№031 格闘家は身体を鍛え、科学者は核反応を発見する 【DKS】
お 待 た せ !(待たれてない。
よーしよし前回宣言通りの週刊投稿だ
このまま調子を取り戻せ~(リハビリ感
グラゲィズという名の少女は、この集落の長であるエーリウ=マトローナの娘に当たる。
集落では最も若く歳は今年で15になるが、その身体は他のエルフらほどでは無いが良く育っている。
まだ若い分、姉や叔母を始めとした集落の女らには未だ届かない程度だが、豊かに膨らんだ乳房などは未だ走ることにも不適でもない。
なので伝令や緊急の時には、彼女が良く使い走りへと回される。
そう、姉。
彼女はエーリウが幾人か産んだ、子供たちの末になる。
『邑で一番若い』と云えばもっと未熟な5・7程の『女児』が幾人か居るのだが、彼女らは邑の『仕事』に順ずれるほどでも無く、また余り表立って『育てている』と見請けられるようにもし難い。
子供は宝だが、身中の虫まで受け入れて貰えるほど、この国は甘くも易しくも無い。
甘くも易しくも無いが、温くて愚鈍な国政だ。
温くて愚鈍で歯痒くはあるからこそ、彼女たちの様に『普通に』産まれている事実を、国に知られるわけには行かないのだ。
普通の人間の3倍の寿命が在り、若い時分がずっと長く老ける時節が酷く遅い。
そう語ったローラの言の通り、彼女たちの『生態』は周知である。
そのうえで出産率が人間と同等となれば、当然誰かは『血統の浸食』にも気付き始めるはずなのだ。
男たちは深くも考えずに、年若く艶冶な彼女たちを望んで抱く。
その果てにあるのは人間の血統が駆逐され尽くした、エルフとの混血による『人類の絶滅』に等しい結果を齎すのだろう。
そういう意図が彼女らに在ろうと無かろうと、『出来る』という事実を想起させる材料を見せるだけでも危機に陥る。
だからこそ、グラゲィズは邑での持ち回りを一手に懸けられていた。
最低でもあと4・5年は、彼女が邑の中と外とを走り回ることになるだろう。
『女児』らが適齢に至るまでは、随分と忙しいこととなる。
――だから、邑の詳細を国の重要人物に知られた事態を、どうにか宥めるのも彼女の仕事となる。
具体的には氏族で隠しながら育てている飛竜を邑へ呼び込むことで、あわよくば『客』纏めての口封じを敢行する仕事だ。
根本的に考えれば、至極当然の話でもあった。
【イグノディア】と呼ばれる『国』は外部からは鎖されており、幾ら国内情勢が安定しないからといって『知られない』怪物が手に負えずに蔓延ることなんて事態は先ず無い。
広大だが300年その土地で生きて来たのだ。
手に負えない怪物が悠々としていると云うのならば、それこそもっと早い段階で国家は衰退している。
それを誰もが『知らない』という認識ならば猶更だ。
怪物らは意図的に隠匿されていたことに他ならない、単純な理屈となる。
彼女たちは『待っていた』のだ。
雌伏に徹し、国政が破綻し、人理が腐敗する『いつか』に至るまで。
その『いつか』には、己らが繋いだ怪物たちの血統を解き放つ。
国家を真っ当に終焉へと導く、即ち引導を渡してやろう、と。
国力が永続し、富める国家が持続できると云うならば、それこそ反旗を翻す必要も無い。
しかし、だ。
奴隷として生きられる、生かされる前提が覆されるというならば、何時までもしがみついている必要も無く。
結局は、『彼ら』が上手く出来なかったから『判断』を付けたという。
ただそれだけの話である。
一応は擁護するが、『今の時点』で反乱の兆しを挙げようなどと、そんな大それた話では無い。
敢えて言うならば、シャーロットは間が悪かった。
国主の娘として、届き出の無い集落から税またはそれに近しい許可を得ようと思うことは間違いでは無い。
しかし彼女は婚約者(と一方的に認識しているだけの可能性が微レ存)を寝取られたことで憤慨極まりない精神状態に陥っており、その気分の儘に集落へ被害を齎すと公言してしまっていた。
その場面を昨夜に覗いてしまったグラゲィズが、危機感を抱いてしまったことが第一の悲劇。
覆す手段を模索するも、時間が無いと思い込めば、選択肢は限られる。
昨夜のうちに襲撃か暗殺を実行しなかったのは、飽く迄『事故』に見せかけるためだ。
万が一、生き残りに証言でもされれば、その時こそこの集落が危うい話になるのだから。
ちなみに屍犬は完全に彼女らが想定していなかったエンカウントである。
どういう生き物なのか、何故襲ってきたのか。
