№032 話、進まず 【作者、やらかす】
サブタイが全てを物語ってます
やらかしたぁー!って思って細部を詰め直し。話分ありますけど気にしない人にとってはホントサブタイ通りでしかないっていう
読まれてるのか反応が無いので判別付きませんが所詮小説なんぞ独り善がりよォの精神で今週分も投稿
詳細はあとがきにて(でも此れも読まれる必要も無い枠外事項なんじゃよねぇー!)
「……烏丸くんさぁ、馬や牛はモンスター扱いで、家畜として飼育されてないって言ってたよね」
「? えぇ、云いましたねぇ」
「じゃあさぁ………………、ボクらをこの辺りまで乗せて来た【馬車】を引いていた動物って、何?」
「……キンジョーちゃん先輩のような勘の良いガキは嫌いだよ」
何処の綴命さんだよコノヤロー。
誤魔化して無いで質問に答えろ。
◇ ◆ ◇ ◆
現在は話に挙がった馬車の車中。
国の端の砂漠まで向かい森の街道にUターンして途中下車した時とは違い、メンバー全員が1台の馬車に乗っている。
なので総勢12名。馬車を外から見た大まかな広さは、精々が6人乗りのワゴン車くらいである。
文章に顕せば密集率が完全に倍なので『すし詰め』かと思われることだろう。
しかし、意外と余裕があるのは何故なのか。
外から見た時以上に広く感じる理屈を問うてみたわけだが、
『空間拡張の魔術を施してあります。外部から測れない一定以下の閉塞空間は概念的に余剰がありますので、幌と領布さえ外さなければ、このくらいの馬車なら20人ほど寝て過ごせる広さを確保できますね』
『はいはいまた出たよチート魔導士野郎が』
『これはあちらでも多用されてましたけど……?』
備長炭の隙間がどーのとか、小腸の繊毛を広げるとどーのとか、フラクタルな構造物などにも見られる『折り畳み』に置換できる空間余剰がどーのだとか。
喩えに小理屈を並べつつ自然界の事象を転用したテクノロジーの一種だと烏丸くんには語られたが、関係無い事例で煙に撒かれている感がヒシヒシと。
それガチ理論? むしろ騙ってない?
『そもそもがテクノロジーだって云うのなら魔術っていうカテゴリチョイスが間違ってない?』
『信用とか詐称とかに留意したい気持ちもわかりますけど、小難しい理屈が理解できなくても技術として扱われてるモノのひとつやふたつ幾らでもあるでしょうに。パソコンとかが良い例かと』
『全然関係ない理屈並べ立てられた詭弁の匂いがする!』
納得は出来るけどしたくなァい!
まあ難しい話はさておいて。
来た時に3台乗っていた馬車がいきなり2台減っている事情については、烏丸くんが蹴落とした飛竜に関係する。
ぶっちゃけると、エルフの隠れ里に余暇に来ていた山賊の方々に、馬車と飛竜とを売っぱらいました。
『正直言って活用しようっていう気が起きないんで、現地の方々に売っちゃっても構いませんよね?』
『烏丸くんのことだから、狩り取った獲物は余さず利用するもんかと思うたが……』
『それも在りと云っちゃあ在りですが、』
ジッサイ、飛竜の外皮は見た目が蛇なだけで爬虫類の質を上限突破し鋼鉄並みに頑丈で、それが生物的な柔軟性を維持しつつ大型の獣ほども在れば色々な武器や道具に転用できそうだとは語られた。
俗に言う【ファンタジー素材】という奴だね。
……あれっ、回想終わってない……。
『お気づきだとは思いますけどキナ臭い。こういうモノは敢えて触れずに、届かない場所に見送る方がイイんですよ』
『まぁねぇ……』
『それに、どちらかと云えば『こういうモノ』を利用できるかも知れない『現地の技術』にこそ興味がありますし』
煙草を銜えてフフーフとでも哂っていそうな目つきで、烏丸くんは狡猾な伺いをエルフらへと向けていた。令嬢系武器商人かな?
