№028 エルフの村に住みたいかー 【でぇじょぶだ、マナは腐ってねぇ】
お待たせ
注意・今回地の文が多いです
でもろくに話が進んでいなさそう
エルフの衣装文化は華美じゃあないらしい。
以前に地の文でなあなあに濁した所為でなおざりとなった事実だけど、この世界では絹縫製、つまり蚕を利用した養蚕が興業されていない。
にもかかわらず、女性用の衣服に関してはそれなりの発展が見込まれている。
それはシルクに代わる相応の生地がある『らしい』ことが第一の理由なのだけど、それがなんなのかがボクらは未だによく知らない。
例えば、元の世界での布製品の種類は植物繊維と動物繊維、そして化学繊維の3つしか種類が無い。
革製品?
あー……、確かにこの世界は動物の皮を鞣すことで衣装に利用してるから、そこも語ることに必要視されるだろうけど今は未だ別の話で。
それを引っ張り出してくると以前のようにもっと混乱する。
話を戻すけど、うち化学繊維が誕生したのは西暦の1935年。
産業革命の後期くらいになってようやく、となった経緯があるので、それに一切踏み込んでいないファンタジー世界では語る必要は無いのでこれも省く。
では動物繊維と植物繊維で何があるのかと言えば、人間が現在利用している大別が4つ。
絹、ウール、亜麻、木綿。
絹と羊毛が動物繊維、木綿と麻が植物繊維。
これだけだ。
蛇足的に石綿なんてのもあるけれど、名の通りからして人体に害をもたらすのは確定なのでこれも省く。
衣食住は生活に必須なわけで、ゲームのように戦闘だけしていればなんとかなるほどファンタジーは甘くない。
その3本柱のうちのひとつが発展するには、利用するに足る材料だって要るわけだ。
そのうちの何故かシルクが無い、というのだから、発展への選択肢はズズイと下がる。
なんだこの縛り、異世界厳しすぎだろ、と設定を考えた奴に文句を言いたい。
ドラゴンの革とか世界樹の葉とかがあるの?
そんなファンタジー素材を得るには、それこそゲームみたいなレベリングが必須になる。
そしてそこまで人間は狂人じゃない。
強靭って言おうと思ったけど、多分『それ』でも言葉は合ってる。音的にも。意味的にも。
ゲーム世界の納得のいかなさを思い知る今日この頃。
なんだか話の滑り方が明後日どころではないけど、少なくとも王城で見た絹製品っぽい姫様の下着姿もといネグリジェ姿は、文化発展の礎を支える『別の代替品』を想起させたわけである。
ん? 要らない描写があった?
まあ気にしないで、その後で烏丸くんに美味しく頂かれたってだけの話だし。
で、何が言いたいのかと言うと、
「ようこそお客さま、私は此処の長に当たる【エーリウ・マトローナ】といいます。どうにも要領を得ませんが、里の危ういところを手助け頂いたようで」
歓迎いたしませう(意訳)、と三つ指で迎え入れて貰えたわけですね。
里長、まあ酋長と呼ぶべきかもしれない人に。
エルフのひとたちの代表と、話をする機会に恵まれたわけですね。
あのひとも視線は烏丸くんとカナちゃんに限定してロックオンされてるけれども、『それ以外』ってことで追い出されないだけマシだと思うべきか。
少なくとも代表であるこの人は微笑みを浮かべたまま表情は柔らかく、口調もまた蕩けるように緩やかだし。
問題点は、そんな彼女の容姿と恰好に当たるわけで。
彼女、うん、例に漏れなくエルフだからね、酋長もまた女性だった。
女尊男卑どころの話じゃなく、男性が居ないんだよね。
里の将来的に懸念が浮かぶけど、直接関係はしてないから思考から外そう。
で、その彼女の容姿だけど、これまたエルフの特徴に漏れることなく『若くてスタイルが良い美人』だった。
胸部装甲は見事な豊満さを保ちつつ、腰回りはキュッと縊れて、尻から太腿にかけてのラインがむっちりすらっと程よいバランス。