未だによく判られていないままだ。
だがしかし、
「(嘘ぉ……)」
グラゲィズはその結末をまともに受け止められず、ただただ茫然としてしまっていた。
単純に、カラスマと呼ばれた少年が蹴落としただけで飛竜が沈黙したという、これもまた『それだけの話』であるのだが。
◇ ◆ ◇ ◆
ヒリュウなる生き物は4~5メートルくらいには大きかっただろうか。
いわゆる【ワイバーン】と分類できるのであろう腕が翼になっているタイプのドラゴンで、森の木々を飛び越えてこの集落を一直線に襲ってきたみたいだ。
明らかに何処か人為的な作為を感じるのだけども、それを烏丸くんはサマーソルトで蹴り落とした。
俗に言うオーバーヘッドなキックで、広場のど真ん中にわっしょいとゴールが決められた。
ワンパンマンかお前は。
事件を早々に解決しちゃったらドラマも盛り上がりもなんもねぇよ。
「いや、別にいいんだけどね。悠々とした旅を出来てるっていう安全と安心の保障が働いているっていうだけの話だしね?」
口では納得の科白も吐けれるが、思わず内心の口は悪くなる。
納得がいかないのは、要するにそういうことだ。
見せ場が、無い。
折角彼謹製の魔導刻印なる超能力をガチャで当てたと云うのに、ダンジョンで使う以外に使用例が根本的に少ないのである。
異能バトルとかどっかんどっかん仕掛け合いたいぜよ~。
折角の非日常異世界系ジュブナイルなのに、盛り上がりに欠けるったらないよまったくもう(憤慨。
「んー、表皮はトカゲより蛇かな。ただ鱗の頑丈さがそこらの蛇とは比べ物にならない。刃物は通じず、生物として『やや厄介』。牙には毒腺……、この構造だと噴き出すこともできる?」
「聴いてないし……!」
件の本人は狩り墜とした飛竜をじっくりと解析していた。
傍目には触ったりして『観察』だけしているようにも見えるのだけど、ボクの目には黒い霧みたいなスタ●ドとゆーかネフ●ルピトーの『円』みたいな『領域』が飛竜をがっつりと覆い尽くしている。
うん、これもう死んでるよね。
初手だけなら脳震盪で済んでいたかも知れないけど、『生きてるモノ』にこういう術を向けるような倫理なんて烏丸くん持ってないはずだし。
「翼竜みたいなタイプかと思ったんですけど、この重量でこの羽根だと普通に考えても飛べないはず。やっぱりこの世界って魔法的な『効果』が永続的に作用してますねー」
「ゲーム的な世界ってこと?」
「いやいや、魔法ってのは要するに『異なる法則』という側面でもありますからね。その解釈でも間違っても居ませんが、飽く迄も現実の延長線上ですよ。『無理を通して道理を引かせる』因果を逆転させるような現象もまた起こり得ますけど、保障なしに失くしたものまで無理なく元通り、みたいな『事実』にまではどうやったって吊り合いませんって」
言で煙に捲こうという雰囲気も感じるけど、彼の言いたいことは要するに『リセットボタンは使えても掛けた時間までは戻らない』みたいな意味合いだろう。
魔法的に、奇跡的に、何らかの代償失くしての得難い成果を求めれば、いずれ得られることも無理ではない。
しかしそれを手にした時には、きっと何かを失っている筈なのだ。みたいな。
霧間誠一みたいな哲学的言い回しを、この怪物の解析で顕わとしているのかも知れない彼は。
飛竜のアレコレとはまた別方向の解釈になっている気もするが。
「いや、というか、烏丸。お前、普通に強いな」
「せやな。あんな立体起動みたいなバトル無理なく出来たんか」
やや茫然としていたカナちゃんが、素直に称賛の声を出す。
カイチョーの喩えも言い得て妙だが、格ゲーみたいな身体制御だったので合っても居る。
「ん? アレってそんなに凄い動きだったの?」
「いや、アンタが出来ない動きしてるんだから、そりゃあ凄いでしょう?」
ヒトの事を暗にニートと言いたいのか、このパッションピンクは。
いやそうじゃなくて、
「烏丸くんの本領は魔法使うみたいな砲台タイプやん。城に穴開けた時も、基本的に腕を振り翳しただけやったで?」
「そうじゃなくてね。そもそもの話、王様の首をちょんぱした時だって烏丸くんは距離詰めも一寸だったじゃない。縮地? とか無拍子とか? カナちゃんもできるんでしょ?」
あれ、なんでみんなキョトンとしてるの。
「………………タク、アンタ、カナエくんの道場での技術とか覚えてたの?」
「流石に其処まで無関心じゃないんですけど」
幼なじみだよ? ほぼ姉弟か家族に近い関係性なんだよ?
