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桔梗紋  作者: 翠泉
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曹洞宗、一日の終わり

昼食を終えた自分は再び作務を行っていた。 

 いざ掃除を始めると隅から隅まで綺麗にしたくなるものである。

 ある意味これが一番楽しかったりする。

 自分がこの寺を変えてやるという気持ちを持って掃除に励んだ。


 「今から夜の勤行を行う」

 現在の時刻は午後の四時半頃であった。

 夜の勤行は日によって唱える経典が違うのだそうだ。

 自分からしたらどの経典でもあまり違いはないけどね!

 何故ならどれでも全く分からないからね……

 まぁ今日の経典は念誦(ねんじゅ)というものらしい。

 本当に自分の中では区別がつかない……


 また移動し、そこに待っていたのは夕飯であった。

 これまでの食事よりも豪華で、麦飯、味噌汁、キュウリの漬物、秋刀魚の塩焼きに冷奴であった。

 やっとしっかりとした食事を取ることができる……

 ここでは夕食のことを薬石(やくせき)と言うらしい。

 禅門では薬石は正式な食事ではないそうだ。

 昔は温めた石を抱えて飢えを凌いだらしいが、そんなこと考えられない……

 絶対に耐えられん……

 飢えを凌ぐための薬と考えられているから薬石と呼ばれているらしい。


 「夜坐(よざ)を行うぞ」

 夕食の後はまたもや座禅がまっていた。

 これが一日の締めくくりだそうだ。

 「座禅に始まり、座線に終わる、日々精進」

 確かに毎日こんなことをしてたら人が変わるっていうものだ。

 これはこれで悪くはないと思えるようになっていた。

 

 夜坐の終了を告げる鐘がなった。

 するとまた違う鐘の音が聞こえてきた。

 この鐘を開枕鐘(かいちんれい)というらしい。

 開枕つまり就寝のことである。

 眠り方や体の横たえ方にも作法があるらしく、最後まで気が抜けない。

 これを毎日続けている僧の人たちには頭が上がらない……

 本当に心の底から尊敬している。

 だけどこんなにも真面目な人だけが世の中にいるわけではない。

 たとえ僧であっても必ず悪はいる。

 「もっとより良い世の中にしなければな……」

と固く決心した。

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