顔つきはここいらのお国柄、外国人風な面立ちを失ってもいない。
しかしシャーロットさんのお姉さんやローラさんやリヴィさんなんかの多少年上の彼女たちを例に挙げるまでも無く、美人はどういう国に居ても美人で、脳に何らかの異常でも顕れない限りはそういう常識は決壊するわけも無い。
この酋長のエーリウさんも例に漏れず、白人風の顔立ちは目鼻立ちが硬くてキツい印象を与えるにもかかわらず、10人中10人が美女だと言い切れる程度の美人だ。
喩えるならば、人妻風。
銀に輝くが柔らかさを思わせるように波打つ質を備えた緩やかな髪、陶器か雪化粧を連想させる透き通った白い肌、口紅を曳いているわけでもないだろうのに水気を保つ艶冶な唇に、菫の花のような彩りを覗かせる瞳がはっきりと伺えるのはそれだけ各個性が主張し、しかし調和を保って美盛を飾っているためなのだろう。
傾国の美女と謳われても可笑しくない、そんな風貌を抱きつつも、匂わせる空気が熟したワインの封を開けたばかりかのごとくに、芳醇なフェロモンを漂わせているのだ。
訂正しよう。10人中10人が、こんな愛人を欲しがると断言する。そんな容姿の美女だ。
……なんでこんな美女の描写に手間かけてんだボクは。
そんな風貌を踏まえた上で、身に纏っている衣服は多分だが、羊毛を編み合わせたセーターのようなモノ。
多分と言うのは見た目がそう見えるけど確認したわけじゃないからだけど、セーターと断言しないのは、衣装の形状が胴部分だけで、袖のところが肩口から布地が無い所為だ。
背面は確認していないけど、此処までのエルフさんたちの恰好で大体想像も尽く。
なんかもう『童貞を殺すなんとか』を彷彿とさせる衣装。
首回りから吊るして胸の、いやさおっぱいの下、腰の辺りを麻紐で留めている形?
そのうえでエーリウさんに限らずに、ざっと見た感じでタイプは違えど男好きから外さない美人しか見当たらない村だったわけで――。
……この村、危険だ……!
男共の心配なんて別にしてないけど、普通に旅してたりする男性は逃れられなくて取り込まれるんじゃないのか……!?
……いや、山姥じゃあるまいし、取り込まれて何が悪いとも言う気は無いけれどね。
取って食われるだろうけど、それだってカニバリズム的な意味合いを含まない、湿った暗喩を抱く結果を招いて寄せるだけで性的な意味だろうし。
けれど、こう、女子の本能の部分で警告を発し続ける何かが脳裡に過るのです……。
っていうかこの世界、旅人みたいな人種っているのかなぁー?
「とりあえず、エーリウさんて呼んでええんかな? ちょいと質問があるのやけども」
思考に耽る合間に、対面した状況で問いを投げかけ口火を切ったのはカイチョーだった。
あ、なんか今日地の文ばっかりでごめんね?
言いたいことも多分掻い摘めてねーや。ハハハ。
「なにか?」
「おたくらって、エルフで合っとんの? 種族名?」
が、その質問には全員が小首を捻る。
いまひとつ要領を得ない問いかけに誰もが疑問符を浮かべ、ローラさんがカイチョーへ問い直した。
「……タケモト殿、貴女は何を訊いているのだ?」
「ん? んー、あんなぁ、うちらのとこでも、こー、横に尖って耳の長いヒトらを『エルフ』って呼ぶ文化はあるんよ」
烏丸くんみたいに不親切ではないカイチョーは、質問の意図をわかりやすく語る。
語り出しに頷いたのは、リヴィさんだった。
「ああ、それはまあ、キンジョーも言ってたな。それはわかるが」
そうしてボクのほうへ視線が滑るが、実際に口に出していたのはリヴィさんやカイチョーだ。
説明してたのが彼女だからなのか、記憶の方がやや混ぜっ返されている恐れがある。
……訂正すべきかなぁ?
