに寝る準備をして、その日はもう寝ることにした。