近場に居て長年やってることを無視するようなだったら、それこそヒトとしてどうなの。
「いや、あんときは、認識阻害とか、そういうの使ぉておったんちゃうんか?」
「使っては居ましたけど、それで堂々首を獲りに向かうって真似普通はしないでしょう(笑)。俺は椚ヶ丘中学特別強化クラス出身じゃないんですけどw」
「やった本人がパロって茶化すんじゃない」
笑い話に済ませようとはしてるのだろうけどもね。意訳に草が生えてるし。
あと多分彼の言いたいことは、暗殺には技術云々よりも精神が重要だっていうことなのかも知れない。例のE組担任の触手先生も言ってた。言ってたはず(曖昧。
「いや、俺も技術としては可能だが、な。ウチの道場の基本技能が無拍子からだし」
「頭狂っとる道場やな。武道の一種の超越技能やで?」
「カイチョー、カナちゃんが空気切り替えてきてるんだから茶化さないの。意見には同意」
んんっ、と咳込んでカナちゃんが続ける。
「それでも、俺は飛んでる相手に飛び掛かって叩き落とす真似で対応は出来ない。しかも意識を縫うように襲撃を掛けるとか、完全に無拍子の1段階上だ。その上あんな体勢だったのに威力が落ちない、体幹もしっかりと出来ている。謂わば、技術と根気の積み重ね、血と汗と習練の結実……。 烏丸、お前普通にウチの師匠のレベルに届いていないか。どれだけの修練を積めばそこまで行けるんだ……」
凄い称賛の嵐だ。
一種の武闘家、または剣術家として認めざるを得ない位置に烏丸くんが置かれたらしい。
しかし、烏丸くんの返事はと云えば、
「……なんかメチャクチャ褒められてる。えっ、怖」
ドン引きされてた。
まあ、気持ちはわかる。
ボクの見立てからしても、『技術は技術』という心持ちを彼も抱いてるのだろう。
だからこそ技術自体は凄いけど、ボクだって「本人が達人ってわけじゃないんじゃないの?」と言いたかったわけだし。
若しくは、「もう『出来る』っていうことを『さすおに!』するのは、誰だって辟易しない?」とか。
それが「初めてやったのに上手く出来た!」という『出来るかどうかわからない』状態からの行動帰結なら、普通に褒められる出来栄えなのだろうけれどね。
それこそ幼子に対する『褒め伸ばし』だね。
「うーん……。俺の『出来る』のは縮地と無拍子と雲耀の亜種くらいですよ? 根本的に体幹の『均し』以上の真似は出来ないししないんで、先輩の云うほどの武術家でもないんで……。なんかゴメンナサイ」
「いや、謝られてもな……」
わぁ、変な空気になったー。
まあそうだよねぇ、烏丸くん本人の談を借りるなら、彼は『学術家』だっていう話だろうし。
そもそもが『学士』だって名乗ってもいたし、ね。
本人からすれば、討伐は片手間に終わらせて、『その後』の方が重要なのだろう。
今みたいに。
「まあ話切り替えていこうか。で、この飛竜とやらはどうするの?」
「ですね。どうしたらいい?」
漸く本題、とでも言うように、烏丸くんはエーリウさんに振り返る。
エルフの方々は、どうにもこの飛竜を討伐した段階で、遠巻きに見るに留まっていたわけだけど。
なんだろうね、ゾンビドッグ斃した時みたいに称賛にも来ないぜ。
なんだろうねぇ?
~唐突な他人視点(三人称
番外や幕間にするのも考慮したけど一応本文なので見逃してください
相変わらず小説というより設定垂れ流しみたいな文章書いてるけども許してください
~飛竜
ワイバーンという名称が何気にかなり近代の名付け。云千年云百年等と言う設定の世界線でそっちが出たらデトロイト市警に攻め込まれても文句言えない。ゲーム知識だけで話造ると間違いなく詰むので、これから書くぜって人はホントに気を付けよう!
ちなみに元語にした『ヴィーヴル』はフランス出身。いかん、俺のところにも市警が…!
だだだだーいじょうぶ、語源はラテン語の蝮とかって話だしぃ!?
~事故に見せかけられて殺害計画練られる姫様
でも隠れ里見つけたのは烏丸だし、姫様憤慨した原因もホイホイ話とエルフに乗っかった烏丸
つまり大体烏丸の所為(DKS
~雲耀
示現流兵法剣術において太刀の打ち込みの速さを示す言葉。技術ではない
この話の場合、技術そのものの一環みたいな扱いになって居るが、元ネタありきの漫画技として捉えれば問題は無い。しなこいっ!で検索検索ぅ!
水樹奈々さんの主題歌が、大好きです…っ!(尚、カラオケには未登録
~尾末
ねっとりとした脳内疑問
コイツ、気づいてない…!?
ヒロインがピンチになって救われる。ええ、一種のテンプレですよね
その果てにそのヒロインが連れ歩かれるだけの承認欲求botみたいなキャラになってしまうのもここいらの界隈ではテンプレでしたよねぇ
それはさておき、エルフの扱いに一石を投じていられるわけでも無いかとも思います
妖精って伝承探れば探るほど隷属種族みたいな側面がありますし
序でに主側にも堕落させようとする傾向も
プライド高いーとかソンゲンガーとかはそういうムーヴなのでは?って解釈
異論は認めます
あとモチベになるんで感想ください
次回もまた来週目指して描き始めます