事実『2日続けての別口からの襲撃』という現状は、ボクたちのような素人の目から見ても『わざとらしい』。
最初がどうかは知らないが、2度目の襲撃に関しては怪しいことこの上ない。
ワイバーン撃墜した烏丸くんに賛美の声も無い遠巻きな伺いなので、単純に畏怖されているのかもと思いもしたけど。
だとしても、プロが内心どう思っていようともお客を不快にさせたりするかねぇ? とキャ●クラ経営目線で疑いの眼差しを向けてしまうのである。嫌な客だなぁ。
そして現地素材に関しては云うことは無い。
どちらかと云えば烏丸くん謹製ダンジョンからのドロップ品の方が高品質高評価だし、そもそもが誰に決定権があるかと云えば撃墜した張本人だろう。
そんなわけで、Storageに仕舞ってあった馬車を引っ張り出し、2台を山賊の皆様へ呈上。
代金として近くの街までの護衛と道案内。
片方に飛竜を積ませて、もう片方には何人かの山賊が乗り込んで馬車を引きつつ先導。
最後尾を付いて往くのがボクたちの馬車だ。
『山賊に、道案内を頼むのか……』
『野営時に襲撃されるかも知れないな。気を引き締めておこう』
女騎士コンビがそんなことを言ってた。
渋い顔で済んだローラさんと、完全に信用しない体のリヴィさんが代弁したけど、概ね女子からの評価はお察し。
まあ、こちらはパッと見て女子だらけの集団だし、一応は村人の青年団だって話だけどもヒトは見た目が9割だ。
それにエルフという名の娼婦に入れ込んでいた女好き集団だし、信用度は妥当。
でもさぁ、飛竜を片手間で撃墜した烏丸くんに及び腰だったのを見ちゃうとさぁ。
ドデカイ難題踏み越えてまで、スケベ心に忠実になれるかと思うと疑問が浮かぶ。
『多少の無理をすれば抱ける女性を味わったその脚で、多少以上の障害を越えるほどの意気込みを望むだけの『イイ女』だと自分たちを自負するのならば云う事は在りませんが』
『ならば猶更気を付けないとな。私たちは『良い女』だからな!』
『アッハイ』
珍しく烏丸くんが言い及んでいた。
リヴィさんの自尊心が頗る高い。
烏丸くんも言ったけど、大丈夫だろうなぁとは思う。
あのひとたちそもそも、エルフの里でボクらを目の当たりにした第一声が『なんだガキか…』だったしな!
それに、
『飛竜並みの大きさの狼が牽引してる馬車とそのメンバーを、そもそも襲うかなぁ……』
馬車と一緒に、烏丸くんがStorageから引っ張り出したティムモンスターだ。
従魔とか眷獣とか、世界観によっちゃ色々名称付いてるだろうけど、カテゴリとしては大体同じだろう。
烏丸くんは【クタァト】と呼んでいたが、ボクらの言葉も理解している節もある賢い巨狼である。
異世界モノジュブナイルだと狼系のモンスターをとにかく仲間にしたがるのって、もう通例だよね。
もの●け姫とかでもだけど、浪漫があるからわかる。
『でしたら、もしもあの方たちが我慢を利かせられないとなれば、私が身を差し出しますわ。もちろんソラ様の許可を優先いたしますが……』
そしてシナを造りつつ烏丸くんへ身を寄せるエーリウさん。
エルフの里から出向して来た元酋長が、普通に馬車に同乗していた。
先立って12人って言ったから、敏い人なら計算できてるだろうけど。
ボクら被召喚組がカナちゃんカイチョーパッションピンクボク烏丸くん併せて5人、シャーロット様とローラさんリヴィさんの異世界上流階級組で3人、ハイメちゃんウィティヒちゃんヒャルティちゃんの幼女メイドが3人、そして最後の12人目が彼女になる。
ちなみに里を出向するに能って、彼女は娘さんと名前を交換したらしく『グラゲィズ』さんと呼ぶことを求められた。どういう理由かは知らないけど、多分エルフ成りの異文化なのだろう。
『さすがですわソラ様! 邑を襲う飛竜を難なく斃せるなんて!』
遠巻きな畏怖の目をエルフらが烏丸くんへ向ける中、エーリウさんは真っ先にヨイショと擦り寄って来ていた。