「けれどな、その文化って割と最近のモノでな。その辺りの源流がこっちにある言うんなら、その辺教えてもらおうかなー、と」
そうなん?
「エルフって昔の神話が出典じゃなかったの?」
「大元はそうやけども、呼ばれ出したんはここ100年にも達しとらんで? トールキンって知っとる?」
名前だけは知っている。
映画だよね? え、違う?
「……ひょっとして、あなた方はこの国の外から?」
ずい、とエーリウさんに静かにだが詰め寄られる。
うわ、近くで見るとフェロモンすっごい。
熟した雌の香りがダイレクトに鼻孔を擽るのだぜ。
……抱き着いても良い?
「来た、というか、呼ばれたというか……」
「この国は300年ほど閉ざされたままのはずでは……。いや、そのことについては良いでしょうね。しかしそういうことなら――できれば其処の殿方を、三晩ほど貸していただけませんか?」
「ん?」
「は?」
「え」
「ほう?」
「だ、駄目です! 何言ってるんですか貴女は!?」
なんか、すごい勢いで話題が変な方向へシフトした。
カナちゃんに烏丸くんを横目で見つつ、男子を決して下に見ようとしない口調のままに、何故か貸し出しを依頼するエーリウさん。
そしてそのことに勢いよく慌てたように反論するのは、お馴染みシャーロットさまであった。
……まあ、敢えて『日』じゃなくて『晩』って言い切ってる辺り、何が目的なのかもけっこう明白だしね。
カイチョーは聞き返す意図で疑問符を浮かべて、桃園さんは『何言ってんだこの女』って意味で「は?(威圧」だし、カナちゃんは理解してないっぽいけど、烏丸くんが乗り気っぽいのが微妙に笑える。
この子、女の子にけっこう酷い目に遭っているっぽいのに懲りてないわ。
ボク? ボクはスルーで。
どちらかというとエルフの人たちの共通認識になっているっぽい、この『国』の鎖国問題について興味があります。
「何をも何も、新しい血を頂くために、里の女たちへ廻って貰おうと思っています。永住するというなら、拒否はいたしませんよ?」
「は、はぁああああああ!?」
シャーロット様、お姫様がそんなはしたない大声だすんじゃありませんよ?
そういうモノはこっそりと、桃園さんみたいに無言で睨みつけるのが女子としてのマストです。
男子からの見え方も計算して大きく取り乱したりもしないように、というのがイマドキJKのリアクションですから。
うっかりで命を刈り取りそうな目をしてますね、恋する(笑)女子ってコワイ。
しかしほんとに男子垂涎の村だね。
いや、でもそうなるとこの人たちのやり方って若干不備があるんじゃないかな?
