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桔梗紋  作者: 翠泉
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相羽城への出陣

 先ずは稲葉山城から15km東へ行ったところにある相羽城を攻める事になる。

 長屋景興が率いる兵力はおよそ五百人。

 明智家よりも兵力は多いが斎藤家の兵力は一万を超えている。

 圧倒的な兵力差であるし、相羽城は平城で遮るものはほとんど存在しない。

 この兵力差で挑もうと思った景興の行動は男気に溢れていると思う。

 前の主君を思って行動を起こせることに敬意を送るが美濃のためには仕方ない……


 次に揖斐光親の居城である揖斐城を攻める事になる。

 稲葉山城からおよそ二十kmの位置にあり標高二百mある城台山の山頂にある城だ。

 兵力はおよそ七百五十程である。

 山城であるため攻め難いが兵力で見ると話にならないであろう……

 

 それでも挙兵した彼らは本当に尊敬に値する。

 心無いものは彼らを分をわきまえていない無能だ、と罵るだろう。

 しかし自分はそうは思わない。

 斎藤勢である自分がいうのもなんだが言わば斎藤道三は謀略を駆使し、美濃を乗っ取った謀反人だ。

 代々土岐家に仕えてきた彼らがこれを見過ごせるはずがない。

 たとえ勝てないと分かっていても……


 なれば自分達は全力で戦をしようではないか。

 これが人としての礼儀、強者としての義務だ!


 


 「皆の者、用意は十分か?今から出陣する、向かうは相羽城だ。儂に続け!」

 明朝、道三様の声が響き渡った。

 いよいよか……

 そう思いながら二百の兵を連れて自分達もそれに続いた。

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