そして毒を吐く飛竜の脅威を言葉巧みに募り、それを撃退した勇気在る者に捧げられるべき物が里には無いこと。
その結果として自らが【奴隷】として身を差し出す以外に手段はない、と彼女は宣言したのである。
回想の中の回想。
『長! 何も貴女が自ら、』
『いいえグラゲィズ、これは私が『立場として行わなくてはならない事』なの。私以外では価値が無く、意味も無い。そうでなくては、『私たち』は『全て』を差し出さなくてはならなくなるわ』
『っ、長……っ』
『……『次』は貴女が継ぎなさい。『外』を知るからこそ、執るべき事を知ってる筈よ』
『母さん……っ』
こんな会話があったとかなんとか。
まあ、茶番っぽいよね。
言葉の裏側に何か色々と暗喩が含まれてる気がするぜ。
『てか『エーリウ=マトローナ』って襲名性だったんだね、歌舞伎かな』
『あー。古いケルトの女神に【エーリウ】と【デア・マトローナ】というのがありますね、意味がそれぞれ『豊満な者』と『大いなる母』とか。トゥアハ・デ・ダナーン神話の【エーリウ】はフォモール族の王であり実の兄であるエラザと【ブレス】という暴君を生んだ女神、【デア・マトローナ】は5世紀くらいまでのローマやフランスなんかで民衆に崇められた『女神』や『母神』を総括する言語ですね』
隠れ里で別れのシーンを眺める傍らで、烏丸くんにさらりとトリビアを披露された。
よく知ってるね、そんな細かい話。
『で、【グラゲーズ・アンヌーン】という妖精の伝承がウェールズにあったはずです。名前の意味が『妖精国の夫人』、妖精側の決め事を順守する限り、延々と夫に尽くす良妻となる妖精の伝承です。 異種婚姻譚は人間側が必ず何事かの約束事を破ってご破算になるのですが、この伝承は何をどうしたらご破算になれるのかってくらい緩い婚姻でしたね。むしろ奴隷推奨の説話だったかと。 基督教の聖人が妖精の説話に摩り替えたんだったかな?』
『よく知ってたねそんな細かい上に都合の良い話!?』
『まあ仮にも魔導系・魔法系の解釈や解説を抱えておかないと、対抗策を組み難かったもので……』
若干遠い目で懐かしむ様に言葉を吐く。
まあ彼チート魔導士だし、魔女とか世界の敵とかと戦ってたのかも知れない。詳しくは訊かない。
『しかし薄々感じてましたけど、元の世界とかなり繋がってますよね。翻訳されてるにしては、共通項が多い。かなり昔に俺たちの世界から分岐した並行世界なのかも知れませんね』
『え。でも異世界転位モノってそういうモノなんじゃないの? 妙にニッチな言語や文化を基にしたりしてさ、時たまオリジナル言語とかが飛び出す』
『そんな身も蓋も無い』
英語でルビが振ってあったかと思いきや何語?っていうモノが偶に混じってたりして萎えるヤツ。
一貫されてりゃ潔いけど、発表側の都合で筋道大幅に外されたりすると続き読む気失せるよね。
◇ ◆ ◇ ◆
そんなメタい会話で回想中の回想と共に回想が終了。
漸く冒頭の、馬車云々に関してのツッコミに話は戻る。
これもまた都合で設定捻じれた可能性が微レ存。
さぁ、懺悔の時間だよ……!
「まあ、馬でしたよ。牽いてたのは。馬は馬でも一角馬でしたけど」
「そうだったの!? ……あれ? でも角なんて生えてなかったような……?」
「削られてましたからねぇ」
「何してんの!?」
さらっと超有名どころの幻獣を挙げられたわけだけど、それを更にさらっと虐待してるってなんだそれは。
動物愛護団体は、こういう場合でも抗議を上げるのかな……?
「いや話を聴くに、ユニコーンは基本『暴れ馬』な奴ららしくって。角を削っておかないとキチンと云う事を聴かないのだとか。野性味が凄いみたいですね」
「伝承にあるような処女厨っぽい性質とかで快諾させるとかじゃないんだね」
「その話自体が『こっち』には見当たりませんでしたね。むしろ幻想要素よりかは怪物寄りの凶暴性があるみたいです。4、5人掛かりで取り押さえて7、8人怪我人が出るとか」
計算合わなくない?