「あのぅ、そうして男性を欲するのは、エルフさんたちが女子しかいない点を問題にしているためですか? エルフは女性しか生まれない、って聞いたのですが」
「いえ、正しくは『生まれた女児がエルフになる』の。私たちのような身体的特徴を兼ねて、初めて武器にソレイを重ねるブソウジュツリが使えるように」
あ、またなんか変な単語が出た。
エルフ特有の秘儀みたいなモノを指してるのかな。
さらっと新事実も発覚したみたいだけど、ボクが気になる問題点は別にある。
「数を増やすだけなら、普通に街や村に移住して商売するのは駄目なんですか? 何故にこんな森の奥で生活してるのでしょう」
ストレートに娼婦やれよ、とは言わないけれど。
彼女たちの目的が普通に生きて繁殖する、普通の人と変わりが無いのなら、住処を此処に定めている点が不思議でしかない。
ローラさんらに教えられないままに、こっそりと国側が追い立てたりしたのかな? とか予想もしたけど、そこまで徹底して秘密にできるモノかと、ちょっとこの国の実力として中々に予測が立て難い。
つまりは、こんなクソザコナメクジな国力で隠密に主税入れられますか? と問いたいだけです。
エーリウさんは問いかけたボクを見て、未だに喚きたいが烏丸くんにまあまあと抱き寄せられてぷんすこしているシャーロットさまを見てなんだアレ羨ましいな。
ともかく、何か思うところがあるように思案顔を浮かべたが、言葉を返してくれた。
「いえ、実のところ、この国の男性の精力的に、こう、そろそろ不足が強くて」
「はぁ……」
「明確に言うと、彼らが入って来てから300年代々娼婦をやり続けていますので、遺伝的にそろそろ近親姦が何処かで生まれそうで不具合が怖いのです。この里だけではなく、エルフ全体が森へ移り住み始めている理由はそれですね」
「………………はぁ?」
思わぬ説明に間の抜けた声を上げてしまった。
確かに、血が近すぎると起こるとされる遺伝疾患を本能的に恐れるため、生物は進んで家族内ではそういうモノへ忌避を抱く性質を備えているとは聞いたことがある。
問題は、そういうことを本能ではなく、理屈として語れるこの人たちの知識レベルにある。
いまエーリウさん、『遺伝』って言ったよね?
待って、そういう概念ってこっちの世界でいつぐらいに生まれた言葉?
中世ヨーロッパ的世界観で、それを持ってこれるもんなんでしょうか?
教えて烏丸くん!
「いや、変なところで丸投げはやめてください」
「そらさまぁ、行かないですよねっ、エルフを抱きにいかないですよねぇっ!?」
あ、ごめん。
シャーロットさまと乳繰り合ってる最中でしたか。
~化学繊維
いわゆる石油製品というやつ
ポリエステルとか言えばわかってくれるはず
~レベリング
現実に直すとスゴイ歪な成長力に変わる
実際は筋肉は鍛え続けなくちゃ衰えるし、地力の発散が動作にはどうしたって含まれるので膂力で動物を刈り取るに至るには何処かの範馬さんでもない限り無理が出る
そもそも生き物がそう易々と死んでくれるわけでもないので、場合によっては首を獲っても気を抜けない。ゲームのように体力削ったら戦闘終了には中々至れない
あれか? 魔力とか言う都合の良すぎるエネルギーがあるから問題ないですって言いたいのか?
骨格がヒヒイロカネで筋繊維がタングステンで構成される、って言うなら劣化もしない強化人類だって納得できるけども、エネルギー系の別要素はいるだけでなんでそこまで都合よく成長できるのかの理屈がまったく理解できません
…だから書くやつ書くやつ中途半端に現実仕様だよ全く夢が生まれねぇフザケンナ!(自己葛藤
~美人は何処に居ても美人
常識変換とかいうネタがさらりと世に蔓延っていますけど、その辺は好みの問題か脳機能の障害くらいしか原因は無いです
それでも別の原因探ろうと思うなら『人間』の形態が違う『別の宇宙』にでも出張している、くらいしか思い至りませんが、そうなるとコメディ突破してSFですな。火の鳥系の
~…で、結局何が言いたかったの、この子…?
そ、装飾の話じゃないかな…?(メソラシ
~エルフ|(原点かつ原典)
北欧神話のアールヴ、アルプスを捩っての『白』という意味が含まれているモノをトールキンが使い出したのが始まりだとかいう説
ググると出てくる、意外と最近の文化
…800歳とか世紀を跨いだレベルのご高齢の方々って、種族の成り立ちと命名とかってどうなって…(手記は此処で途切れている
~外から血を取り入れる
山間部では嫁さんを客へ差し出したりして子作りを推奨するところも未だにあるらしいっすね
聞きかじった妙に生臭い噂