「元の世界でもユニコーンの処女厨伝承は後付けだとかいう説もありますし、予測の裏付けとしては妥当な話なのかと」
「フーン。で? 件のユニコーンはどうしたの? 姿見ないけど。馬刺し?」
てっきりStorageに一緒に仕舞い込んだかと思ってたんだ。
馬車出す時にも呼ばずに、他2台は山賊に自ら牽かせているし、ひょっとすれば今夜のおかずかしら、とも。
「いえ、そのまま野に返しましたよ。真っ先に捌く選択肢出すとか、俺の事どう思ってるんですか……」
やだ、そんな恥ずかしいこと言えない……っ。
とかいう冗句は噯にも出さず、ボクは胡乱な目を烏丸くんへ向けていた。
「野性を削って従えた獣を、野生へ返したの……?」
捌くより残酷な仕打ちをしてないかねキミィ。
「詳しくは知らないけど、角が生えてる以上必要なモノだよね。それをヒトの都合で削っておいて働かせたらポイって、どうなの……?」
「いやまあ、云いたいことは伝わりますがね」
烏丸くんも頷いてる辺り、ボクも見当違いの事を口にしているというわけでもないはずだ。
しかして、その選択になった理由とはなんぞや?
「馬車は王家から下賜という名目で頂戴した『所有物』だったので問題はありませんでしたけど、それを牽く『馬』に関しては誰もが『所有権』を備えないのが『この社会』では通例みたいなんですよ。其処に無理を言って購入しようという気にはなれませんし、そもそも馬を家畜として飼育する環境が培われてないらしくて」
「……つまり、使い捨てで野に放つのはこの国そのものの慣習……?」
「そういうことですね」
郷に入っては郷に従え、と言いたいのだろうか。
あまり無茶ばかり言い通しても、聴かなくなるようになっては意味も無いのだろうし、だからこそ流れに逆らわない方向性へ舵取りを続けようと云うのは判らなくもない。
でもねぇ……。
「……そうやって角の折れた奴らを次々使い捨てにするから、中々捕まらない凶暴で従わない奴ばかりが生き残って来てるんじゃないかなぁ……?」
「まあ、そうでしょうねぇ」
角の折れた個体だって野生に返しても長くないでしょ、其処から子孫を残せるとも思えないし。
悪循環だぁ……。と、ボクらの会話は益体も無く、溜め息で締め括られたのであった。
~綴命さん
原作だと娘共々傷男に速攻ミンチにされちゃったひと。ハッカーだったかサッカーだったか
命を綴る、などとカッコイイ二つ名は作者の造語だそうです
~令嬢系武器商人
ご本人は煙草吸ってなかった気もするので敢えて誰かと喩えば売国機関のヨ●ンダ少佐
でも烏丸の見た目って少年兵なんだよなぁ。まあ表情コロコロ変わるので外見だけ、ね
~馬車を牽く狼【クタァト】
フェンリルとか仲間にしたがるのって最早このサイトの様式美
でも名前からしてコイツ狼じゃなくね?
~エーリウ、マトローナ、グラゲィズ
元ネタありきで描いてたので察してた人も居たかも。敢えて本編で語る烏丸の学術家ムーヴ
ちなみにマトローナは『七つ●大罪』で知ってた人も居るかもだけど、グラゲーズ・アンヌーンはググってもミリオンアーサーしか出て来ないくらいニッチな伝承。1901年に出版されたジョンって人の『ケルトのフォークロア』っていう本に載ってるらしい
もう話の終わりに語ることでも無いのでしょうけど、牛馬に関するお話
怪物系しかいないぜ!って書いていながら既にやったことを忘れてたっていう大ポカですw
だ、ダイジョーブ、まだ挽回できる位置にいる…ッ
と急遽書き繋げたのが今回のお話。場凌ぎとも云う
裏設定詰めておきながらこんなんやらかす作者ですが、今後も読んでいただくと幸い
ツッコまれないとまた気づかないかもなので、ほんとご意見欲しいっす…




